会越霧来沢・鞍掛沢(アクシデントで指骨折)
- GPS
- 28:54
- 距離
- 8.8km
- 登り
- 1,209m
- 下り
- 500m
コースタイム
14日ビバーグサイト7:35〜登山道12:45〜御神楽岳管理舎12:55/13:25〜(登山道)〜御神楽岳登山口17:05〜駐車場所17:30
天候 | 13日朝の内雨のち晴れ 14日晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2013年10月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
駐車スペースは4〜5台止められる |
コース状況/ 危険箇所等 |
※林道は大鍋又沢橋まては普通車でも問題なくは入れるがそれより先は荒れている。 ※登山ポストは登山口に有り |
写真
感想
鞍掛沢の数少ない記録では、ほとんどのパーティーが日帰りで抜けている。なので私もそんなに大変な沢だとは思っていなくて気楽な気持ちで遡行して後で痛いしっぺ返しを受けてしまったのである。
10月の三連休は会越霧来沢支流のもうがけ沢日帰りと、鞍掛沢は稜線の小屋泊まりで遡行する計画だった。もうがけ沢は当日雨だったので中止になり、只見のバンガローに泊まった。翌日もあまり天気は良くなかったけど回復するという予報だったので決行。御神楽岳の登山口手前の橋の所に車を止め登山口まで歩く、登山道を乙女の滝過ぎまで歩き沢に下りて遡行開始。もうがけ沢出合を過ぎてナメの綺麗な八丁洗板を歩いて鞍掛沢出会いから鞍掛沢を遡行する。鞍掛沢に入ると小滝が出てくるが会越周辺の沢独特のスラブっぽい滝が多く人数も多いことも有り、二俣まで結構時間が掛かった。H640mの二俣に掛かる滝の高巻きに1時間かかりこのあたりから徐々に時間が押し気味になってくる。30m大滝下に着いたときには14時を回っていた、鞍掛沢は大滝上からが滝が続き核心らしいが、この時の私は遅くとも17時には稜線に出られると思っていた。
リーダーが大滝右のルンゼを30mロープを引いて登っていったが途中で行き詰まり、もう一本30mを繋いでTさんが登り確保してやっと滝上にでた。次に登るTさんも確保の時に不安定なところにいたので足に負担が掛かりなかなか上に登っていけない、下で見守っていた私たちははらはらしながらそんなに大変なんだと思って見ていた。玉さんがTさんをフォローしに登ってなんとか男性3人が滝上に出た。次に女性陣がプルージックで登りはじめるがルンゼは泥とスラブで滑るしなかなかシビアだった。最後は初心者のMさんを女性のTaさんがフォローしながら登ってきたが、初心者のMさんはスラブの登りになれていなく足を踏ん張れないので登るのに時間が掛かり大変だった。
全員大滝の上に登れたのが16時過ぎ・・・普通ならこの時点でタイムアップですが滝場の中なので上に登るしかなく次の10mの滝でリードしていたNさんが滑落、やっぱり時間も押していたので気持ち的に焦りも有ったのか、幸い下が釜だったのでドボンで済んだのだが、責任感からかもう一度トライするもまた滑落してしまった。このときに右膝を裂傷したようでしたがこのときには判らなかった。さすがに三度目は無理だったので玉さんとTさんとで登り1人が足を押さえて核心部分を越えてロープを出してくれなんとか全員滝上に出たときにはもう17時を回っていた。
薄暗くなってきたが滝はまだ続き次の滝でヘッデンをつけて右のルンゼを偵察、ここがまた手がかり足ががりが無くTさんのショルダーで1人登りシュリンゲを掛けてもらい私が登ろうとしたときに滑ってシュリンゲを掴んでいる右手を岩に強打してしまった。痛みはそれほどでも無かったのでまさか骨折しているとは思わなかったが薬指が伸ばせなかった。翌日手の甲まで腫れたので皆が心配してくたけど本人はまだ突き指位だと思っていたのです。もう真っ暗になってしまいこれ以上動くのは危険と判断してこの場所でビバーグすることに決定、滝場の中間なので飛沫は飛んでくるわで最悪の場所でしたがしかたない。Tさんは岩棚のとこでなんとか火をおこしてくれた。こういうときに火があるってありがたい。幸いタープも持っていたので何とか風と飛沫をよけられた、持っている洋服を全部着てシェラフに入ると寒さは気にならなかった。7人が横になるのには狭いが体を寄せ合えば暖かかった。初めてのビバーク体験一夜明けると良い天気、明るいところで見るとよくこんな所で泊まったよねの場所でした。
