熊野古道：中辺路、赤木越・大日越（発心門王子〜本宮大社前）と道普請【紀南、和歌山県】
和歌山県
otoh
体力度について
- GPS
- 05:46
- 距離
- 18.7km
- 登り
- 738m
- 下り
- 967m
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標高グラフを拡大コースタイム
- 山行
- 7:53
- 休憩
- 0:16
- 合計
- 8:09
(1) 本宮大社前P 651 ― 本宮大社(下) 656 ― 大斎原 705 ― 本宮大社前BS 713
○本宮大社前／発心門王子 0720／0737 バス
(2) 発心門王子BS 738 ― 発心門王子 742/743 ― 林道合流 748 ― 猪鼻王子跡 754 ― 船玉神社 800 ―赤木越分岐点 802/804 ― 赤木越No.1 819 ― けんじょう茶屋跡 826 ― 1.5km地点 827 ― 赤木越No.2 834 ― 赤木越No.4 848 ― 鍋割地蔵 852 ― 赤木越No.6 905 ― 柿原茶屋跡 911/921 ― 赤木越No.9 931 ― 指形が彫られた道標 944 ― 赤木越No.11 955 ― 赤木越湯峯側登り口 1003 ―大日越湯峯側登り口 1006 ― 湯峯王子跡 1008/1009 ― 六字名号碑・鼻欠地蔵 1029 ― 月見ヶが丘神社 1038 ― 大日越登り口 1054 ― シュークリーム店「choux」 1056/1058 ― 大斎原への南側の入口 1101 ― 大斎原 1104 ―大鳥居 1107 ― 本宮大社前P 1113（世界遺産センターレクチャー、昼食）
○本宮大社前／伏拝口 1229／1239 バス
(3) 伏拝口 1240/道普請/1318
○伏拝口／本宮大社前 1318／1329 バス
(4) 本宮大社前 1340 ― 大日越登り口付近 1348 ― 備崎橋 1855 ― 大日山トンネル前 1401 ― 請川BS 1414 ― 下地橋BS(小雲取越登り口) 1417 ― 請川BS 1421
○請川／本宮大社前 1431／1437 バス
(5) 本宮大社前 1437 ― 熊野本宮大社 ― 本宮大社前 1500
● 行動時間 0:22＋3:35＋0:38＋0:41＋0:23＝5:39
| 天候 | 晴れ |
|---|---|
| 過去天気図（気象庁） | 2021年11月の天気図 |
| アクセス |
利用交通機関：
バス 自家用車
（和歌山市内＝本宮大社前P） ○本宮大社前P―大斎原―本宮大社前P （本宮大社前0720＝龍神バス＝0737発心門王子） ○発心門王子BS―発心門王子―船玉神社―＜赤木越＞―湯峯温泉―＜大日越＞―大斎原―本宮大社前P （本宮大社前＝＜チャーターバス＞＝伏拝口） ○道普請 （伏拝口＝＜チャーターバス＞＝本宮大社前） ○本宮大社前―下地橋(小雲取越入口)―請川 （請川＝＜熊野御坊南海バス＞＝本宮大社前） ○本宮大社前―熊野本宮大社―本宮大社前P （本宮大社前＝和歌山市内） ●登山口へのアクセス ○本宮大社前 ・五条、新宮、紀伊田辺などからのバスが発着するターミナル。世界遺産センターの前にある ・この地域のバスは、海外並みに一つの時刻表にすべての会社（コミュニティバスを除く）を記載するなど、ちょっとでも外国人を含む観光客の利便を高めようと工夫している ・マイカーの場合には、世界遺産センターの駐車スペースはわずかに30〜40台程度だが、裏手の河川敷に百台超規模の駐車場があるので、そちらを利用することができる ○発心門王子BS ・バスかタクシーか徒歩で行く。ただしバス便も多くはない。バスは本宮大社前から大人470円 ・本宮大社周辺でタクシーは目撃したが、常駐しているのかは不詳 （いずれの記述も2021.11現在） ○大日越登り口または本宮大社前 ・大日越登り口にはバス停がある。本宮大社前から歩いても約10分 |
| コース状況／ 危険箇所等 |
