黒岩峰
新潟県
Tomahawk
seike
watarunrun
体力度について
- GPS
- 08:17
- 距離
- 13.0km
- 登り
- 1,839m
- 下り
- 1,840m
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| 過去天気図（気象庁） | 2021年02月の天気図 |
|---|---|
| アクセス |
利用交通機関：
自家用車
|
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感想
2月6日に巻機山に登った時に対岸に見えた斜面に心を奪われた。斜度、うねり、独特な地形。標高差も500m近くある。これだけの魅力的な斜面はそうそうお目にかからない。ただ、南面で標高もあまり高くなく、安定した良い雪で滑るのはなかなかに難しそうだった。以降、週末の条件を吟味しながら「この日なら行けるのでは」という日を選んで決行することにした。登りルートは割引沢を滑った際におおよその見当はつけておいた。
前夜入りして入山口にテントを張り就寝。翌朝朝食と準備を済ませて5時過ぎに歩き始める。前日のトレースはあるが、途中からこれを逸れて橋を渡る。渡渉ポイントで少し右往左往したが、しっかりとしたスノーブリッジが見つかった。途中急な箇所もあるが、無事に尾根に乗り上げ、あとは快適な尾根歩きとなる。黒岩峰直下がシールではギリギリの斜度で少し気を遣ったが、ここはモーゼ先頭で切り抜けた。
黒岩峰を過ぎてからは向かって右側にずっと雪庇があるので、左の樹林帯を絡めながらトラバースする。目的のピークに向かって稜線に出てアプローチは完了。日が当たりすぎると雪崩れるので、急ぎ目で準備をして滑り始める。前々日までにまとまった降雪量があり、融解凍結層との結合に若干の不安があったため、尾根主体のラインを選んだ。まずは私が先頭で見えている小ピークまで。前日午後から日射が入ったせいか、西側がモナカ気味で東側がパウダーだった。一度止まってリグループする。
ここからは1ピッチで滑ろうと再度滑走開始。うねりのある緩斜面から急斜面を沢沿いに滑る。出だしでスラフが出たので、これを警戒して沢心に寄るたびに後ろを振り返って滑っていたが、それは思っていたよりも速かった。「ゴォッ」という音とともに一気に自分の左側をまとまった雪が流れていく。気づいて速度を落としたが沢が狭く、沢心に向かってターンを切ってしまっているため、完全には避けきれず、スキーのトップが引き込まれそのまま流れに乗った。「ヤバイッ」と声が出たが、幸い数秒流されてすぐに逃れることができた。残りの数ターンをこなして対岸の安全地帯へ逃げる。
2人目の無山無命はリッジラインを選択。ここが地形的に孤立していたこともあり、2ターンにわたって面で崩れ、サイズ1.5くらいの雪崩になった。幸い巻き込まれることなく合流。3人目のモーゼも慎重に滑って合流。対岸から見るといくつか同様の雪崩跡があり、特に右側上部の破断面はかなり大きく、サイズ2以上はありそうだったので、これを事前に見ていたら滑らなかっただろう。まだ時間が早いので登り返して井戸尾根の北西面を滑ることにする。登り返す間に滑った斜面からは断続的に点発生雪崩の音がしていた。晴れると昇温ですぐに雪崩れる難しい斜面だ。
井戸尾根に乗り上げたところに撮影に来たらしいスノーボーダーのクルーがいて、無山氏が会話したそうだ。黒岩峰を滑ったのか、と聞かれたそう。適当な箇所でモードチェンジしてからまた滑る。パウダーはまだ生きていてかなり良かったので、再度登り返し。今度はもう少し上まで登るとさっきのクルーが撮影を開始していた。その撮影ポイントより少し上から再度ドロップ。沢のボトムで登り返す彼らを見届けて、自分たちはそのまま割引沢を下って下山した。
下山後に片付けをしているとさっきのクルーに遭遇して話しかけられた。聞くところによると、彼らも今年の1月に黒岩峰の別ラインを滑ったという。特段事前に調べることはなかったものの、あまり滑られてなさそうだ、とは思っていた。聞くと、それ以外で滑ったという話はあまり聞かないそうで、1月のその時も難しい雪だったという。ここをベストな条件で滑れる日は年に何度もないのだろう。同じ斜面に魅力を感じ、そこに情熱を傾けるローカルの滑り手がいることを嬉しく思った。
後日談 by えんでかし
https://endekashi.tumblr.com/post/644828925993910272/恒例の越後合宿
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