3度目の正直、ツエノ峰の雲海



- GPS
- 01:21
- 距離
- 3.8km
- 登り
- 287m
- 下り
- 78m
コースタイム
天候 | 早朝霧発生、晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2022年01月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
この県道途中にツエノ峰への分技標識(登山口)が有り、ここから荒れた地道作業道が続く。パラグライダー発射場まで車での通行も可能だが、くれぐれも注意が必要。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
ツエノ峰登山口からパラグライダー発射場(展望台)までの約4km程は、荒れた地道作業道(?)が続いているが、車で進むには注意が必要。 |
その他周辺情報 | 道の駅「板谷九郎兵衛の里」 |
写真
感想
三重松阪の家を午前3時過ぎに出発して順調に午前6時前、熊野の田平子峠を通ってツエノ峰へ車で向かう。
ツエノ峰への標識が有る登山口分技からは、尚も車が通れる幅の、荒れた地道の作業道(?)が通っており、雲海を目指す人達が車で登って行く事が結構有る様だ。
私達も3度目の今回こそ雲海に出逢うべく、妻と(妻のお気に入りのトイプードルと)一緒に夜道をここまで車で慎重に登って来た。
車と言っても、今日は事情が有り2躯の軽トラックで少々心許ないが、前回と違って今日は雪も無く順調に進めば、余裕を持って日の出時刻の30分前には、パラグライダー発射展望台に苦もなく到着する筈だ。
「好時魔多し」とはよく言ったもので、目的地の展望台1kmちょっとになったきついカーブに差し掛かった時、荒れた道の窪み部分を通ったらしく、駆動の後輪が空回りして進まなくなり、車を一旦止めて良さそうな場所までバックを試みることにした。
真っ暗な中、急なカーブの箇所を甘く見て確認を怠ってバックした為、気が付いた時には、30度程の急崖斜面まで1mも無いカーブの曲がり際。前進を試みるが、路面はズルズルで駆動後輪が空回りするばかり。運転を交代して、私が車の後ろから押してみたがどうしても前進出来ず、むしろやる度に車の位置が少しづつ下がって行く。
はやる心を何とか落ち着けて対策を色々と考えて試して見るがどうも上手く行かない。
平地なら車体を持ち上げてずらす事も出来るが、足場が柔らかく掘れて沈んだ車体を持ち上げる事も叶わない。
持って来たゴムチェーンの装着も試みるが、スキー通いで慣らした昔のキネヅカもやはり足場が悪く成功しない。
いよいよの急斜面までもう後がない50cm程になり、これ以上は危険と車が下がらない様に、10m程先の松の木に固定したロープで車を繋いで、タイヤの下に布団を噛ませて再度ゴムチェーンを試みるが上手く行かない。
自力での救出を諦めてJAFを呼ぶ事にしたが、何とか通じた末の返事は、「近くに協力工場が無く、時間も早いのでまだ工場がやっていない。目処が着いたらまた連絡するのでしばらく待ってほしい」との事。
日の出時刻が近くなり、周囲も白んで来て、木漏れの隙間から雲海らしき白い気配が薄っすらと感じられて来た。
このままJAFを待っていても仕方が無いので、残り1kmちょっと、雲海の見える所まで歩いて行く事にした。
妻は「こんな状況でとても行く気になれない」との事で犬と一緒に残り、やむなく私一人で出掛ける事に...
到着した展望台からは、丁度顔を見せたばかりの赤く輝いた朝日を背景に、3度目の正直の雲海の絶景が広がっていた。
暫しの感激の後、現実に戻って事故の現場に戻って見ると、漸く来たJAFからの返事は、「和歌山県の工場と話が着いて救助に行ってもらう事になったが、到着まで1ー1時間半程かかる予定です」との事。
どうしようも無く、来てくれるだけでも有り難いと、丁重にお礼を言って電話を切った。
悪い事も重なると言うが良い事も続くもので、暫くすると、思いもかけず重機を乗せた工事の車が上がって来た。事情を話すと、「この車は重いものを載せているので後から2tトラックが来るからそれなら引き上げられそうだ」との事。
2tトラックの運転手さんも快く、「今日の仕事では使わないスチールロープを都合良く持って来ているので、それで引き上げよう」と...。
車を引き留めてある黄色に黒模様のプラロープを外して、スチールロープを使って安全な所まで引っぱって上げて頂いた。
二人の親切が心から有り難く丁寧にお礼を言って、気持ちばかりの謝礼を受け取って貰おうと差し出したが、お礼は無用とどうしても受け取って貰えなかった。
JAFにも電話連絡を入れて、「通りがかった工事のトラックに引き上げてもらう事が出来たので、申し訳無いが救助をキャンセル出来ませんか?費用が発生するのであればお支払いします。」と申し出ると、
JAFからは「お怪我が無く、助けて頂けて宜しかったですね。救助が必要無くなったのでキャンセルを承りますが、救助作業車が現場に到着して居ませんので、費用は払って頂かなくて結構です。」との事でした。
「駆け付けて頂いている救助車両の方には大変申し訳有りませんが、お言葉に甘えさせて頂きます。ありがとうございました。」と、電話を切った。
それから、展望台まで行った9時過ぎた頃には、あれだけ鮮やかだった雲海は影も形も見えずに、晴れやかな山並みとその向こうに熊野灘が光って見えた。
教訓も心にも深く残る旅でした。
コメント
この記録に関連する登山ルート
この場所を通る登山ルートは、まだ登録されていません。
ルートを登録する
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する