仙千代ヶ峰・遭難者捜索
- GPS
- 07:37
- 距離
- 7.5km
- 登り
- 864m
- 下り
- 856m
コースタイム
天候 | 曇り時々晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2013年05月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
道迷いに関しては私が見た中で最大級に難しい山でした。 山頂以外は道標がないに等しく、林業用の目印にピンクテープを使用されているので、テープを頼りに歩くとえらい目に遭います。読図力の実力が試されますが、やはりGPSを持って入山されることをお勧めします。 |
写真
感想
仙千代ヶ峰で4/26に入山し、同行者とはぐれてから行方の分からない方の捜索要請が届きました。
既に警察、機動隊、消防、地元の山岳会による捜索は実施されていますが、残念ながら発見には至っていません。そこで遭難対策委員会に依頼が入ったのですが、この一体は未知のエリアです。まずはどういうところかを、無事に帰還された同行者の方と一緒に山頂まで行き、途中で見つけた迷いポイントからの下降を下山時にするというプランです。
一緒に山に行った人が遭難して、自分だけが生還するというのはある意味生き地獄です。今回の生還者の方もかなり精神的に追い詰められている感があり、こうやって捜索に協力しているときのほうがまだ楽なのでしょう。
さて、なぜ一緒に山に行って片側だけが遭難したことから説明しないといけません。遭難された方をAさん、生還された方をBさんとしましょう。
Aさんは定年退職後に山登りをスタートし、いつも誰かに連れて行ってもらうというスタイルです。月に1回行くかどうかというパターンで、今回も残念ながら必須アイテムと思われる下記の装備はありませんでした。
・地図とコンパス、あるいはGPS
・ヘッデン、ツェルト
・非常食
唯一の救いは雨具があるということでしょうか。
この山は杉や桧の植林地帯で、林業の方が作業されるための九十九折の作業道、伐採の目印のピンクテープが多数存在します。反対に道標が殆どなく、テープ類はあるも林業用のそれと見分けがつかないので初めて入山する人が地図なしに山頂に行くのは不可能と断言できるレベルです。(無論、携帯は山頂への稜線以外ではまったく通じません)
登山口には午前10時に着き、そこから急な斜面にある登山道を登り始めます。Bさんは当日もややお疲れのようで、なるべく急斜面は避けたいと考えたのか、途中の林道作業道と分岐点で、斜度の緩い作業道を選択されました。Aさんは斜度の急な登山道を選びます。多分、すぐに合流すると踏んだのでしょう。(実際、上部にはそういうところがあります)
ところがBさんの行った作業道は途中から踏み跡が薄くなり、薮漕ぎ状態に突入します。どうしようもなくなり、その作業道を引き返してさきほど別れた地点で待機(13:30)、1時間ほど待つがAさんが下山してこないため、登山口に下りて確認。(15:00)
再び作業道を探しに登り(15:30)、一度山頂へ続く稜線にまでたどり着くも(17:40)、下山ルートで道に迷い19:00頃ビバーク。翌朝4:30に下山を開始して7:30に警察に届ける。
この山は登山道沿いには水場がなく、どこかの時点で必ず水場を探しに下りることでしょう。(滑落して即死とかなら別ですが)
ただ、地図を見て分かるとおり標高を下げるにつれて斜面が急になるのが特徴です。なので進退窮まった上に滑落という可能性が高そうです。
今回の捜索では、正規の登山道から下山時に迷いやすいポイントを探し、そこから下降して探すという手法でしたが、残念ながら手がかりはありませんでした。
まず、地図がないと一体どこに向かっていいのかさっぱり分からないのがこの山の特徴です。なので、どこまで登られたかにもよりますが、道に迷って疲れもあると登り返すことをせずにそのまま強引に下に下にと下りていくというパターン、東西南北どの方角でも可能性がありそうです。
登山道には道標が設置され、道は明瞭でよく踏まれている…というのは、運がよければそういうこともある、という程度に思っておきましょう。突然の土砂崩れで登山道が流されていたりとか、色々な困難が予想されるのが山です。同行者が途中で具合が悪くなり、急いで助けを呼ばないといけない。でも道を知ってるのはその人だけ、地図はあるけど現在地が分からない。携帯も通じない。記憶を頼りに下山するも途中で道に迷い、こっちまで遭難してしまう…というリスクを想定し、どのように対処するかを入山前にイメージしておきましょう。
自分でできそうになければ、ベテランが複数いるパーティーを構成して入山するか、他の登山者が多数入山している人気のある山に行くことです。
コメント
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桃さんToshiさんお疲れさまでした!
