南蔵王〜蔵王山、素晴らしい高山植物の稜線は夏山の序章―不忘山・屏風岳〜刈田岳・熊野岳・地蔵山へ


- GPS
- 07:15
- 距離
- 15.6km
- 登り
- 1,557m
- 下り
- 748m
コースタイム
天候 | 曇ときどき晴一時雷雨のち晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2021年06月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス タクシー
ケーブルカー(ロープウェイ/リフト)
福島10:40(JR東北本線) 白石11:14 ※白石城見学 白石蔵王駅🚏13:10(タケヤ交通)¥400 鎌先温泉🚏13:21 ※鎌先温泉泊 (当日) 往路: 鎌先温泉06:35(白石タクシー※迎車料金なし)¥3650 みやぎ蔵王白石スキー場06:55 復路: 蔵王ロープウェイ(山頂線+山麓線)¥1500 蔵王温泉バスターミナル🚏15:20(山交バス)¥1000 山形駅🚏16:05 山形17:05(山形新幹線つばさ154号) |
写真
感想
蔵王は5年前に地蔵岳から最高峰熊野岳を経て刈田岳まで歩いたことがある
https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-962377.html
が、今回は高山植物で有名な南蔵王を中心に不忘岳から屏風岳を経て刈田岳・熊野岳・地蔵山まで歩いてみることにした。
このコースで歩くことを昨年の7月に計画したのだが雨で流れてしまった。
ただ花が目的なので天気が持てば6月の方が季節的には良さそうだ。
今回は南蔵王から歩き始めるために白石方面から入ることにする。
前泊地の鎌先温泉へは白石蔵王駅からのバスが今月から新設されていてちょうど良かった。
このバスルートに需要があるのかなとちょっと心配してしまったのだが、ルート上にある蔵王キツネ村は調べてみると意外と有名らしく年間10万人が訪れるそうだ。
バスの出発まで時間があったので、前回は帰りがけに訪れた白石城へ行き天守閣で気持ちいい風を感じつつ外を見ると、南蔵王が見えているではないか。
前回はまったく気付かなかった。
明日も同じような晴天であることを願う。
鎌先温泉は数件しか宿がないような小規模なところで、建物も雰囲気がよくゆっくりできる良い温泉地だった。
迎えた当日6月14日。
今日は上空に寒気が入り午後から天候が不安定との予報だが、朝は陽が射す時間もあった。
到着は6:40となるとのことだった予約したタクシーも6:30過ぎに到着してくれ、7時には「みやぎ蔵王白石スキー場」から歩き始めることができた。
最初はスキー場から登り始める雰囲気が妙高山や苗場山に似た感じはするが、それらよりもスキー場が小規模なのか早めにミズナラ林の中に入っていく。
周囲はまだヤマツツジが見頃だ。
レンゲツツジの咲く弘法清水を過ぎたあたりから一気に高度を稼いでいくようになる。
展望も開け始め、いつもなら森林限界を超えたあたりからテンションが上がり身体も軽く感じ始めるのだが、今回はかなり身体が重く感じる。
体重が増えてしまったためか、本格的な登山が昨年9月の薬師岳以来になってしまったためか、今回も軽いハイキング程度と考えていたのだが…。
それでも不忘山に到着すると辺りはハクサンイチゲを中心としたお花畑になっていて一気に疲れが吹き飛んだ。
ハクサンイチゲは散り始めているものも多く、この時期でも少し遅いくらいなのかなという感じだ。
不忘山から屏風岳への稜線はハクサンイチゲとミヤマキンバイが中心で、一緒に行った友人のひとりが大好きなチングルマはまだ出てこない。
この素晴らしい高山植物の稜線ではシラネアオイも見ることができた。
自分はこの花が好きでシラネアオイを見るためだけに新幹線を使って日帰りで秋田駒ヶ岳に行ったこともあるくらいなのだ。
シラネアオイもやや終わりかけでなんとかこの時期でぎりぎりだった。
南屏風岳辺りから周囲は樹林帯やハイマツ帯が多くなり高山植物の稜線は終わってしまったが、今度は樹林帯ではムラサキヤシオ、ハイマツ帯ではハクサンシャクナゲが見事だ。
そしてところどころ風衝地なのか開けた場所にはチングルマの大群落が次から次へと現れる。
あまりにも次から次へとチングルマが現れ、その度に友人が大喜びするので自分もかなりチングルマが好きになってきた。
確かによく見ると黄色い雄蕊の付き方が半円状で精緻な造形美を感じる。
芝草平という湿原に着くと白いサクラソウであるヒナザクラの大群落。
この花は初めて見た。
この辺りから雨がぱらつき始めた。
そして杉ヶ峰を越えたあたりで雷鳴が聞こえ始めたと思ったら一気に雷雲が近づいてきたのか怪しい風も吹き始める。
まだ正午前なのでちょっと早いかなと思ったが、そもそも今日は天気が不安定な予報だし、山ではお昼過ぎには雷雨になるのはよくあることだ。
稜線での雷は2年前の丹沢・蛭ヶ岳での経験
https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-1833206.html
もありかなり怖いのだが、ちょうど次は観光地化された刈田岳であり、大きなレストハウスもあり安心だ。
なんとか雷雲が来る前に刈田岳に着けるようにハイペース気味で進む。
刈田岳の刈田嶺神社へ着いたタイミングで雷鳴の間隔もかなり短くなってきており、あわててレストハウスまで駆け下り逃げ込むと直後にドシャ降りとなった。
友人たちはしばらくしてから入ってきたので後からどうしたのか聞くと御釜を見ていたらしい。
レストハウスに駆けこんだのは自分だけだったのだ。
丹沢・蛭ヶ岳で雷に遭遇したときも同じメンバーだったのにな。
予定していた時間よりは1時間ほど早かったので、雷雨の様子を見ながら待機。
このまま雷雨が続くようならロープウェイも止まってしまうだろうし、何より危険なのでタクシーを呼んで下りるしかないだろうと思っていた。
が、1時間もすると雷雲は南蔵王の方に流れたのか雷鳴がしなくなり、雨も弱くなった。
これは行けるとの友人たちの判断で、雨具を着け予定どおり熊野岳へ向かうことにした。
そして熊野岳に着く頃には雨も止んだのである。
熊野岳を下り始めると、蔵王大権現のお導きのように地蔵山への稜線の展望が開けた。
地蔵山の蔵王ロープウェイ山頂駅に到着すると、雷で運休していたが、今ちょうど運転再開したところとのことで、まさにベストタイミングだった。
お陰で蔵王温泉バスターミナルからのバスにも余裕をもって乗り込むことができた。
月曜日ということもありガラガラのバスだったが、山形市街地に入ると、ちょうど通学時間帯であり中学生がたくさん乗り込んでくる。
今回の南蔵王〜蔵王山の縦走は中学生だとしたら夏休みの一大イベントかもしれないなとふと思った。
が、我々の夏山は始まったばかり、今回の縦走はその序章に過ぎないのだ。
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