深南部・尾呂久保編 死殺三連厄〜廃林道フルラッセル

2022年03月11日(金) 〜 2022年03月13日(日)

• GPS: 18:50
• 距離: 43.5km
• 登り: 2,568m
• 下り: 2,502m

コースタイム

1日目

• 山行: 1:19
• 休憩: 0:09
• 合計: 1:28

距離 10.6km 登り 976m 下り 269m

19:27 スタート地点
19:34 樅ノ木平
19:35 池久保
19:46 19:55 大札山森林公園
20:03 大札山北尾根登山口
20:09 蕎麦粒山南尾根登山口
20:55 宿泊地

2日目

• 山行: 9:01
• 休憩: 0:00
• 合計: 9:01

距離 11.6km 登り 550m 下り 688m

6:33 宿泊地
15:34 宿泊地

3日目

• 山行: 10:41
• 休憩: 0:06
• 合計: 10:47

距離 21.3km 登り 1,066m 下り 1,565m

6:26 宿泊地
16:32 蕎麦粒山南尾根登山口
16:36 蕎麦粒山・大札山鞍部
16:45 16:51 大札山森林公園
17:07 池久保
17:09 樅ノ木平
17:13 ゴール地点

天候

晴れ/曇り

アクセス

利用交通機関：

自家用車

写真

3/11 19:27

満を持して出発…この時はまだお気楽そのもの

3/11 19:53

途中の休憩舎

3/11 20:54

なう…1か月半ぶりです…

3/11 20:54

お外は雪だらけ…1月末よりありそうだね…

3/11 20:55

中に入って〇〇してお休みなさいませ…

3/12 6:07

吹き荒ぶ風の音が不安で夜明けまで動く気になりませんでした…

3/12 6:32

前回と同じ6時半スタート…

3/12 6:37

開幕すぐに積雪50cmあるんですが？
モナ雪…ズボる…つぼ足ラッセル…帰りてぇ…

3/12 6:42

ゲート…今日こそ上西平の造林宿舎に行くぞ…
そう思っていた時期が俺にもありました…

3/12 7:26

開幕から1時間、ずっとモナ雪つぼ足膝ラッセルなんですが…

3/12 7:39

そんなのがずっと続く…

3/12 7:56

この日、この時間、ここはまだ平和でありましたとさ…

3/12 8:25

ずっと蕎麦粒山の陰だから雪も殆ど溶けてませんね…
膝時々脛丈のつぼ足ラッセル…ワカン…持ってくるべきだったか？

3/12 8:30

五樽沢のコル登り口…山犬段休憩舎から平時で45分なんだよね…
2時間掛かってるんだよね…ありえなくなくね？

3/12 8:51

ズボる…ズボる…ズボ…

3/12 9:22

今思えばここは雪が豊富で良かったね

3/12 9:23

ここで中休止…既に3時間フルラッセルでヘロヘロ…
撤退も考えましたが、3時間程度で根を上げるのもこっ恥ずかしいのでもうちょい頑張ってみることに…
これがまずかった…

3/12 9:45

こんな雪の無いポイントは千石沢までの5%程度でした…

3/12 10:18

ヘロヘロ気味でやって来た丸太渡の地獄…
前回より悪化してる…

3/12 10:46

僅かながらも雪のないエリアは助かる…

3/12 10:55

せめて千石沢まで行って「水を補給して」撤退か続行か決めよう…この時点で災厄は確定してました…

3/12 11:38

開幕から5時間！雪が無ければ恐らく2時間切るであろう距離を5時間かけて漸く千石沢…
浴びるように水を飲んで…

3/12 11:56

また4時間？かけて戻る？それとも雪の心配のない千石平東尾根出会いまで進んで、そこから1km弱？ラッセルして前進基地まで進む？

3/12 11:57

結論…
……………
…………
続行…自分から死にに行くスタイル…

3/12 12:07

案の定、千石沢から東尾根迄は雪はほぼ無い…

3/12 12:15

小屋…スルー…

3/12 12:42

水場…本日はかなり飲んでる

3/12 12:49

ここは…ミスれば…

3/12 13:23

林道の過去を追うと、2002年辺りまでは普通に歩けたそうだ…
どうやら2003年頃？の大雨で左岸林道含めて機能不全に陥ったようだ…
確かあの頃、山梨でも釜無川が氾濫寸前だったりR52が至る所で分断された記憶が…

