記録ID: 4030036
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ハイキング
房総・三浦
御十八夜、きつね山・たぬき山、大日山 〜石仏、古墳を訪ねて〜
2022年02月26日(土) [日帰り]


体力度
3
日帰りが可能
- GPS
- 05:58
- 距離
- 18.2km
- 登り
- 608m
- 下り
- 611m
コースタイム
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2022年02月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車
帰り 上総牛久駅(小湊鐵道) ゴール |
コース状況/ 危険箇所等 |
私が、御十八夜(おじゅうはっちゃ)という風雅な山名を知り、実際に訪れたのは今から10年前のことで、きっかけは『新ハイキング』(2011年11月刊、663号)に掲載された内田栄一氏の紀行「御十八夜ー牛久丸山」でした。 10年ぶりの再訪になりましたが、現地には詳しく分かりやすい地図のほか、コース上は道標がしっかり整備され、急な箇所にはロープが設置され、迷いやすい場所にはピンクのテープが頻繁にありました。まさに隔世の感でした。 ただ、大日山の手前では、1ケ所で倒木がコースを塞いでいました。倒木帯を抜けると土道がすぐに復活します。 |
写真
行人塚の山桜広場ですが、長居はせずに足早に通り過ぎることにしました。
行人塚とは、行者が生きたまま埋葬され、即身成仏したと伝えられる塚のことです。それに桜が加わりますと、梶井基次郎の『櫻の樹の下には』、坂口安吾の『桜の森の満開の下』を連想してしまいます。桜の花が美しく咲くのは、その木の下に死体が埋まっていて養分を吸っているから、という小説のモチーフが頭をよぎりました。
行人塚とは、行者が生きたまま埋葬され、即身成仏したと伝えられる塚のことです。それに桜が加わりますと、梶井基次郎の『櫻の樹の下には』、坂口安吾の『桜の森の満開の下』を連想してしまいます。桜の花が美しく咲くのは、その木の下に死体が埋まっていて養分を吸っているから、という小説のモチーフが頭をよぎりました。
御十八夜の手前にあるベンチで休憩です。穏やかな冬晴れが続き、今日もポカポカ陽気、春への胎動でしょうか。連綿たる山並みを見ていると眠くなってきました。しばらくゆったりとした時を過ごし、なかなか腰を上げることができません。
二等三角点峰の御十八夜に着きました。山名の由来については、諸説あるようですが、内田栄一氏は「月待ち講の一つで昔十八夜講が行われていた山であり、十八夜山ということになろう。旧暦の正月、五月、九月の十八日の夜に寄り合い、月の出を待って拝み祭る行事で、北関東から東北地方に多く、俗にオジュウハッチャといった」(前掲の紀行から)と解説されています。
青空が輝き、広範囲の眺望が得られます。富士山も遠目に確認できます。内田氏によると「古老の話では戦時中、山頂に櫓が組まれ対空監視の兵士がいた」そうです。空の色も、陽の光も、すべてが美しく、月見には打って付けの山頂のようです。
道標に導かれて、たぬき山(139m点)に立ち寄りました。立ち木の表示には「真ケ谷不動尊の森」と記されており、この辺りは「真ケ谷不動尊の森」と呼ぶようです。
たぬき山の手前には、山の神の石碑がありました。
たぬき山の手前には、山の神の石碑がありました。
次に道標が導いてくれたのが、きつね山(153m点)です。この山は「内田の森」に属しているようで、どこまでが「真ケ谷不動尊の森」で、どこからが「内田の森」なのでしょうか。現地の地図では、この辺り一帯が広く「内田の森」となっていました。
ちょっぴりぬけてる感のあるタヌキ、ちょっぴりいじわる感のあるキツネですが、二つの山名の由来を知りたいです。
ちょっぴりぬけてる感のあるタヌキ、ちょっぴりいじわる感のあるキツネですが、二つの山名の由来を知りたいです。
出羽三山碑につきましては、湯殿山を総奥の院として三山の上位に位置付け、湯殿山を真ん中にして月山と羽黒山を左右に配置するのが一般的と思っていましたが、この碑では、月山が真ん中に配置されていました。ここへのルートには、ピンクテープが頻繁に付けてありました。
真ケ谷城要害の説明板には、絵図が添付されています。真ケ谷城は500年以上前に築城されたと解説してありました。時間があれば、主郭、曲輪、土塁、堀切、虎口などを歩き回って確認したかったのですが、この先が長丁場でもあり、宿題として残すことにしました。
内田氏は「この明治14年建立の馬頭観音の像がユニークだ。ねじれ逆立たせた怒髪上の光背に、ポッチャリした丸顔の馬頭をレリーフした姿は、正に古拙そのものといった味わいがある」と評しています。なお、内田氏は、この像のある神社を金刀比羅神社と紹介されていますが、稲荷神社、天神神社、白山神社を合祀した三夜宮ではないでしょうか。
感想
房総の月待ち山には、大多喜の二十三夜山、君津の壬申山があるようで、残りの2つの山も訪れたいと思っています。
地元の方々が「米沢の森」、「内田の森」、「真ケ谷不動尊の森」として、地図の作成、登山道の整備、道標の設置などにより、誰もが楽しめるハイキングコースが完成されつつあることは素晴らしいことです。ご労苦に敬意を表します。
きさらぎの里山は、木々がかすかに匂いはじめ、かすかな春の足音を感じました。もの言わぬ、孤高の石仏、古墳の前にたたずみ、しばし俗塵を忘れることができました。
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