○発心門王子BS〜発心門王子〜船玉神社 ・発心門王子までは林道歩きとなる。そののちは木段のある山道をしばらく下るが、下部で発心門から来る支林道に再び合流する。途中で音無川を渡り赤木越方面への林道となる ○船玉神社〜湯峯温泉（赤木越） ・赤木越へと続く林道を進むと、けんじょう茶屋付近で山道に変わる。あとは尾根付近を進むが、途中の標高差を意識しないほどに平坦な道。道取りも明瞭 ・途中には「熊野古道」の標識が多数あり、迷い道には「古道ではありません」標識があるので、道迷いの心配は低いと思う ○湯峯温泉〜大日越登り口（大日越） ・前記同様に道取りは明瞭、標識も豊富 ・湯峯からの登りが、本コース中一番急な坂道と思われる （いずれの記述も2021.11現在） |
| その他周辺情報 | ●買う、食べる ・コンビニエンスストアは、三軒茶屋や下地橋にYショップがあるが、終日営業のいわゆるコンビニは、新宮や旧大塔町まで行かないと現れない。ただし、本宮大社近辺にも雑貨屋さんはあるようだ ・食べるところは、大社近辺には複数ある ・大日越登り口そばにあるシュークリーム屋さんは、地元では名の知られた店で、休みに行くと、時間によっては整理券を渡され待つことになるくらい。濃厚なクリームがおいしく、シュークリームだが手持ちで食べやすいのも特徴かと ●日帰り温泉 ・旧本宮町には複数の温泉街がある。それぞれに日帰り入浴があるようだ。今回は「わたらせ温泉 大露天風呂」を利用した。大人900円、いくつかの割引サービスもあり （2021. 11現在） |
写真
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林道に合流しました。この道は、先ほどの発心門王子前で林道本宮龍神線から左手に分岐したもので、この後赤木越分岐までの道です【発心門王子BS〜赤木越分岐点】
案内もあります。ついでに言うと、ここは脇道ではなく熊野古道上にあるようで、先に進んでも先ほどの林道に至ります【発心門王子BS〜赤木越分岐点】
今度は「献丈」。これは「けんじょう茶屋」の名前に通ずるものでしょうか。やはり地名或いは縁のある屋号のようです【赤木越分岐点〜柿原茶屋跡】
旧道はここから分かれて先ほどの赤木越分岐付近まであったようです。YAMAPの道はそれになっていました【赤木越分岐点〜柿原茶屋跡】
駐車場に戻り、いったん休憩。シュークリームをいただきます。濃厚かつ食べやすい。二個買いましたがいっぺんに食べるには重厚【本宮大社前バス停にて】
振り返って撮影）国道分岐の先で上方から降りてくる”古道”を発見。どうやら備崎橋の付近から、トンネル上部へとバイパスする歩道があったようです【本宮大社前〜下地橋（小雲取越登り口）】
請川バス停付近から下地橋付近を見ます。右手の駐車車両のある辺りが下地橋バス停であり小雲取登り口です【本宮大社前〜下地橋（小雲取越登り口）】
石段の上に大社があります。158段とのこと。ここも境内撮影禁止（本殿付近だけとは思いますが）につき、ここまで【熊野本宮大社にて】
感想
会社の仲間で熊野古道道普請に行くことになった。以前にも一度参加したことがあるのだが、今回は和歌山にいるのでなおのこと行く動機になった。
どうせならば、前後の時間を利用して、古道歩きの続きに行くこととした。今回は、集合場所も考慮して赤木越と大日越を歩いた。
早朝和歌山を出発し、本宮大社前の世界遺産センター駐車場に着いたのは7時前であった。バスには余裕があるが熊野本宮大社はまだ開いていない。まずは大斎原まで往復。かつて熊野川の中州にあった熊野本宮の名残のように河原に大きな鳥居が建っている。そこまでは駐車場から田んぼのあぜ道のような道が続いている。まだ人気のないその道をゆっくりと歩いて行く。閑かな神聖な空気が流れている。撮影禁止の境内へと進み、跡地を見渡して戻る。後でもう一度来る予定だ。
○赤木越、大日越