3/12 13:36

穏やかになると東尾根出会いが近い…

3/12 13:40

ここはいつ来ても平和だなぁ…

3/12 13:44

でもここからがまた日陰…

3/12 14:07

まだ大丈夫だ…

3/12 14:21

ここも雪が無くて良かった…

3/12 14:33

なるべく体力を温存する方向で歩いているので有り難い…

3/12 14:35

行くも地獄引くも地獄…

3/12 15:03

ここは意外と越えられたのは雪のおかげだったのかもしれない…

3/12 15:13

雪が解けたら牙をむくのか、見掛け倒しなのか…

3/12 15:30

最後のザレをこなして…

3/12 15:33

漸くたどり着いた前進基地…
とてもここから先をラッセルしようなんて気は起きず…

3/12 15:33

気力を振り絞ってテントを設営して、泥のように眠ること2時間以上…

3/12 18:15

気が付いたら18時回ってた…
夕ご飯…ミートソーススパ…
失ったカロリーを補充できるか不安だ…

3/13 6:25

おはようございます…
体調も気分も6割ほど？
兎にも角にも帰らないと遭難確定なのでお空が心配ですが歩き出します…
昨日続行した自分をぶん殴りたい…

3/13 6:40

慎重に歩いているつもりではあるが、昨日となんとなく違和感を感じる…

3/13 7:08

1度死んだ…生死を分けたのは僅かな石の取っ掛かり…
何が原因か、どうすべきだったか…
今ここにいる結果が全て…そして良い事も悪いことも全く同じことは2度起こらないという事…

3/13 7:16

ここから千石沢までは「多分」問題ないと思うが…

3/13 7:23

ここは大丈夫…

3/13 7:25

大丈夫…大丈夫…

3/13 7:37

かなり安心した…

3/13 7:52

暫くは気が抜けた…

3/13 7:59

行きと大体同じか若干巻き気味のようだ…

3/13 8:18

尾頭付き肉抜きで…

3/13 8:37

ここは…メンタル面でかなり左右されることが分かった…

3/13 8:47

行きに気が付かなかった骸…
ほんの1時間前、自分もこうなっていたかもという事実が…

3/13 8:48

水場…兎に角喉が渇く…口の中がドブの味がする…これが死の味ってやつかな？

3/13 9:15

3/13 9:19

遠目に見ると絶望するような崩れですが、コンディションとメンタルさえあれば行けました…ギリギリでした…メンタル的に…

3/13 9:27

漸く千石沢…ちょっと良いペースで巻けたことでタガが緩んでいたのかもしれない…
この後お代わりすることになろうとは…

3/13 9:35

沈む…前日踏み抜いている筈なのに、本日も踏み抜きズボリ膝ラッセル…

3/13 10:27

考えず、機械のように足を動かして、トラロープが目について漸く気が付いた丸太渡地獄…

3/13 10:38

なんとか通過…

3/13 11:09

今座り込むと気持ちが折れそうなのでスルー…

3/13 11:11

写真撮り忘れたけど、この先で2度目の死を迎えました…
手に握った○○が加水分解で脆かったら奈落行きでしたね…
昨日と全くコンディションが違うということに漸く気が付いた…

3/13 11:23

ズボる…標高が変わらない、日差しも変わらないのでずっとズボる…

3/13 11:35

しっかり足場が作れる雪がこれほど有り難いとは…

3/13 11:44

漸く…
少なくともあと2時間我慢すれば終了という指標にはなった…

3/13 11:51

いつもならもう悪場は無い筈だったのに…

3/13 12:13

ここで本日3回目の死亡です…
トラバースを抜けて林道高さへ下りる時に○○…
予め、○○があるのが分かっていたから寸前で命繋ぎました…
ここで卸したてのトレポ1本が奈落へ、1本が斜面に取り残されました…
もろちん回収する度胸もありません

3/13 12:42

ポールを失い、無手で沈み込み膝ラッセルアゲイン…
朦朧としつつここで大休止＆トレポ代わりの窓枠ゲット…

3/13 13:01

自分の記憶が確かならば、あそこを最後に危険地帯は無い「筈だ」と信じつつ、気力のみで歩を進める…

3/13 13:17

あの先に行けば雪が無かった「気がする」と心魂奮い立たせて牛歩で進む…

3/13 13:23

気が付けば支線分岐まで来てた…山犬段休憩舎迄ほんの少し…

3/13 13:29

ゲートを越えて安心したのか、歩みは更に鈍くなる…

3/13 13:33

疲労、眠気、シャリバテ…

3/13 13:39

堪らず蕎麦粒山登山道へ逃げ込むも1歩が進まない…

3/13 13:40

性も根も尽き果てて休憩舎…

3/13 13:56

眠るか食うか考えて先ずは食うことにする…

3/13 14:20

ハンバーグとエビピラフ、コンポタ…
どんな味になってもアルファ米は吐くほど不味い…
ハンバーグソースで強引に流し込まなければゴミ箱行きでした
喰った後、90分程寝た…

3/13 15:53

終わりのない、意味のない長時間ラッセルをした挙句、疲労の果てに3度の死を体験しながらもおめおめと逃げ帰った罪人の処刑はこちらです…
…もう残雪と氷の廃林道歩きは二度としたくありません…
二度目があると思う事に感謝する…

