阿寺山系・乗政キャンプ場から白草山
- GPS
- --:--
- 距離
- 9.6km
- 登り
- 858m
- 下り
- 790m
コースタイム
天候 | 晴れ |
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アクセス |
利用交通機関:
自家用車
帰りは御厩野登山口から親切な登山者にクルマに便乗させてもらって乗政キャンプ場まで戻った。 |
写真
装備
個人装備 |
長袖シャツ
Tシャツ
ズボン
靴下
防寒着
雨具
靴
ザック
行動食
非常食
飲料
ハイドレーション
ガスカートリッジ
コンロ
コッヘル
食器
ライター
地図(地形図)
コンパス
ヘッドランプ
予備電池
筆記用具
ファーストエイドキット
ロールペーパー
時計
タオル
カメラ
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感想
御嶽山の南。国道257号線に沿った岐阜・長野県境の山やまを阿寺山系と呼ぶが、この山域の山は雪が解けるのが比較的早い。5月にもまればます大丈夫である。去年の5月も阿寺山系の山ばかり登っていたが、『山と溪谷』の5月号に阿寺山系の白草山の紹介記事が載っていたので、さっそくこのガイドを頼りに登りに行くことにした。
車で富山を朝5時に出て、国道41号線を南下すると、3時間ほどで下呂に着く。下呂から国道257号線に入る。トンネルひとつ抜けて暫く走ると宮地に出る。ここから乗政温泉のほうに入り、温泉よりもさらに奥に入っていくと、乗政キャンプ場に着く。ホントはここからさらに車で行けるが、あまりに奥まで入るのも芸がないので、まだ閉鎖中のキャンプ場の管理棟前に車を駐めて歩き出した。20分程車道を歩くと黒沢林道入り口に着いた。車はここまで入ることができる。名古屋ナンバーの車が数台駐まっている林道入口からゲートをくぐり林道に入ると、チェーンソーで木をブッタ切る音が響いている。林業従事者にはゴールデン・ウィークは関係ないらしい。30分も歩けば林道は終わり、白草山の登山口を示す標識がある。ここで小沢を渡って登山道に入る。暫くは植林帯のなかをジグザグに登っていくが、・1414 m東コルで尾根に乗り、あとは尾根通しに登ることになる。あまり陽射しを遮るものがなく、真夏ならさぞかし暑いだろうと思われるが、5月の陽射しなら心地よく、・1414 m東コルから30分も歩くと、突然辺り一面のササ原に出る。ここが信飛の国境稜線到達地点で、ここから10分弱ササ原を歩くと、アッサリ白草山の頂上に着いた。白草山の頂上からは御嶽山、北アルプス方面の乗鞍岳、笠ヶ岳、南に眼を向ければ恵那山、二ツ森山などの東濃の名山、そして北西方向を見ると雪をまだ多く纏った山が見えた。最初は白山系の山かと思ったが、どうやら位山、川上岳あたりの山のようだ。地図ではすぐ近くにあることになっている三浦貯水池が山の陰になって全く見えないのが意外だった。鞍掛峠を挟んで対峙する三国山(信・濃・飛3国の境)のさらに奥に、ところどころ雪を残している黒々とした稜線が見えた。あれが阿寺山系の最高峰・小秀山だと気付いたのは下山してからだった。
頂上では冷たい風が吹いていて、他の登山者は口々に「寒い、寒い」を連発していた。私が昼食のインスタントラーメンを作るのに30分もかかってしまったのも、冷たい風でガスバーナーの熱効率が低下していたからだろう。ともかく昼食を済ませ、下山にかかる。
『山と溪谷』の5月号のガイドでは「帰路は往路を戻ったほうが無難」と書かれているが、実際のところ、かなりの登山者が鞍掛峠のほうから昇り降りしているのである。地形図を見ると、乗政からのコースは表示されていない一方、白草山から御厩野へは破線路が表示されており、しっかりとした登山コースの存在を予感させる。「こっちのコースも面白そうだ」と思った私は、車を乗政側に駐めていることを顧みず、御厩野・鞍掛峠のほうの登山道に足を踏み入れた。
10分も下ると営林署の作業小屋らしき建物(のちに避難小屋と判明)が現れ、御厩野コースと鞍掛峠のコースの分岐に出る。ここでは御厩野コースに入る。もう少し下ると水場が現れる。水場からは単調な下りで、頂上から1時間もしないうちに御厩野と鞍掛峠を結ぶ林道(一応県道)に出た。ここに駐車余地があり、ここに駐車して頂上を往復するひとが多いようだ。この白草山御厩野登山口から御厩野に出て、国道257号線の中津川−下呂間を走るバス(幻の“国鉄下呂線”のコースを走るバス)を捕まえ、宮地でさらに乗政ゆきのバスに乗り換えて、乗政キャンプ場まで戻り、車を回収する腹積もりだった。ところが林道歩きを始めて15分経ったころ、鞍掛峠のほうから1台の車が降りて来て、ドライヴァーが私に「乗っていかない?」と声をかけてくれたのである。この御厚意に大いに甘え、中年夫婦と犬1匹が乗っていたこの車に便乗させて戴いた。最初は御厩野までという話だったのだが、そのうち宮地まで乗せてくれるという話になり、了いには乗政キャンプ場の私の車が駐めてあるところまで送ってくれた。お蔭で日程が大いに短縮でき、この美濃加茂から白草山に登りに来たという御夫婦にはいくら感謝しても感謝し足りないくらいである。こーゆーふーに、見ず知らずの者を気安く便乗させてくれるのは今の世の中、山をやる人ぐらいなもんである。山ヤの『同志愛』に乾杯!
富山に戻ってから、時刻表で中津川−下呂間の路線バスの本数を確認すると、1日4往復だった…。これを見て、改めてあの御夫婦に感謝する気持ちが湧いて来たのは言うまでもない。
(越中やたらと登る会会報「さんぼ」No.16(1996.10.10発行)掲載の記事をほぼ全文忠実に転載)
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