和賀岳


- GPS
- --:--
- 距離
- 14.6km
- 登り
- 1,315m
- 下り
- 1,310m
コースタイム
- 山行
- 8:46
- 休憩
- 3:13
- 合計
- 11:59
天候 | 曇りのちガスほんの少し晴れ |
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過去天気図(気象庁) | 2021年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
○コース全般 登山口から薬師岳まで標高差が約800mあるが、急坂の長い直登などはないので比較的楽に登れる。 薬師岳から和賀岳までも標高差の大きい登りはなく、たおやかな稜線が続く。それほどの急坂はないが、急坂に感じたとしても短いので負担はない。 ヤブの現在の状況は次のとおり。 ○倉方〜薬師岳 山と高原地図には「腰までのヤブが続く」と記載されているが、現在、ヤブと言えるほどのものはほとんどない。 ○薬師平〜小杉山〜小鷲倉 笹や下草がヤブになって、登山道を被っているところが多数あって、道型が分かりにくい。そのため、ぬかるみ、木の根、石コロなどがあっても気づくことができず、ぬかるみには数度足を取られた。特に小杉山の南側の鞍部から小杉山の間は、ところどころでヤブが腰ぐらいの高さまであり、膝でヤブをかき分けるのに体力を消耗した。小鷲倉の手前の登りでも距離ほ短いが、ヤブがやや深いところがある。 |
写真
装備
個人装備 |
長袖シャツ
Tシャツ
ズボン
靴下
防寒着
雨具
ゲイター
日よけ帽子
着替え
靴
ザック
ザックカバー
昼ご飯
行動食
非常食
飲料
ガスカートリッジ
コンロ
コッヘル
ライター
地図(地形図)
コンパス
笛
ヘッドランプ
予備電池
ファーストエイドキット
ロールペーパー
保険証
携帯
時計
タオル
ストック
カメラ
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感想
2021年08月29日(日)【和賀岳】
未踏の百名山、早池峰山のこの日の天気予報は晴れだったが、一昨日の焼石岳に続いて、未踏の百名山はそっちのけで、天気予報は曇りだが計画どおり長年憧れていた和賀岳に登ることにした。
ルートは累積標高差がより大きい岩手県側のルートではなく、稜線歩きがより長く楽しめるが、登山道を隠す深いヤブが心配な秋田県側のルートを選択した。
当日は未明に横手市内を出発し、4:30に林道のゲート前にある薬師岳登山口に着いた。この日は日曜日だが、一日曇りかつ強風で夕方に晴れ間ありという天気予報のためか、車は1台もいなかった。
一昨日の焼石岳に続いて、二百名山にしてはハイカーが少な過ぎると感じた。
真木渓谷沿いの林道を進み甘露水登山口から登山道に入った。ガスが漂う暗い杉の植林帯を抜けるとブナの巨木に囲まれたブナ平に出た。素晴らしい落葉樹の森が続く登山道を緩やかに登っていくと滝倉というところでで沢を渡った。和賀岳は1400m台の山なので、低山に分類されてもおかしくない高さの山だか、沢を流れる水は高山のようにとても冷たかった。
低木や下草が多くなるがなおも素晴らしい落葉樹の森を右に左に緩やかに登っていくと、長いトラバースを経て、倉方というところで尾根に乗った。北側から西側にかけての林相がとてもきれいなところだった。
倉方から緩やかな尾根を登っていくと主稜線に出た。背が低くなった落葉樹の森を抜けると稜線の西側が開けた。深いガスで何も望めないが、晴れていれば、手前に大甲や奥に小鷲倉、そして和賀岳が見える素晴らしい眺めに違いなかった。
足下に高山植物がちらほらと現れると、西側がやや切れ落ちた急坂になった。これを登り切って稜線が緩やかになると薬師岳の山頂に着いた。深いガスで何も見えないので小腹を満たしてから先へ進んだ。ここら辺りでソロの男性が追い抜いて行かれた。
薬師平までは草原のような稜線だったが、薬師平から先は登山道を覆う草や笹のヤブがだんだん濃くなっていった。当然、足元は見えにくくなるので、ぬかるみ、木の根、石ころに気を配る必要があり、早く歩けなかった。それでも何度かぬかるみに足をとられて転びそうになってしまった。
小杉山の手前の鞍部から小杉山にかけては急坂で、笹のヤブも腰までの高さがあり、笹を押しのけるのに体力を消耗した。小杉山の狭い山頂で登山道は直角に東に曲がり、なだらかな稜線を進んだ。和賀川を覆っていたガスが薄くなり、深い谷や尾根、美しい緑の山腹が見えるようになって、いやがおうにも稜線漫歩気分が盛り上がっていった。小鷲倉への登りは笹のヤブがやや濃くなったが、小杉山の登りほどではなかった。眺めの良さそうな小鷲倉の狭い山頂は残念ながら深いガスで何も見えなかった。
小鷲倉の山頂からなだらかな稜線を進んでいくと正面のガスが薄くなって、僅かな間だったが、和賀岳が憧れの姿を見せてくれた。鞍部から山頂に向けて最後の斜面を緩やかに登っていくと、薬師岳で追い抜いていったソロの男性が降りてきた。山頂には岩手県側から登ってきたハイカーがいたようだがもう下山したという。ソロの男性の姿を見送り、ガスの中、草原の稜線を辿っていくと憧れの和賀岳の山頂に着いた。地味な山頂だがとても愛おしく感じられた。
山頂には岩手県側からのペアが一組いた。時刻はまだ11時過ぎ。帰りの行程も長いがアップダウンは小さく負担もないので、カップ麺を作ってゆっくり山頂の憩いを楽しむことにした。いつの間にかガスはだんだん薄くなって、周囲の山並みや和賀川の深い谷間が見えてきたので、ランチの手を止めて山頂部を忙しく動きまわらなければならなかった。岩手県側からは女性のペアも登ってきて、写真や動画を撮って下っていった。岩手県側からは次に5人のパーティーが登ってきた。その頃には時折頭上に青空が広がるようになっていった。
山頂部を歩きまわって周囲の山並みと深い谷を何度も何度も眺めているうちに、滞在時間が1時間20分にもなってしまったので、思いを断ちって下山を開始した。左側(南側)に和賀川の深い谷と小鷲倉に続くなだらかな草原の稜線を眺めながらの緩やかな下りは最高の稜線漫歩となった。和賀岳の姿もいつまでも見ていたかったので、小鷲倉に着くまで何度も後ろを振り返っていた。
夕方に晴れ間が出る予報だったので、徐々にガスが取れていくと期待していたが、以前東側から強風に乗ってくる雲やガスに時より厚く覆われる稜線をゆっくりと進んだ。和賀岳の眺望を期待していた稜線最後のピークの薬師岳山頂でも往路と同様深いガスの中だった。
それでも薬師岳から急坂を下り始めると往路では見えなかった大甲をガスの切れ間から見ることができたのは幸いだった。稜線からの眺めがなくなると、落葉樹の森をどんどんと下っていった。滝倉を過ぎるとさすがに晴れてきて、ブナの森に陽が差し込んできた。何度も足を止めては往路でのガスの漂う森とはまるで違った美しさに見入ってしまった。
そんな状態で下山時もペースは上がらず、甘露水登山口を経て、薬師岳登山口の道標のある林道ゲート前の駐車スペースに着いたのは17時を回ってしまった。日曜日にも関わらず、秋田県側から登ったのは私ともう一人の男性の二人だけだったので、林道脇には私の車がポツンと1台停まっていた。
おしまい。
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