3/13 15:57

随分融けたようですね…

3/13 15:59

日が当たる所はこんなにもなのに、裏側の残雪量よ…

3/13 16:03

雪解け時の落石は定番ですね…
道中もよく聞きました…

3/13 16:19

ここの工事現場もあと少しですわ

3/13 16:21

私が通過した2秒後にスササササーー…と流れてきました

3/13 16:23

水場の水は辛うじて出てました

3/13 16:35

こっちの廃林道も…やめときましょう…

3/13 16:50

休憩舎まで下って来て…

3/13 17:07

さらに大札山南尾根登山口に…

3/13 17:08

こっちの林道も不穏な空気が…

3/13 17:13

お終い…死の危険を3度味わった所為か、ほとんど眠くならず、山梨まで帰りました…あの瞬間がリフレインするたびに膝が笑い、吐き気を催します…

撮影機器：

DSC-WX350 SONY

感想

tori-atama

結論から言いますと、都合3回死にました…
死んだけど生きている矛盾…1度目は完全に観念…2度3度目は蜘蛛の糸が…
サドンデスよりも数秒の思考の猶予がある方が恐ろしい…
今生きていること自体が偶然の賜物でしかない訳で…
詳しく書くも恥ずべきかな…恐ろしきかな…
　
「南赤石幹線林道」の半分弱程度ですが、既に左岸林道や日向林道を上回る、「ミスれば確殺のキルゾーン」だらけ…
　
「この時期の」ここに飛び込んだ己の愚行を只々呪いつつ、未だに生き永らえているという、奇跡に感謝するのみ…








今回の愚行、そして辛うじて残っていた営林署跡での狼藉諸々…
危険やマナー等、諸般の事情を鑑みまして、廃林道とその先にある尾根や遺構に関する情報を封鎖することにしました…
ヤマップ時代を含め、私のレポが直接的な原因かも知れませんが、そうでないかも知れません…
安易に情報を一般公開することの弊害を今更ながら知りました…
これまでそこを利用されていた古参の方々には大変な迷惑をおかけいたしましたコトお詫び申し上げます…

コメント

しずく

兎に角、無事に帰ってきてくれて、ありがとうございましたm(_ _)m

tori-atama

もう「こんな不安定なコンディションの」廃林道はこりごりです(´・ω・`)
去年のヒヤリハットがまるで生かされてない…
兎に角申し訳ありませんでした…

しずく

tori-atamaさん
今年こそ、あずき🐶に会って頂かないと…
待ってますよm(_ _)m

nijiusagi2004

お疲れ様でした。無事で何よりです。僕には真似できませんが勉強になりましたよ。感謝しています。ありがとうございました。

tori-atama

しなくてよい苦労をした挙句に偶然と先駆者の置き土産に救われる体たらくをお見せしてしまいました…決してこんな林道で真似をしないでください…愚か者は私一人で良いです

小谷秋瀬

南赤石林道も普通に山でつなげば難しくないのにここは林道こそが難所ですね
とりさんが無事でよかった

tori-atama

浪漫を求めた挙句、彼岸を渡る寸前だったので、温かい言葉よりも辛辣なお言葉の方がこの身に沁みますので詰って下さいませ…
多分、誰しも思っていたかもしれません…「いつかこうなると思ってた」と…

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読み終わったら、肩がコチンカチンになってました〜。
同じような林道が落ちてるところ、遠江の山で遭遇しました。
気田川の支流灰縄沢の国有林で。
もちろん、戻って灰縄沢を遡りましたけれどもね。2003．4.29．、京丸山の尾根続き、三ツ森山を訪ねた時のことです。
しらびそ峠から大沢岳へ向かう林道、同じような崩落個所で、以前、飯田からの登山者の方が、滑落して亡くなったとか・・・。
生き延びて、山行記が残せて、良かったですね。

tori-atama

本文でも言い訳を省いて結果のみを書きましたが、どう言い訳をしようとも今の結果が全て、としか言えません…
こういう事を嗜む以上は、多少なりとも腹は括ってますのでなったらなったで仕方ないことですが、そうならないための「保険」を一段階引き上げなければならないほど急速に「悪く」なってきたようで…(;´Д｀)
　
ご心配をおかけしました。

えね

読みかけにしていた大間の記録を、ヒョングリの話題からようやく読み終えて来ました。その勢いでこちらにも伺いましたが、実はタイトルとカバー写真が不吉でスルーしてたんですよね。

ご無事で帰られて良かったです。

…て、ん？某SNS的な山アプリの方で、昨年だったかの１月とかにも書きませんでしたっけ？

tori-atama

そう言えば去年の正月早々にも滑落しましたわ…😨
今思えば、あっちは数十m滑落しても三途の川まで行きませんでしたが、今年は確定申告で三途の川にご招待寸前でした…😨
ほんの少しの油断、逡巡が精子を分けるような無茶はしたくないです…