和気アルプス薬師八峰ルートで神ノ上山


- GPS
- 04:35
- 距離
- 8.8km
- 登り
- 664m
- 下り
- 668m
コースタイム
- 山行
- 4:25
- 休憩
- 0:38
- 合計
- 5:03
天候 | 曇のち晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2022年01月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
薬師八峰ルート入口を逸しなければルートは明瞭。薬師八峰ルートは下降しないこととなっている。 |
その他周辺情報 | 和気鵜飼谷温泉 |
写真
装備
個人装備 |
長袖シャツ
ズボン
靴下
グローブ
防寒着
雨具
靴
ザック
昼ご飯
飲料
レジャーシート
地図(地形図)
GPS
ファーストエイドキット
保険証
携帯
時計
サングラス
カメラ
シュリンゲ
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感想
先週、先々週と宍粟で雪山を思いっきり楽しんだ。うまくすれば今週も、との期待があったが、てんくら予想では宍粟と但馬の天気はいまいちだ。関西地区の天気予報もパッとしない。一番よさそうなのは岡山南部。ということで、狙いを和気アルプスに定めた。
雪山に入るまでの数か月、左膝のリハビリのためにショートコース(+グルメ)の山行を続けた。そのリハビリ期間の最後の二つの山行は小野アルプスと加西アルプス。兵庫県に一体どれだけアルプスがあるんだろうと気になり始め、ご当地アルプスを探ってみると、続々見つかってきた。気づかぬうちにとっくに登っていた丹波の御岳と小金が岳は多紀アルプス。8年前、光都のリハビリ病院に入院中、毎日病院を抜け出して散策したときに登った竜野の亀山は、知らなかったが新龍アルプスの一座という。姫路周辺には播州アルプスというのがあって、既登の高位座山や桶居山はその中軸であったようだ。六甲には六甲アルプスと呼ばれる地獄谷東尾根から北に派生する稜線があり、神戸の脊山には有名な?須磨アルプスが走る。さらに未踏の上郡アルプス、また丹波の五台山あたりを氷上アルプスと呼んだりする。その”調査”過程で目に留まったのが。今日の目的地、和気アルプスなのだ。
和気町は岡山県だが、兵庫県の赤穂市や上郡町に隣接するので、地勢的には瀬戸内海に沿った神戸・播磨のアルプスたちの仲間と言ってもいい。和気アルプスについてはこの山域の一部の地主でもある藤本氏の実にユニークなweb site
http://wakealps.web.fc2.com/index.htm
があって、その詳細を極めるガイド記事を読むにつれ、これは是非ともいってみないといけない、と確信するに至った(上記のサイトは和気町の公式ページからもリンクが張られている)。初めて訪ねるわけなので、最も一般的なコースを辿ってそのアウトラインを把握するのがよさそうだが、折角行くのだからちょっとアクセントもつけておきたい。そんな考えから取り付きにはややマニアックな薬師・八峰ルートを選び、最高峰の神の上山(こうのうえやま)に登った後、表銀座の主脈に沿って最後は富士山(和気富士)に至るというコース立てにしてみた。表銀座は勿論、北アルプスの表銀座からのパロディ的命名と思われるが、和気アルプスではこのほかに続々この種のパクリ系ネーミングが登場するので、ニタニタしながら終始楽しく歩くことができる。
山陽自動車道の和気インターを降りて町の中心部へと車を走らせる。昔の風情をとどめる山間の静かな町に心は和むが、一方で閑散とした空気にはまたも日本の衰退を感じさせられて、歳をとった自分の衰えと二重がさねの寂しさを味わうのだった。金剛川のほとりの町役場には広々とした駐車場があってここに車を置かせていただく。ついでにトイレをお借りすべく建物に入ると、和気町のゼッケンをつけた案内の方に「ワクチン接種ですか」と声をかけられる。そうか、今日はワクチン接種なのか。この人口ならすぐに打ってもらえるだろうな。人間ひしめく街の自分たちが打ってもらえるのはまだ少し先になりそうだ。役場の玄関を出ると、正面にはかわいい富士山が出迎えてくれていた。
