尾瀬(大清水〜鳩待峠)
- GPS
- 08:44
- 距離
- 23.3km
- 登り
- 821m
- 下り
- 427m
コースタイム
天候 | 曇り⇒霧雨⇒薄曇り⇒土砂降りの雨 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2013年06月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
バス
|
コース状況/ 危険箇所等 |
尾瀬沼西岸歩道は崩壊地点が1箇所あり。迂回ルートはあるものの危険。残雪も多く、また木道は古く傾いているものが多い。特に必要性のない場合は、西岸歩道は通行しないことが望ましい。 また、尾瀬全体に言えることは、濡れた木道を下ることは大変苦しい。少しでも気を抜くと滑る。ストックあれば有効か?。 土曜日の尾瀬はとても人が少なく、快適。大清水の駐車場は5時で10台程度しか止まっていない。日曜日の尾瀬は行くところではないのかも知れない。どこの山も同じかもしれないが、オーバーユースと鹿害は今後の大きな課題だ。 |
写真
感想
一昨年、国立公園協会主催の「尾瀬動態調査」のボランティア活動として尾瀬に行った。その前は職場の仲間と5年前に尾瀬を訪れた。自分の登山経験の中では数十回にもなる尾瀬登山も、このところは数えるばかりだ。しかも大清水からの登山は高校2年生の時、クラスメイトと尾瀬に来た時と、1996年の尾瀬ネイチャーガイド養成講習会の現地調査以来のことだ。
事前の天気予報はあまり良くなかったが、池袋を発つ夜は蒸し暑く、雨の降るような雰囲気はまるでなかった。しかし、バスが戸倉に着いた朝の4時ころには、いつ雨が降っても可笑しくない空模様となり、大清水着後も同じ状況であった。それでも雨の降っている中を登山靴の紐を絞めて出発するのとは気分的にも随分違う。大清水では他の登山客が朝飯の「まいたけご飯」を食べている中、一人出発する。久々の森の中を歩くのはとても気持ちがいい。しかし新調したばかりの登山靴がまだ足に馴染まず、今ひとつ歩きづらい。そのうち、一人の若い女性(20代後半か?)にあっと言う間に追い越され、ぐんぐん距離を離されていく。自分も歩く速さにはある程度の自信がある。コースタイムの半分程度で歩くこともある。その自分が全力で歩いても距離はいっこうに縮まらず、それどころかますます離されていく。一之瀬休憩所で一旦追いつくも、さらにその後も離れていく。これはどういうことか?もしや自分は人間とではなく、狐か狸が化けた人間の女と競争しているのかという錯覚とも考えた。
三平峠の登りにかかる。この登りがこんなにきつい登りであったのかと驚いた。登っても登ってもなかなか三平峠に辿りつかない。以前はあっという間に三平峠という意識が強かった。しかし今回はただでは済まない。一之瀬から40分の予測であった三平峠に約50分でやっと到着した。例の女性はすでに姿は見えず。
その後は尾瀬沼までの下り道だ。しかし、ここでまだ問題が発生。下り道は所々が木道となっているのだが、下りの木道、しかも雨に濡れた木道というのは滑らないはずがない。登山靴のビブラムソールではどう対処する方法もない。とにかく慎重に膝を絞めて下るしん方法はないのだが、一寸でも気が抜けたり、体重が踵に置かれたりするととたんに滑る。一度完全に滑り、背中のザックから木道に転げたこともあった。あせればあせるほど滑る。そのうち三平下に到着する。尾瀬沼山荘前のベンチに座って朝食のおにぎりを食べる。