厳しいなぁ! あの恐怖を20日以上耐えておられるかと思うと胸が締め付けられます。灯りがないので夜は不安で眠れなくて昼間に寝てしまいますので2日目以降の行動範囲はかなり狭くなるはず、どうか無事でおられることを願います。
日曜日の捜索でも見つからなかったようです
地図も何もないので、とんでもないところに向かっている可能性もあるんですね。元遭難者・遭難評論家のyuconさんでも見当つかないですかね〜
捜索の経験もない(捜索された事はある)私の個人的な見解ですが・・・。
道迷い遭難すると一見で危険そうなところへは近寄りません。これ以上リスクを負いたくないので安全で険しくなさそうな所を慎重に選んで進んでいるつもりで深みに入るパターンですね。あと来た道を戻ることもしなくなります、多少戻っても迷っている状態からは脱出できないので 後もう少しで もしかしたら道が開けているのではという期待感が遭難者を前へ深みへ進め不安と焦りと裏腹に楽観的な甘い考えが混乱を招きます 痩せ尾根、ガレ場、ザレ場、ヤブ漕ぎ・・・こういった所は極力避けます。ですので一見緩やかな斜面を谷へ降りるんですが稜線上から見える斜度と実際に歩いて近づいた時の斜度にはギャップがあり思ったより険しくて急峻な時が多く気がつけばかなりの急坂の途中で立ち往生します。よく見ると谷底まであと4〜5メートル、今降りた斜面を引き返す事も出来ず、そして真っ直ぐには降りられないので少しでも安全そうな下降ルートを探して急な斜面を谷に背を向け左右へトラバースしてる時に足を滑らせたり支持に掴んだ岩や木の根を掴み損ねたり崩れたり抜けたりして「滑落」します。遭難者に欠如しているのは「忠実と確実」です。来た道や踏み跡、目印を忠実に辿ることや持てる情報を全てインプットして最も確実な選択をして注意深く前進することを怠ります。気持は分からなくもないですが・・・。
ですので最初から懸垂下降が必要な所ではなく、パッと見 緩やかな下りで段々と険しくなり最後は崖となっているようなところ(T字のブナ権現みたいな所)を注意して探してみてはどうかと思います。地形図をみると等高線の間隔が急に狭くなっている所ですね。
あくまで個人的な見解ですが・・・・・。
そうなんですよね〜私もyuconさんの行動パターンからそういうところを想像していたのですが、そういう場所が無数にあって
道標があれば方角も修正されるのでしょうけど、道標がないに等しいところで地図もコンパスもない、となると下に降りようとするしかないでしょうね。
問題はどこから降りようとしたのかですが、作業道が縦横無尽にあるのであらゆる範囲が想定できるんです。
捜索の行方が気になりますが、さすがに往復の交通費が6000円もかかると、毎週行こうという気になれないんですね。初回は未知のエリアへの興味でしたが
何と往復6千円とは、遠いのか 複雑に奥地なのか…でも気になるなぁ〜。
ホント低山や里山で独りで行方不明でなどのキーワードを聞くと あのじわりじわりと追い詰められていく感覚を思い出します。
自分はそんなんじゃ死なないと最初は楽観的に考えるのですがだんだんと現実が最悪の方向へ引き込まれて行きます。独りだと会話する相手もいないので自己の内面との対話になります。気が狂う寸前です。
って、ここで語るより行動なので・・・。
例の「類は友を呼ぶかも?シミュレーション山行イン御在所岳」を来月に試行します。詳細が決まればまた計画アップしますが単独でないと条件にそぐわないと思いますので同行は謹んで辞退いたします 。でもよく考えたら「御在所岳」って登ったことがないなぁ〜 。まぁとりあえず事前情報をあまりインプットせず自分の感覚だけで「湯の山温泉駅」から出発してみます 。できれば平日の方が良いと思うので6月初旬の平日になると思いますがあまり期待はしないでくださいね !
あっ!それと「幽霊草(ギンリョウソウ)」は私も昨年ゴロ谷へ滑落する寸前に斜面で見ました。「これが幽霊草かぁ」と脱水症状で意識が朦朧として身体極っていましたが本物が見れて妙にうれしかった記憶があります。
そういう呑気さが生きながらえた最大の要因かもと最近つくづく思います
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