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記録ID: 31675
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積雪期ピークハント/縦走
日高山脈

神威中間尾根-中の岳敗退-神威岳-ソエマツ-ピリカ-ソエマツ東尾根

1996年12月29日(日) 〜 1997年01月07日(火)
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nezzrow その他2人
コース状況/
危険箇所等
神威中間尾根-中の岳敗退-神威岳-ソエマツ-ピリカ-ソエマツ東尾根

12/29-1/7(8-2)

L:石崎啓之(7) AL:柳沢盛雄(11) M:内田隆史(2)

12/28 入山延期

札幌からGettタクシーで荻伏まで来るも,ソエマツ沢まで入っているはずだった除雪がちっとも入っていない。このまま入山しても小屋までたどり着けそうもないので,Gett氏の無償の愛も空しく入山延期とする。浦河の図書館で「やはり夢二は良いなあ」などと言いつつ暇をつぶす。浦河は謎に小奇麗になっており,AL曰く「住んでもいい」。

12/29 スカッ晴れ

神威橋の少し先7:30-神威小屋C1 15:00

浦河タクシーは車体をこすりながら,気合いでガーガーと行ってくれるが,結局神威橋を少し行ったところからスタート。シロチーミ出合までは轍をたどってトコトコと行く。すると鹿打ちのオヤジども共がやってきて乗せてくれる。といっても次の堰堤のあたりでオヤジ共も音をあげて引き返してしまった。そこからはわっぱで靴から脛のラッセル。小屋で泊まる。真っ暗になってから人がやってきて,誰かと思えば,ワンゲルOBの懐かしい面々。

12/30 晴れ時々曇

C1 6:50-中間尾根末端8:20-30-標高1100mC2 16:30

沢は口をあけているが,転石づたいに行く。尾根末端は,藪こぎもあるが概ね快調。湾ゲラーは朝が遅くて,いつまでたっても来やがらねえ。「XXXのヤロウ〜」などと悪態をついていると,標高900mあたりでようやく追いついてきて,あとは交代しながら天場まで。奴らは「予定天場は神威」らしく,泣きながらさらに登っていってしまった。

12/31 スカッ晴れ

C2 6:30-中間尾根頭7:10-標高1300m10:50-11:10-C2=C3 14:00

アイゼンわっぱで出発。ワンゲラーのトレースをたどっていくと,斜面の途中にテントが張ってある。奴らは今日も朝が遅い。頭からの下りで,ALのトレースをたどっていたMのところで雪庇が崩壊する。ここは一カ所だけえぐれたところがあり,下りにとると騙されやすい。XXXをしていたLは崩壊した瞬間を見ていなかった。少々油断していたようだ。1493への登りは驚くほど固くて,わっぱを脱ぐ。アイゼンが全部入んないのね。1493からの下りは,小雪庇がでている。雪庇自体の判断は何てこともないのだが,下りで細いのでなかなか緊張である。最低コル付近は要注意である。M曰く「かつてない緊張感があった。」コルですでに9:30。中の岳は遙か彼方である。やや諦めつつ進む。標高1400m付近の岩峰の手前で時間切れ。まあ今回は走っていける状態ではなかったな,ということで引き返すことにする。振り返ると1493が…なんでこんなに高いんだ。

1/1 雪のち曇のち晴れ(風強し)

C3 8:00-頭8:50-9:00-神威ピーク直下C4 11:40

冬型だがびしっと決まらない。朝は小雪で風が強い。予報からすると後半回復しそうである。チンタラ行くにはちょうど良い。頭につく頃には,神威のピークも見え隠れ。しかし相変わらず風は強そうだ。コルへの下りは何とアイゼンが効く。コル付近は雪庇が出ているが,特に難しい所はない。神威への登りに入ると,風が強くなる。固くて細いところもあり,新年早々しんどい行動だ。しかし,十勝側は別世界,神威直下の吹きだまりは雪洞天国だ。掘っているうちに風も止んだか,ペテガリも顔を出し,いい天気になっちまった。

1/2 雪

C4=C5

1/3 雪のち霧

C5=C6

1/4 晴れ時々曇

C6 6:20-神威岳6:40-50-1468 8:50-9:00-ソエマツ12:40-13:00-東尾根標高1530m付近C7 13:10

二日間寝たきりだったので,神威への登りがやけに体に堪える。神威から見えるソエマツは雪煙をあげている。神威の下りはこれまたアイゼンが快調にきまってほいほいと下っていく。コルからの雪庇もたいしたことはない。ニセ靴幅リッジに騙されて,「今後記録に残すのは止めよう」などとほざいていると,本物が出てきて面食らう。1468のすぐ手前である。平均台みたいなところでおっかない。しかし南からの神威はなんて美しいんだ。ソエマツの頂稜は,なるほど細くて緊張だ。岩なんて出ていない。真っ白である。ピークから10分程下ったところでイグルーを作る。今年は雪が多いせいか,冬天で粘るにはだいぶ下ろさねばならないように見えた。穴でも良かったのだが,Mの経験の為に,と作ったイグルーは狭くて,悲しくなるほど不快調であった。

1/5 曇時々小雪

C7 6:20-ピリカ9:20-30-ソエマツ12:30-C7 12:40-13:10-1235手前のコルC8 14:40

薄暗い中,どっかの夜景をみながら出発。1529までは白くて細い尾根。ギャップのあたりではカニ歩き,バックステップなど2,3回。いずれもステップがよく決まるが,落ちたらやばいところである。1529を下ればあとは太い尾根。Mの出番である。肩への登りはガチガチの斜面をうんざりするほどまっすぐ登っていく。ピーク周辺はガスがかかっているので念のためデポ旗。ピークはガスガスで何も見えん。しかしそこはかとない充実感があるな。「これで主稜線ともおさらばか」などと感慨に耽っていると,Mに「まだ帰りがありますよ」とたしなめられてしまった。帰りは視界がなくなって,雪までちらほら来る始末。まあ後半いいだろう,という甘い見通しは,あっさり裏切られたようだ。早く終わったので天場を下ろす。アイゼンわっぱで行くが,東尾根もなんか,アイゼンが効いてる。途中でわっぱを脱いで標高1200mまで。

1/6 雪

C8 6:45-東尾根末端11:15-右岸の林道との合流点少し手前C9 16:00

アイゼンわっぱで出発。1235までは快調である。ところどころトレースがある。おそらくワンゲラーのものであろう。奴らはトヨニまで行くとかいっていたが,まんまとエスケープしたようだ。1235からが核心である。ここの雪庇はブッシュがあっても油断できない。末端付近はわっぱを脱いでバックステップを多用していく。AL曰く「ここが一番緊張した。」あとは奴らのトレースをたどって,暗くなる頃天場とする。

1/7 雪のち晴れ

C9 6:30-農場8:30-9:00

湿雪がそぼ降るなか出発。今日も奴らのトレースが哀愁漂う一本道となって続いている。ありがたいことだ。天丼の一杯も奢ってあげたくなる。農場につく頃から「下山日は晴れ」。
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