快晴無風の白山百四丈滝
石川県
alpine3B
体力度について
- GPS
- 10:06
- 距離
- 14.1km
- 登り
- 1,826m
- 下り
- 714m
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- 山行
- 12:24
- 休憩
- 1:46
- 合計
- 14:10
| 天候 | 快晴 |
|---|---|
| 過去天気図（気象庁） | 2021年03月の天気図 |
| アクセス |
利用交通機関：
自家用車
|
| コース状況／ 危険箇所等 |
一里野〜しかり場 危険個所なし、普通の雪山 しかり場〜奥長倉 あまり雪庇寄りを歩くと危ないかも、アップダウンだらけ 奥長倉〜百四丈滝 美女坂は一部氷雪化し滑落すればかなりヤバい 美女坂の頭から先はフィナーレの台地 |
| その他周辺情報 | 一里野温泉は断水していたそうで入れず、3�劼曚瀕イ譴真恵羌棆浩瑤� |
写真
6時間のロングドライブを終え、真っ暗な一里野スキー場へ到着。えっ、こっからノー睡眠で登るんすか……？先行2人PTの電気が見えてますね。
1時間かけてゲレンデの標高差500mを登りきる。ホントはここゴンドラでショートカットしたかったんだけど、動いてないもんはしゃーない。
あまりにいい天気なのでここでしばらく昼（朝？）寝してしまった
ここまで来といてなんですが、もう300mを登り返す気力はないので滝つぼへは降りられません……(´;ω;｀) 次回はもっとしっかり日帰りアタック前提で来よう……
1
この後、帰りはスマホの電池は切れるわGOPROは動かなくなるわでほぼ写真がありませんでした
この後ゲレンデを一気にシリセードで下ったのが一番楽しかった。
感想
かねてより行きたいと思っていた百四丈滝。仕事がちょうど落ち着いてきたので週末でアタックすることにした。
しかしここ最近の休日悪天サイクルは今週末も例外でないらしく、どうやら天気が微妙そう。気象庁や各種天気予報サイトと頻繁ににらめっこしていたら、どうにも土曜日はいい天気だが日曜になるともうダメらしい。もともとは土曜日に滝を見て奥長倉避難小屋泊、日曜にゆったり下山とするつもりだったが、かくなる上は土曜日に日帰り突貫するしかねえ……かくしてできあがった行程がこれである。
「仕事終わって20時くらいに和歌山を出て、6時間くらい運転して一里野スキー場へ到着、そっから睡眠なしで登り始め、まあ15時間くらい見とけば18時日没前くらいには帰ってこれるだろう、降りさえすればあとは車中泊でもいいしなんとでもなる」。睡眠不足で山に登ったことはごまんとあるが、完全に睡眠ゼロで臨むのは初めてだし、計画段階で15時間行動なんてのも初めて。はっきり言って個人的には正気でない計画なのだがこれ以外の選択肢がないんだからしゃーない。
そんなこんなでレンタカーを操り土曜日の午前2時くらいに一里野スキー場へ着いたのだが、おそろしく眠い。30分ほど仮眠してみるもそんなのでどうにかなるはずもなく、しぶしぶといった感じで準備して出発。はっきり言ってこの時点ではもうしかり場往復で上出来じゃないの〜という感じだったが、ここで同行の2人PTがいたのは心強かった。まずはゲレンデの標高差500mを登り始める。月明かりの中1時間登り続けてゲレンデトップへ。結構傾斜が強く早くも帰路が心配になる。檜倉へはまあ普通の雪山の登り。向かいの尾根の導水管から登っているであろう人の明かりがチラチラ見えてお互い励みになる（っていたのではないだろうか）。檜倉を過ぎていったん鞍部へ下ったあとからいよいよ雪山のゲキ登りが始まる。日も登って明るくなり、しかり場にたどり着いた時にはここから進む稜線と美女坂上の台地が快晴の青空をバックに現れていた。しかり場まで標高差1000mを3時間半、ここまではなかなかのペースである。
しかり場から先はアップダウンの多い稜線、さらに雪庇のすぐそばを通る危険個所も出てくる。偽ピークを越え、口長倉の長い登りを越え、一気に鞍部まで下らされ、また偽ピークを登り……奥長倉まで2時間かかったのだが、こんなアップダウンの多い雪山は超ひさびさだ。避難小屋にたどり着いた時には睡眠不足もあいまってすでにバテバテだった。
避難小屋で先の2人PT、別の2人PT、さらには泊まって滝を見に行っていた先行2人PTと出会い一気ににぎやかに。ここから先の美女坂は難所で追い抜きも難しそうなので、自分は昼寝でもして先に行ってもらうことにする。
20分ほど昼寝した後いよいよ出発。奥長倉ピークを越えて美女坂に取りつく。ここまでにない強い傾斜と氷雪化した斜面、蹴りこんでもなかなか足ごたえがない斜面をビビりながら登っていく。がっつりビビったのは1か所だけだったが東に降れば雪庇、西に降れば目附谷の恐ろしい尾根であった。