ここから右手の橋を渡り、向かい側の集落に入って小尾根の末端へと向かう。とりつきには標識やマーキングはなくややわかりにくいが、お墓にまいるためにはっきりした小道が付いている。墓の上に害獣防止柵があって、その扉を開けるところから尾根道は始まる。岩盤が露出する尾根には丈の低い松が張り付くように生えている。すぐに展望が開けて南に和気の町が臨まれる。瀬戸内沿岸に特有の乾燥した岩の低山帯の中を高度を上げてゆく。石切り場の跡を示す手製標識を見てさらに進み、ちょっとしたピークに達すると、そこは早くも薬師山である。北アルプスの薬師岳からきた名前なのかいな。それとも昔からそう呼ばれているのか。
目前には岩の鎧に覆われた山が迫っている。これが穂高山だ。穂高岳、でないところが奥ゆかしい?すぐに道はこの山に向かって登り始める。すると「ファイト!40mスラブ、登り切れ!」の手製標識が目前にとめられている。ここからすぐにスラブは始まって一気に穂高山の山頂を目指す。傾斜はさしたることもないが、手をついて登る箇所も出てくる。容易に登れるが、下るとなればアプザイレンしたくなるかもしれない(もっとも、このコースの下降は行わないこととされている)。そして40mを登り切ればそこは穂高山山頂の一端であり、左からの表銀座の幹線ルートに合流する。右手眼前には竜王山の岩稜が天を突くように峻立して見事である。しかし、八峰というのはどこだったんだろう。宿題が残った。(八峰という名は鹿島槍に「八峰キレット」があるが、そこからとったのか??)
ここからは主要路となり、さっそく下ってきたハイカーとすれ違う。穂高山のすぐ隣のピークには涸沢峰と名が付けられている。北穂と奥穂をつなぐ嶮路上のピークと同名ですな。ここから竜王山へのルートが分岐している。涸沢峰を過ぎると激下りで一気に鞍部に降りる。降り切ったところに「キレット底部」との手製標識がある。ここは土くさい場所で、キレットという感じはしないが、まあいいか(キレットとは天狗のコルのキレットから来ているのか、それとも大キレットかな)。
キレットを過ぎて道は登りに転じ、ピークの先にジャンダルムへの標識がある。左には巻き道の表示。ジャンダルムのほうへ行ってみるも小さな岩場の下りですぐに巻き道と合流。奥穂と西穂の間のジャンダルムから命名されているが・・・ここから先は、左に「槍」が見えるものの眺望が乏しくなって、林間のなだらかな山道に変わる。途中、「ザイテングラード→」の標識にニンマリしながら淡々と歩を進めれば、間もなく神の上山の山頂に達する。伐採されて四方に好展望が得られる。誰もいない山頂で昼飯の巨大チキンカツサンドを頬張り始めると、続々とハイカーが登ってきた。
腹ごしらえが済んだら、来た道を穂高山まで往路を戻る。その間、多くのハイカーとすれ違う。穂高山からは、表銀座へと進む。間の峰(南アルプス白根三山の間ノ岳と関係あり? いや、西穂にも間ノ岳はあるな)、前の峰と眺望を堪能しつつ下っていく。岩盤の上を進んで徐々に高度を下げてゆく。右下には吉井川のゆったりした眺めが間近に眺められるようになる。このコースは随分と長く感じる。和気富士が次第に近づいてくる。コブをいくつか越して進めば、ようやく富士山頂だ。住吉さん、と書かれた小さな祠でお参りし、階段状に道が組まれた参道を下れば、金剛川沿いの車道に飛び出す。振り向けはまさに富士山がそこにある。ここから駐車地の役場まで、古き時代を感じさせる町を抜け、堤防を歩けば、ゆっくりとした時間の流れに身を置く心地よさがよみがえる。
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