根本山〜熊鷹山。山のしずく


- GPS
- 04:35
- 距離
- 9.2km
- 登り
- 750m
- 下り
- 799m
コースタイム
天候 | 曇りのち雨 |
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過去天気図(気象庁) | 2021年05月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
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写真
装備
個人装備 |
ザック light O
夏ズボン軽
シューズshort
長袖シャツ春
半袖シャツB
夏帽子
ザックカバー
折りたたみ傘
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感想
そうか、天気が良くないのか。来週は所用があり、出かけられない。無理にも行っておこうか。頭をよぎるのは登山体の持続に関してだが、それが先行してしまうのは鈍化への気がかりが敏感になったからだろう、以前は気楽なはずだったが。
数日前から雲の動き予想を見ていると、午前中はなんとか持ちそうな感じだったが、見るたびにその領域も時刻も変わってしまうという有様で、どうやら予想はかなり困難だという感じが伝わってくる。この時期は、微妙なズレが生じやすいのかもしれない。安蘇山塊は、ほぼ足を踏み入れたことがなく、いい機会だろうと。当日の朝、再度確認すると、10時頃にはもう雨が来そうだった。
駐車場に戻ってくると、朝の倍以上、おそらく30台くらいの車があったにもかかわらず、熊鷹山の手前までは、誰にも会わずとても静かな山行きとなった。登りはじめると、湿った空気の重さが伝わって来る。思いも寄らぬツツジの多さに驚かされたが、根本山へと歩むにつれ、昨夜の降雨の余滴だろうか、朝露だろうか、間近の葉や花には、雫が滴り、とてもきれいだった。みずみずしさは一入で、白い玉が彩りを添える。水を受けた新緑も生き生きと鮮やかだった。
一方、根本山から先は、ほぼずっと靄の中。熊除け鐘がところどころに設置され、一叩きすると、ひっそりとした山内に響き渡り、いくらツツジが多かろうが、さびしい気配が立つというもの。山体の湿り気を直に感じると、
「……われ立ち濡れぬ山のしづくに」「……あかとき露にわれ立ち濡れし」と上代の情景が重なり合う。きっと昔の峠越えはこんなもんじゃなかったろうに。どうやら山のしずくは、現在と往古のリアルを容易に浮動往来するきっかけを誘発する代物らしい。雨が近いが、こんな山行きもとてもいい、これなら人出が多いのも首肯ける。
熊鷹山の手前で、雨粒が気になるほどに降ってきた。下山の林内は上空の葉に助けられ、林道は傘をさして戻った。雨は、さほど邪魔にならなかったが、きっとそんな山だったに違いない。
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