芳ヶ平〜横手山。さわやか緑に鮮やか緑


- GPS
- 09:07
- 距離
- 21.0km
- 登り
- 1,200m
- 下り
- 1,219m
コースタイム
- 山行
- 8:36
- 休憩
- 0:31
- 合計
- 9:07
天候 | 晴れ |
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過去天気図(気象庁) | 2021年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
登山道脇にたくさん生えていたジョウシュウオニアザミは、ほぼ倒されていた。ありがたいことに、棘々の緩和がなされていた。 行きに進んだ大平湿原方面からの登り道は、丈の高い笹群を刈り取った道だったが、ところどころに設置されていた案内板にはそのルートが記されていなかったので新しめの道のよう。笹切り株が一様に平らでなく、歩きよくはなかったが、乾いた笹の茎の散乱堆積を踏むと、ときおり、ガラス片の擦れるきれいな音が鳴った。無数のストゥローが踏まれて素敵な音を奏でるとは驚きで、その音色を探し求めて足を踏み出すことも。 |
写真
装備
個人装備 |
ザック light R
シューズ(S)
長袖シャツ(U)
半袖シャツ(U)
HP(NF)
登山タイツ(U)
キャップ(Pa)
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感想
ここ志賀草津道路は、最も早く紅葉を見られる場所と知ってから、とりわけ秋には幾度か車で走った道だが、ある年、草津の町中あたりから霧に包まれ、進むほどに濃くなっていくということがあった。くねくねとした山岳道路は、ついに真っ白くなり、見通しは悪く、ゆっくり進まざるをえなかったが、運良くずっと単独走行だったので、気兼ねは不要だった。人気抜群の観光ルートだが、こんな日には誰もこないのかもしれない。「紅葉は靄のなかだね」「それもいいじゃない」などと話しながら進んで行った。
歩いて雲海を抜け出る。多くの登山者は、たぶんにそんな体験をしているだろう。そうして澄みきった青空のもと、雲海とすばらしい眺めに感動したに違いないだろう。歩いて抜けるときには、何らかの予兆や前触れがあるに違いなく、また進行は漸次的だろう。
この日はちょっと違った。初めての道ならきっと心細いと思われるような生憎の天気だったが、突如、眼前の真っ白な靄の煙幕が裂けて、正面に青い空が見え、見えたと思った途端に、あたり一面、信じがたいほどの澄みきった紅葉の眺めが広がるという思いもかけない場面に、瞬間的に出くわした。どうやら山頂台地に登りついたときに広がった驚くべき透明な世界だった。こんな風に瞬時に劇的に抜け出たのは初めてで、感動で体が震えた。車を降り、絶景を眺めた。しばしボッーとしていたに違いない。
種々な思い出のある芳ヶ平だが、なかなか歩く機会に恵まれなかった。今回初めて歩いた。新緑の頃合いは過ぎてしまっていたのだろうが、梅雨明けの太陽は、緑を輝かせていた、さわやかにも鮮やかにも。芳ヶ平の湿原も緑に満ちていて、ずっと緑に囲まれていた。空はとても青く明るく、まさに夏が到来した、そんな一日だった。
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