1時間かけて息も絶え絶えになりつつ美女坂の頭に到着。突然穏やかな平原が姿を現す。普段は強風吹き荒れるらしい標高2000mの台地も今日は快晴無風だった。展望台（降下点）まではさらに100mの登り、途中でヘリがものすごく近くに接近してきたがあれは何だったのか……？台地の雪庇が切れたとこから下へ降りるトレース、覗き込むとそこには断崖から落ちる水、そしてあの幻の氷壺、百四丈滝についに到達である。右を見ればひたすら白い四塚山、左を見れば大笠山とか対岸の山並み、そして奥には日本海や北アルプスまで望む最高の景色、途中で5回は引き返そうかと思ったがその苦労も報われる瞬間であった。
で、ここまで来ておいてなんだが、もう今日は滝つぼへは下りずここで引き返すことにする。荷造りの時点では避難小屋泊の予定だったので余計な荷物もいっぱい入っていて重く、なんなら出発時間も予定より遅れているし、何よりもう睡眠不足もあってバテバテなのである。もう今日は許してほしい。次回の宿題ということで……
ということで撤退にかかる。不思議なことに後ろ髪をひかれる思いは全くなかった。というより美女坂の下りが気がかりで頭の中それでいっぱいだったのかもしれない。下りは存外、足の裏全体で重力を受け止めつつ下れば楽だった。しかし1回ずるっと行きかけたときには本当にタマヒュンだった。ありがとうピッケル、君はトロツキー殺戮用ツールだけじゃなかったんだね。奥長倉まで生還しここで長い休憩を取り下りへ備えた。なおこの時点でスマホの電池は切れかけ、美女坂の下りもGoProで写真を撮るのを忘れていた。核心の写真がないのは登山あるある。
こっから先はもう写真もほぼ取ってないので残っているのは記憶だけだが、口長倉への登りで呪詛の言葉を吐きまくっていた気がする。快晴無風好展望の尾根を独り占めしながらこんなことを言っているんだから贅沢だなと思いながらもやはり口長倉の登りは心底ウンザリだった。結局しかり場⇔奥長倉で行きは2時間、帰りも1時間40分くらいかかっていた。しかり場についたあたりから空にやや雲がかかりだした。しかしそんなことももうどうでもよく、頭にあるのは下山後の温泉のことばかりだった。檜倉への最後の登り返しをヤケクソで登り切り、ゲレンデトップまでも無心で進み続けた。
実は一番楽しい区間はここからだった。ゲレンデを登っている時にはかなり傾斜が強いと思っていたがそうはいってもスキー場なわけで、尻セードにピッケルで適度に速度を制御しつつ爽快かつ楽に直滑降していくことができた。下部の傾斜が緩むエリアはさすがに止まってしまったが、1時間かけて登ったところを15分や20分で降りるとっておきのアトラクションだった。下山はゲレンデルート以外の選択肢はないのでは？！かくして水平距離24�匐瓩�、標高差1500m+アップダウン累積分、行動時間15時間の超ハード山行は無事幕を閉じたのであった……。
下山後、一里野温泉は一帯が断水しているとかなんとかで営業しておらず、新中宮温泉へ。とりあえず汗を流せたのはいいが宿泊先が見つからない。もともと日帰りの予定じゃなかったから予約なんてしていない。しかしそれは逆に車中泊の用意はあるということで、道の駅まで移動し下半身寝袋、上半身ワークマンで翌日10時まで爆睡した。帰路はもうずっと雨が降っており、超ハードな行程ではあったが日帰りにしてよかったなあと思いつつ、いろいろと寄り道しながら再びロングドライブをこなして家へ帰りついたのであった。
☆次回があれば☆
荷物をしっかり減らして、睡眠をとったうえで日帰り前提で挑もうね！
氷壺降下もやろうね！
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雪と氷に囲まれた百四丈滝ですよね。
滝壺までは到達出来なかったみたいですが、睡眠時間０の後の15時間行動お疲れ様でした。若いっていいなぁ。。羨ましい。
次回は、ぜひ！！
次回はがっつり軽量化してしっかり寝てから2時間早く出発でしょうね
K会の皆さんならテント担いで日帰りしそうなもんですが……？
私もここにいつか行ってみたいと思っている場所！！！
この冬場の百四丈滝は登山の最終目標と言っても過言ではありません。
しかしながら体力が続かなさそうなのと、目に見えて危ないのでなかなか足を踏み出さずにいます。
他のパーティと同行した形とはいえ一人でアタックされ無事帰還される実力は流石ですね。
お疲れ様でした。
お久しぶりです！
今回は天気の関係で日帰り突貫になってしまいましたが、避難小屋利用の1泊2日なら体力的な負荷もそこまでではないと思います（それでも十分なロングトレイルではありますが……）
雪庇は多いですが迂闊に寄らなければ大丈夫ですし、危険個所は美女坂の1か所くらいでしょうか。
滝壺降下できなかったこともあって再訪する気はありますので、会えたらいいですね。
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