黒部


コースタイム
12日 祖母谷温泉7:00―7:50 欅平―13:10阿曽原温泉テン場
13日 阿曽原温泉7:00―8:30仙人ダム9:00―13:40 仙人温泉小屋15日
14日 仙人温泉小屋5:40―7:40仙人池8:15―9:40 仙人温泉小屋―13:55阿曽原温泉 テン場
15日 阿曽原温泉5:30―14:30黒部ダム14:35―14:55扇沢
天候 | 11日雨・曇12日雨13日晴14日晴15日曇・晴 |
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過去天気図(気象庁) | 2013年10月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車
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コース状況/ 危険箇所等 |
コース全般で危険箇所はありません。欅平から阿曽原温泉及び阿曽原温泉から黒部ダムの水平道に残雪は全く有りませんでした。真砂ロッジ付近の二股から黒部ダムに通じる登山道の橋は13日に撤去され、14日は真砂ロッジに行く予定でしたが、阿曽原温泉に戻りました。阿曽原温泉から仙人池に行く登山道は仙人ダム経由の雲切新道だけで、昭文社の古い地図にある稜線を行く道は廃道になっています。 |
写真
感想
山の温泉は好きで、過去に白馬鑓温泉、高天が原温泉等に行っていますが、黒部には、未だ行ったことがありません。下の廊下は残雪が消える9月中旬以降でないと通れないとうことで、10月の3連休の前後に1日づつ休暇を取り、裏剣の温泉巡りをして来ました。
夜行バスで先ずは富山に着き、宇奈月温泉からトロッコ電車で欅平に向かいます。連休の前日で、雨模様の日でしたが、さすがに紅葉シーズンだけあってトロッコ電車は早朝から、かなりの賑わいです。
欅平から40分程緩い上り坂を行くと、祖母谷温泉に11時30分に到着です。テン場は1張りの先住者のみです。受付をすませ、テントを張ってから待ちに待った、露天風呂に飛び込みます。源泉は98℃ですが、沢の水を引き入れているので、適度な湯温に調整できて何時までも入っていられます。この日は3時間X2、2時間X2、トータル10時間も風呂に浸かっていました。
二日目は欅平に戻り、観光案内所の脇の登山道を1時間ほど登ると、水平道になります。雨の中、アップダウンの無い快適な崖の上の散ポ道を、5時間程行くと、阿曽原温泉に到着です。この日は3連休の初日で、テントは60張り程でテン場だけでは収まらず、テン場から5分程、急な石段状の道を降りると、露天風呂ですが、その道の脇にもテントが7張りほどありました。
露天風呂は1つしかないので、男女、1時間交代で夜9時以降から午後1時までは混浴です。脱衣所は露天風呂の脇にある、現在は道路としては使っていないトンネルを利用します。トンネル内は立ち上がるとまるでサウナで、温泉の蒸気が充満しています。二日目もトータル6時間程の柿ピーとコーラの温泉三昧でした。
三日目は池の平まで行きます。コースタイム8時間ほどで、かなりの急登です。そのくせ出発が遅れて7時となり、しかも予定していたコースタイムが短い稜線を行く登山道が見つからず、一度仙人ダムに降りてから登り返す、雲切新道を行きます。そのため、途中の仙人小屋到着が13時40分となってしまいました。目的地、池の平まではまだ3時間30分の登りです。行ったことが無い地域に夕方5時近くに到着するのは不安です。
仙人小屋にはテン場はありませんが、小屋に泊まれば24時間、露天風呂に入り放題という誘惑に負けて、いつしかザックを下ろしていました。小屋泊の先住者は1人でしたが、受付をすませ、さほど大きくはない露天風呂に飛び込みます。昼間は秋の心地良い陽光を浴びながら、遠く正面左に白馬、右に唐松の山並みを望み、夜は満点の星と、遠く唐松山荘の明かりを眺めながらの温泉は至福の時です。ここでも缶コーラと柿ピーで一人乾杯です。仙人温泉小屋は今まで経験したどれよりも、野趣溢れる小さな山小屋です。ログハウスなんて洒落た物ではなく、手作りの丸太小屋で、壁にかかった2つの熊の毛皮が秘湯の雰囲気を演出します。しかもその隣には熊の爪痕が残ったポスターが掛けてある念の入れようです。冬季に食料の匂いを嗅ぎ付け、部屋に侵入された時の痕跡です。
昨日池の平に行かなかったので、手前の仙人池までピストンすることにします。空身なので、快調にコースタイム通り進み、稜線に出たと思ったら、仙人池です。ここでハット息を呑みます。正面一杯に八ツ峰の針峰郡が圧倒的なスケールで飛び込んできます。この時の感動は生涯忘れることは無いくらい、荘厳で、畏敬の念すら抱かせる迫力に満ち溢れていました。感動が覚めやらぬまま、仙人温泉小屋に戻ります。この日は真砂ロッジに行く予定でしたが、小屋の主人の情報では、真砂ロッジから黒部ダムに通じる内倉助谷への吊橋が昨日撤去されたとのことです。石伝いに渡渉できるかも知れませんが、その保証はないので、急遽阿曽原温泉に戻り、下の廊下経由で黒部ダムに行くことにします
最終日は、18kmの行程で、コースタイム8時間のロングコースです。しかし水平道の名の通り、下の廊下はアップダウンが無く快適そのもので、黒部川の白とエメラルドグリーン、周囲の紅葉を眺めながら順調に距離を稼ぎます。白竜峡では迫力ある景観に思わず立ち止まり盛んにシャッターを切ります。振り向けば後続の登山者もデジカメモードです。このあたりから雨が本降りになります。黒部ダムの近くの内倉助谷との出会いでは、先月に森、悠子パーティーが登攀した、黒部丸山東壁を見上げます。雨のせいでしょうか、とても陰湿で不気味で巨人というよりは魔人という印象です。さらに少し行くと眼前に待ちに待った黒部ダムの巨大な壁が出現します。激流の黒部川に、水しぶきがかかるほど低く架けられた丸太の橋を渡り、つづら折りの急な登山道を40分上がれば黒部ダム駅です。タイミング良く、観光客で満員の扇沢行のトロリーバス発車5分前に着き乗ることが出来ました。
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