バスは当方以外には若い二人連れを乗せただけで出発。みんな終点まで行く。降りてまっすぐに発心門王子を目指す。あとの時間を考えて早足に林道を行く。王子までは近かった。ここはきちんとした祠が建てられており、現役の神社のようにも見える。これからの安全を祈願して先へ。たっくん坂を下り、下で再度林道に出てしばらくで�Ｉ＿�子跡への分岐。脇道ではなく、古道が林道とは並行してある区間のようだ。つまりは一部古道を外れて歩いていたようだ。
王子跡にお参りをして、先へ。工事の音が聞こえてきたら、船玉神社。ここは現役の神社のようで、古びてはいるが人の手が入っているようだ。音無川の河川改修工事を横目に、赤木越分岐点へ。仮の鉄板橋が架かっており、対岸には赤木越道の脇に立派なトイレもある。世界遺産に指定されて改善されたのはこういった設備ではないかと思う。ありがたいことではある。
赤木越の古道になってもまだ林道らしい道を行く。無機質に単調な登り坂が続く。道ばたには「一坪」「一日前」「榊阪」といった道標がある。地名なのか屋号なのか、帰って調べてもよくわからなかった。「献丈」が現れて、なんとなく想像が働いた。ここはけんじょう茶屋跡である。やはり、地名か屋号の名残なのではなかろうか。
そんな間にも高度を稼ぎ、道は標高400mを越えるようになった。ほとんどは豊かな樹林に覆われているが、所々で眺望がある。左には茫洋な果無山脈が見え、希に見える右手には遠くに大塔山と続く山々が見える。どちらも1,000mを越える山々だ。紀伊山地は険しく大きい。
動物らしい物音が時折するが、姿は見えない。また、低層草地が元気に生えていることからも鹿の活躍はそれほどでもないのかもしれない。もっと低地で活躍しているということだろうか。
茶屋跡など100年以上の歴史を背負ったものを見ながら進む。柿原茶屋跡には、まだ使えそうな茶店が建っている。閉めたのは近年のことであろうか、確かに朝からすれ違う人もほとんどない道だ。この道は、中辺路の脇道で、湯峯やわたらせ、川湯といった本宮温泉群への近道になっていたのであろう。参詣道にはない機能をもっていたものの、道路網の整備によって主たる使命を失ったということであろうか。
湯峯へは一気に下るのだが、苔むした自然石の石段は滑りやすい。注意深く降りていく。やがて、湯峯の街へと降り立つ。斜め右向かいにあるつぼ湯の橋から大日越へと進む。風情のあるひなびた温泉街だが、今日はここは通過する。
温泉街の裏手にある湯峯王子にもお詣りし、先へ。急坂を登り切り、緩やかに下降していく。月見ヶ丘神社を経て、本宮側の登り口へ。
フェア販売で和歌山市内でも大人気だったシュークリーム屋さんに立ち寄り、駐車場へと戻る。途中、大斎原を経由し、神聖な跡地を通り抜ける。
駐車場に戻ると、いきなりお仲間に遭遇。シュークリームを食べてから一群と合流した。
○道普請
バスで連れて行ってもらって着いてみれば、以前に来たことのあるのと同じ場所だ。土入れするところまで一緒のような気がする。センターの方に尋ねると、それは偶然だろうとのこと。前年は異なる場所だったらしい。
何組もが通過していく。これだけ土入れしても、年単位で補修することになるらしい。世界遺産を維持するのも楽ではない。
○本宮大社〜下地橋（小雲取越登り口）
先々の計画を勘案し、請川までは行っておきたいと思い、歩くことに。今出発すると、ちょうどバスで折り返すことができそうだ。
国道を黙々と歩いたが、途中で山側から合流する「熊野古道」に気がつく。どうやら、国道どうしの分岐点の付近は、トンネル越しの古道というか歩道整備がなされていたようだ。西側の入口は備崎橋の辺りであったようだ。
請川バス停を過ぎ、ほどなく下地橋バス停。ちょうどバス停の前に小雲取越登り口がある。そこで待つのも一つ手前の請川で待つのも変わらないと思い、請川に戻る。
○熊野本宮大社
いずれ中辺路を歩いて来ると、無条件で大社に立ち寄ることとなるのだが、来たからにはお詣りをと、大社へ。
石段の数もさることながら、5つの社が建ち並ぶ姿は独特。改めて神々しく感じた。
丸一日、本宮三昧だった。
心が洗われたような気分で家路に着いた。
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