ここからは尾瀬沼西岸歩道を通って沼尻へ向かう。沼尻へは長蔵小屋を経由し。大江川湿原から行く方法もあるが、できるだけ静かなルート、そしてできるだけ距離を短縮したいがためにこちらのルートを選択した。しかし、西岸歩道は残雪が多く、またルートが崩壊し、迂回ルートが作られていたり、また木道の整備が遅れ、木道が斜めに傾いているところも多く、全く一般的ではない。あとでバス会社からもらった簡単な尾瀬ガイドを見るとこのコースには立ち入らないようにと記入してあった。おそらく距離は短くとも。大江川湿原を経由してもこちらのコースをとっても時間的には変わらないだろう。知らないで行った自分が浅はかであったと反省した。当然、人にはだれにも会わなかった。でも誰もいない小沼湿原を独り占めしたことは幸せであった。
沼尻休憩所で一休みし、見晴十字路へ向かう。このルートは白砂田代以外はほとんど見どころもない単調なルートである。見晴から尾瀬沼に向かう時は登り坂にあえぎ苦しむことになるであろう。緩やかな下りとなる沼尻からのルートは比較的楽、と思いきやまたもや濡れた下りの木道地獄が始まる。結局見晴までに30回滑り、そのうち10回は尻もちをつく無様さであった。それでもコースタイム1時間40分のところを1時間程度で歩き通し、この後の予定が随分楽となった。
見晴十字路の弥四郎小屋前のベンチに座り、あんぱんと歌舞伎揚げの昼食をとる。弥四郎清水のつめたい水を腹一杯飲んだ。いつもは人で溢れる見晴も今日は人も少なく、静かな尾瀬を楽しめた。
見晴〜竜宮までの尾瀬ヶ原は自分が最も好きな尾瀬のポイントである。ここだけはのんびりと歩きながら、さまざまな花をゆっくりと観察する。リュウキンカ、ワタスゲ、ショウジョウバカマ、オオタチツボスミレ、チングルマなどが美しい。しかしここを歩くほとんどのハイカーは足元の花を見ず、ひたすら歩くのみだ。何しに尾瀬に来ているのだろうか。それはともかく、この周辺の乾燥化は実に甚だしい。このままだと、数年後には日光の戦場ヶ原のような景観になってしまうことが気がかりだ。しかし、いずれ自然はそのように環境とともに変化するもの…。自分にはどうにもしきれない。
竜宮に着くとまた、人が多くなる。ここから山の鼻までるルートは尾瀬の銀座通りのようなもので人で溢れる。しかし、今日はそうでもなく、木道ものんびりとおることができる。このころから薄日もさすようになり、至仏山は少し雲にかかるも美しい山姿を見せてくれる。景鶴山に残る残雪も美しい。景鶴山は、ここからすぐにでも頂上まで登れそうな山だ。しかしルートはなく、それ以前に立ち入り禁止地区だ。そうこうしているうちに山の鼻に到着。今日の行程の中では最も人で賑わっている場所だ。ここで最後の食糧であるチョコレートを食べ、しばらくボーッと佇む。今、尾瀬に歩いてきた人は山小屋泊か、それとも日帰りか。中にはとうてい登山の服装をしていない若い女性もいる。まいたけ弁当を食べている人も多い。しばらく人間観察をし、12時15分ここを出発する。
本日最後のルートは山の鼻から鳩待峠までの登りのルートだ。コースタイムは90分となっているが、少なくとも60分、少し頑張れば45分でも歩ける。この時間になっても鳩待峠から山の鼻に向かう人やツアー客が多い。急ぎ足程度の早さで鳩待峠に向かう。さすがに最後の登り10分間はバテた。しかし、うしろに女子大生の山ガール5人組みがついてくるので、こちらも疲れている様子を悟られず歩き通す。結局45分間で歩き、13時ジャストに鳩待峠に到着する。すぐに着替え、売店で500CCの缶ビールでひとり下山祝い。最後に400円の花豆ソフトクリームを食べ、しばし佇む。14時10分、戸倉行きのマイクロバスに乗車したとたん、雨が降り始め、しばらくして豪雨となる。なんとラッキーなタイミングの良さ。自分はついていた!
戸倉で大型バスに乗り換え、沼田インター手前の原田観光農園でリンゴパイとマフィンを購入、バスは池袋へ向かう。高速道路はまったく渋滞はなく、18時30分予定よりも60分早く池袋に着き、途中夕食を購入、20時30分に帰宅した。
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