南蔵王縦走(白石スキー場から刈田岳往復)
- GPS
- 11:27
- 距離
- 25.9km
- 登り
- 1,969m
- 下り
- 1,973m
コースタイム
- 山行
- 9:34
- 休憩
- 1:31
- 合計
- 11:05
天候 | 晴れ、正午過ぎから曇り 無風・微風 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2021年06月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
・危険箇所はなく、登山道もよく整備されていたが、雨後のせいか、各所で泥濘が多く、また濡れて滑り易い箇所も多かった。 ・屏風岳からの水引入道コースは、下り始めがかなり急で滑り易く滑落に注意。 ・高山植物は各所で咲いていた。ハクサンチドリは特に多かったように思う。チングルマは本来なら芝草平付近で見られるようだが、最近降った雹のためか(?)、花びらが欠けていたりしてきれいに見えるものは大変少なかった。 |
写真
感想
白石スキー場から刈田岳を目指して南蔵王を縦走した。天気は午前中は良く展望も得られた。高山植物は各所で咲いていて、見ていて飽きなかった。詳細は以下に。
スキー場の広大な駐車場には4:31に到着。夜通し走ってきたのでヘトヘト。クルマは我々以外になかった。準備のために外に出るとブヨのような虫にたかられる。気持ちの良いものではないので、さっさと準備をして4:43に出発。しかしZさんが余計なものをザックに詰めていて、今日は20kmを超える長丁場なのでなるべく軽量化したく、クルマに置きに戻る。これで5分ほど時間をロス。気を取り直して再出発。スキー場のゲレンデを横切り無料休憩所に至る。きれいなトイレを利用させてもらう。水場も利用可能なようだった。再度歩き始め、ゲレンデの末端のようなところを進む。しばし進み登山道の入口に到達。ゲレンデは日差しが直接当り暑かったが、登山道に入ると樹林帯のため涼しくなり助かった。ここからは延々登りの開始。初めは花も何もなく地味だったが、徐々にサラサドウダンやタニウツギなどが見られるように。どれも密になって咲いていてきれい。ちょうど今が見頃のように思えた。弘法清水にて休憩した後に行動再開。登山道は一部沢のようになっていて滑り易く歩きにくかったが、まだ序盤で脚力もしっかりしていて、スリップすることなく進む。標高を順調に上げると樹林の外に出る。天気晴れで眺望も良い。カエル岩付近まで来るとハクサンイチゲなども見られるようになる。ハクサンイチゲはもうシーズン的に終盤と思うが、まだきれいに見られた。
今日最初のピークである不忘山には7:05に到着。無人。天気も良いので座って大休止とする。休憩後出発間際になって山頂付近に群れて咲いているハクサンイチゲを見る。座っていた位置からは見えず、Zさんが気付かなかったら素通りしていたと思う。出発を遅らせて写真を撮る。この後は快適な稜線歩き。風はそよ風程度が吹いていて、暑くてたまらない、ということはなく、ハクサンイチゲの他にハクサンチドリも見られ始め、登山道は華やかになっていった。とくにハクサンチドリは本当にあちこちで咲いていて、かなりの数を見ることができた。こんなに沢山のハクサンチドリを今まで見たことはないかもしれない。好天の中好展望を楽しみつつ稜線を歩き、南屏風岳を通過。ここから先は蔵王の刈田岳方面の好展望がよく見えるようになる。蔵王自体は10年ほど間隔が空いたものの、無雪期と積雪期のどちらにも訪問したことがあったが、このような場所から眺望を楽しんだことは当然なくて、自分が知っていた蔵王はその一部でしかなかったことを痛感する瞬間だった。眺望に見とれつつ進む。屏風岳から先は一旦下り芝草平へ至る。この辺りからはすれ違いの登山者が多くなる。初めはどこから歩いて来るのかよく分からなかったが、どうやら刈田岳付近の駐車場にクルマを駐めて来ているようだった。芝草平付近ではチングルマが見られるとのことで、Zさんがすれ違いの登山者へ状態を確認したところ、最近降った雹か何かのために、咲いていたチングルマの多くは花びらなどが欠けてしまい、あまりきれいには見られないとのことだった。今日のメインの1つはチングルマだったので、二人とも少し意気消沈。実際に先に進んで見ると、言われたようにしっかりと花を付けている株は少なくて、花びらが数枚欠けていたり、あるいは全然なかったりするものが多く見られた。自然現象によるものなので致し方ないとは言え、今シーズン初のチングルマだったので、やはり残念だった。