記録ID: 29307
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沢登り
道北・利尻
道北の山・遠別川滝の沢-ピッシリ山
1999年09月10日(金) 〜
1999年09月11日(土)


- GPS
- 32:00
- 距離
- 22.5km
- 登り
- 853m
- 下り
- 11m
アクセス | |
---|---|
コース状況/ 危険箇所等 |
遠別川支流滝の沢川・ピッシリ山(天塩山地) 【年月日】1999/9/10-11 【メンバ】銭谷竜一(90年入部)、松原憲彦(90年入部) 【行 程】 9月10日:入渓(l0:30)→滝の沢川出合二股(11:00-11:30)→BP(13:00) 9月11日:出発(7:40)→地図上の滝(8:40-9:20)→ピッシリ山頂上(14:30-15:00)→登山口着(16:15)→最終人家(19:00) 【記 録】 「魅力的な沢を持たない山には登らない」が私のささやかな信条で、北海道に十年も居るのに未だ利尻に登ったことがない。それよりは流程15kmを擁する、北の岳人にすら顧みられることのないこの渓谷を溯って地味なピッシリ山に登りたい。ということで… 9月10日(快晴後曇り) 札幌から海沿いに4時間ちょいのドライプで遠別川河口へ。海上のとんがり山に挨拶して、タクシーで遠別川上流へ。フイヤムナイ川の橋にゲートが有り、ここまで。滝の沢川出合いまで歩こうと準備してると、折よく工事現場に弁当運ぶおばちゃんが登場し、ゲートが開いて乗っけてもらう。二股手前の右岸でトンネルを掘っており、ここの橋より林道利用で入渓。 水はぬるい。じきにパッとしない二股着。期待が大きかっただけに、ちょっとガッカリ。平凡な河原をのんびりと溯る。屈曲した右岸側壁にはテカテ力に磨かれた砂岩スラブが現れ、なかなか良い感じ。休憩中、地質のプロである銭谷に、この沢の成り立ちや岩の講釈を受ける。実際に地図を眺めればわかるように、滝の沢川は珍しい地形をしており、沢床に対して左岸尾根が非常に低く近く、また流域面積が流程の割に小さいことも特徴にあげられる。銭谷説では、海底で堆積した層が東から西方向に傾斜をもって(東が高く、西が低く)隆起し、雨などによる侵食と崩壊によって形成された沢だとの事。こんなツラでも大学院出てんだから。 歩いてると婚姻色をしたマスが目の前をよぎり、色めき立った我々は早速釣り始めるも、こういう魚は餌を食わない。暑いので標高300m左岸の開けた河原にて早々とキャンプ。二股からここまで正味1時間の行程。夜には予想外の雨がバラつく。 9月11日(晴れ) 明るい朝。この沢には顕著な支沢の流れ込みがあまり無く、現在地確認を小まめにしていく。一時間は昨日までの沢歩き。側壁が立ち、マスが多いなと思えば眼前に立派な滝が現れた。地図上の滝印のそれで、魚留めになっている。両岸40mの壁を従えた15mの斜滝で、フリーでなんとか登れる。が、その奥に釜持ちの5m直瀑が控えており、これには手が出ず、戻って漆まみれの容易い左岸捲き。滝を1つ越えれば函は終了して開ける。ここいら辺りは泊まれないこともない。これ以後は、時折思い出したように短い函が現れる。函は小さいながらも、思いのほか楽しませてくれる。中には垂直の滝もあるが、礫岩なのでなんとか登れるし、へつれる。 いいぺ一スで進むのだが、この沢はやはり平坦部分が長く、同じような風景が続く。標高630mで支流を分けると沢は完全に開け、標高700mで源頭の感となる。20分程の太い笹薮漕ぎで登山道に当てて、天塩山地最高峰のピッシリ山頂上へ。名も知れぬ地味な道北の山々が波打っている。海は見えるも、どう眼を凝らして見ても利尻が見えぬ。残念だが、風もあるので下りにかかる。羽幌コースは歩き易い道で、一時間ちょいで登山口に着くが、ここに車を持たぬ我々には最終人家までの10キロにわたる林道歩きが残されていたのであった。きれいな星空の下歩き通し、これを北海道での沢登りの締めくくりとする。 (松原憲彦・記) |
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