翌朝は昨日登れなかった滝から始まります、暗いところでは判らなかった所も明るくなればルートも見えてくる。まずは玉さんがTさんのショルダーで滝上に登り、怪我人のNさんと私と初心者のMさんが空身で登らせてもらっいザックを荷揚げするやはりここでも時間が掛かってしまった。その上にも10mの滝が現れ右を高巻くがぐずぐずで滑る。滝上で二俣になったので地形図を見るとH900mの二俣を見落としてその上H950mの二又だった。仕方ないのでこのまま沢型を詰めて行くがだんだんと草付きの嫌らしい登りで難儀するも少し平坦なったと思ったら登山道に飛び出した。全員のチームワークでなんとか登山道に出ることが出来ました。少し下ると泊まるはずの小屋が有り中で一休み、みんな放心状態だった。
Nさんの右膝裂傷(8針縫った)と私の右手薬指骨折ですみましたが、一歩間違えたらもっと大きな怪我をしてもおかしくない状況で自力下山できたことは奇跡的だったと今なら思います。しかしやはり机上では判っていたこともいざ自分がその渦中に入ると冷静な判断が出来なくなると言うことがよく分かった、ビバークと行っても泊まり装備は持っていたしタープも有ったので思っていたよりも寒くなかったし、こんな所で泊まれるの?とは思いましたがなんとかなるものだと判った。今回のことは本当に貴重な体験をしたなと思います。
今回の山行でなぜ時間が掛かったか・・・私なりに考えてみました。
まずはこの山域を登るのには山行人数が多かったこと、その中に初心者がいたこと。
大滝を登ってしまったので先に行くしか無かった事を考えると、時間と初心者の事を考えれば大滝下でやめるべきだったと思う。
そしてある意味鞍掛沢を甘く見ていたところがあったことが、今回の事に繋がったと反省しました。
コメント
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moguさん、こんにちは
記録お疲れ様でした
色々大変なことがあったのですね
我が身に置き換えて、一緒に遡行をしている気持ちで読んでいました
窮地に陥っても、みんなで力を合わせれば何とか切り抜けることが出来ますよね。
本当に仲間の存在は有難いし心強いですね
その後指の具合は如何ですか。
良くなったら、沢や岩にご一緒出来ることを楽しみにしています
otafukuさん、コメントありがとう
生まれて初めての骨折とビバーグ体験ですか、とても貴重な体験だった思います(しないに越したことは無いけど)
それもotafukuさんの言うとおり、仲間が居たのでなんとかしのげたと思います。
骨折の場合は時間が過ぎるのを待つばかりなのです。
直ったらよろしくね
大変だったみたいですね〜
これで骨折仲間がまた増えた<m(__)m>
怪我をすると日常生活でも不自由な場面が
いろいろ有るけど その辺は大丈夫でしょうか??
それより 命あって帰ってこれたから
良かった良かった。
こんばんわ
今回、結構大変だったみたいね
皆さんご無事で何よりです
私も先月の裏釼ツアーで木の根に足をひっかけて転倒。左手小指を亀裂骨折をしてしまいました
今は曲げるのが痛い程度です
大きな怪我でなくて良かったと思っています。
右手だと不自由でしょう
冬に向かって一日も早い回復願っています
okutamaさん、とうとうやってしまいました。
6m滑落しても骨折しなかった私ですが、生まれて初めての骨折です。
亀裂骨折なのであまり痛くなかったので、まさかと思っていたところ・・・レントゲンを撮ったらくっきりと二本の線がありました。
それでも一歩間違えたら、滝から転落だったのでこれだけで済んで良かったと思っています。
しかし、薬指が使えないと箸も持てず、スプーンとフォークの生活してます。
小指でも使えないとなると不便でしょ、もう固定は取れたのかな?
私は右手を固定されているので何とも不便です。
でも、あの状況下の中でこの程度の怪我で済んで本当に良かったです。
色々と大変でしたが今思うと貴重な体験をしたと思っています。
今年いっぱいはおとなしくしているるつもり・・・来年、会えると良いね
「大滝下で撤退すべきだった!」
そうなんですが、その決定ってなかなか難しいですよね。リーダーの考えもあるし・・・。
記録を読ませていただいて、私も良い勉強になりました。こんな状況下でも、ビバーグして自力下山できたんだから、チーム力は大したもんです。
11月の丹沢は、宴会だけでも来てくださいね。
大滝下で撤退は、後で考えるとそう思ったのですが・・・その渦中に居るときには思わなかったのです。
結局は大滝上からあんなに滝が続くと言うことを知らなかったから突っ込んで行ってしまったのよね。
幸いなことに良いチームワークで切り抜けられてメンバーのお陰です。
丹沢、行けると良いなぁ〜
怪我は大変でしたね
でも大きな事故にならず良かったかな
今後も安全に配慮してに山をお楽しみください
右手の薬指なので、なんとか家事も仕事も出来ます。
これが手首とか足だったら仕事も出来ず迷惑掛けていたので、多少の不便は仕方ないと思っています。
怪我って思わぬ所で起こりますねぇ〜これからもお互い気をつけましょう
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