しかしチングルマでも、上にハイマツのようなものが生えているところでは、それらが屋根や傘になって守られたようで、形を残した花びらも見ることができた。まったく見られないよりは良かったと安心。芝草平を後にし杉ヶ峰へ登る。今日のゴールの刈田岳はまだかなり遠くて、今日はここまででもいいかと思ったが、今日はZさんのモチベーションが特に高くて、この先も行かない訳にはいかなかった。覚悟を決めて歩き出す。刈田峠を越えるとアスファルト道路と何度も交差を繰り返しながら山頂へ向かう。直登気味なので登りは楽ではないが、黙々と登る。風もあったし、天気も雲が増えて直射日光が遮られ、涼しかったのが比較的楽に登れた要因だったと思う。この辺りにも多くのハクサンチドリは見られた。
10:30に無事刈田岳到着。スキー場出発から6時間弱かかってしまった。ここへ来てようやく蔵王らしい景観というか、自分の知っている景観が見られるように。お釜が見られるようになった。Zさんは刈田岳まで上がらずに下まででも良かったようだが、やはりここまで上がってきた。山頂にあるレストハウスでずんだソフトクリームを食べたかったためだ。今日の登山の最大の目的と言ってもいい。そこで休憩のため少し下ったところにあるレストハウスに向かうが、ソフトクリームは扱っていないらしく、Zさん意気消沈。ここまで13km以上の山道を6時間近く歩いてきた甲斐が少しなくなってしまった。しかし帰り道も長いし、気落ちしている時間もないので、11時を過ぎてから下山を開始。刈田岳から見ると帰りの道も果てしなく長いし、アップダウンも多い。しかも単純往復なので帰りはあまり展望的な変化も見込めない。が、とにかく歩くしかないので進むことに。ハクサンチドリに見送られつつ再度登山道に入る。朝見かけた登山者の多くが戻ってきているようだった。どこかへ抜けたり周回するよりも、適当なところまで行って往復しているようだった。刈田峠を過ぎると本格的なアップダウンが始める。行きに見て来た景色であったり花々だったので、あまり長居はせずに進む。芝草平のベンチで小休止後は屏風岳へ13:05に至り、さらに先の分岐までノンストップ。ここからは同じ道ではなく水引入道へ向かい、ジャンボリーコースで下山する。しかしこのコースが案外難儀だった。分岐からの下り始めがとにかく急で、しかも滑り易い。慎重に下るしかないのだが、既に出発して10時間近く経過していて、足も体も疲労がピーク。自分は特に転倒はなかったが、Zさんは一度転び、すんでの所で泥だらけになるところだった。このコースは二度目はないな、と思ったが、Zさんは実は二度目だった。このコースをよく2回も歩くなあ、と感心すると言うか何と言うか。ただこのコースにもお楽しみはあって、一箇所池塘ができていて(水引き平)、そこではチングルマも見ることができた。芝草平と同じく花びらがそろったものは少数だったが、見られたので何もないよりはずっと良かった。ジャンボリーコースとの分岐付近では、ハクサンイチゲも咲いていて、これが今シーズン最後のハクサンイチゲかな、と思った。分岐から先は比較的歩き易くなる。地図を見ても、等高線の間隔が空いているようだった。しかし今度は自分の体に変調が。両手足の先が少し痺れるし、めまいもするように。久々の20kmオーバーのコースだったが、全般的に涼しくて汗も大量にはかいていなかったから、熱中症ではないと思うのだが、ふらふらしながらの歩きとなってしまった。ちょっとまずいな、と思いつつも行動を続け、登山口まで至ったところでZさんからあめ玉をもらう。そして何故かこのあめ玉1個で突然の不調は突然回復してしまった。行動中は水分もカロリーも十分取っていたつもりだが、糖分でも不足していたのかもしれない。最後の林道歩き1.6kmは特に問題なく元気にこなし、16:02に駐車場へ戻る。朝は我々だったクルマは全部で5台になっていた。
到着後後片付けをしていると、朝と同様にブヨのような虫にたかられる。12時間近い行動で2人とも疲れ果てていて、しかも虫の攻撃に遭うのはさすがに気が滅入ったが、時期が時期なので致し方ない。虫による大きな被害がなかったのは幸いだった。
南蔵王の縦走は、花が多くて展望も良くて、なかなか楽しかったが、スキー場からの往復は体力的にけっこうきつい。刈田岳付近の駐車場にクルマを駐めて、不忘山までの往復のほうが体力的にも技術的にも楽なように思えた。刈田岳付近の駐車場利用なら、熊野岳にも登れるし、次回があればそうすると思う。
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