天狗谷経由大和葛城山そして水越峠の周回


- GPS
- 03:38
- 距離
- 7.7km
- 登り
- 598m
- 下り
- 608m
コースタイム
天候 | 曇り後晴 |
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過去天気図(気象庁) | 2022年04月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
よく踏まれた登山道と遊歩道 |
写真
装備
個人装備 |
長袖シャツ
ズボン
靴下
グローブ
防寒着
雨具
靴
ザック
昼ご飯
飲料
レジャーシート
地図(地形図)
コンパス
笛
ヘッドランプ
GPS
ファーストエイドキット
保険証
携帯
時計
サングラス
カメラ
シュリンゲ
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感想
先週末、但馬の仏ノ尾で今シーズン最後の雪山を楽しんだ。しかし、隣の青ヶ丸の登頂を断念し、またの機会を狙うことになったのだが、あれだけ雪が残っているなら今週末もひょっとして、という思いは断ち切れずにいた。ところが、「てんくら」の予想では16日の氷ノ山、扇の山は午前中、「C」。予想天気図を見ると西から高圧部が日本列島に張り出してくるが日本海には前線があって、このやや込み合った等圧線部分で強風が吹くことが「C」の根拠と思われた。近畿地方はそのため南部のほうが相対的に天気はいい予想。とはいえ、午前中いっぱいはどこも曇りとなっている。
そんなわけで、雪を追いかけていた結果、繰り延べを重ねてきた葛城山に遂に行くことにしたのだった。なぜ葛城山かと言えば、阪神間からほど近いこの山にカタクリが咲き、しかもギフチョウが吸蜜訪れるということを知ったからである。55年ほど前、葛城山にほど近い二上山でギフチョウを採集したが、今もまだこんな近場にこの蝶がいるなんて、そんなエキサイティングな話ってあるか?!と感動した。そしてカタクリの存在。4年前まで住んでいた東北なら、春になるとどこにでも咲いていて何とも思わなかった花なのだが、こちらに来てからは一度も見る機会がなく、寂しく思っていたところだ。これが葛城山に行こうと思った理由。でも、お日様が照ってくれないと、カタクリもギフチョウも開店休業になる。お昼からは晴の予報なのでちょっと遅めに行動開始にして、昼近くに山頂部に出るというのがよさそうだ。
登山口の青崩近くに車を置いて、登山者が少ないはずの天狗谷へと向かう。空模様は未だに黒い低空の雲が支配して、雨に見舞われることのないよう、祈りつつ進む。前後に登山者がいて、下ってくる人たちもある。意外に人通りがあるようだ。道はしっかりと踏まれているが、崩落跡や渡渉点では沢床を行く。しかし特段の困難はない。周囲は檜の植林帯ながら、下生えが繁っているので、それほど殺風景でもない。兵庫県ではニホンシカが増えすぎて食害が激しく、草一本残っていない山が多いので、金剛山地が自然度高く感じられる。下生えが多いということは、花も多いということだ。花の一つもない兵庫県の山で感じる飢餓感から解放されて心が躍る。カタクリの株もあるが谷沿いのここには蕾や花はまだない。カンアオイも現れた。ミヤコアオイと呼ばれるものだろう。ギフチョウ発生の舞台装置は確かにここにある。さらに登っていくと、これも久しぶりのショウジョウバカマを見る。数本見つけて喜んでいると、登るにつれ次々にその数は増えて、やがて檜林の斜面を全て覆うような大群落となった。ショウジョウバカマの紅色の花が一面に広がっている。こんな大群落は東北ですら見たことはない。感動的である。次第に傾斜は緩くなって林道に飛びだすと、もう山頂はすぐだ。遊歩道に合流して、山頂直下の見晴らし台に出ると、満開を過ぎたコブシの大きな花びらが降り注ぎ、眼前には奈良盆地の素晴らしい眺望が広がっていた。新緑の輝く木々に桜の花がアクセントを添えている。ここで昼食とする。ありがたいことに次第に青空がのぞくようになり、陽の光も注ぎ始めた。今日は昨日までとは打って変わって気温がぐっと下がり、冷たい風が吹きつけているが、陽射しさえ出てくればカタクリの花とギフチョウにも会えるかもしれないと、期待感は膨らんでくる。
食後、大阪府最高峰とされる葛城山の山頂に上がってみる。そこは牧場のように広い笹原で、なんと山頂に郵便ポストが建つという風変わりなてっぺんである。風が冷たいので三角点を確認して、下の遊歩道に戻る。ここから天然の植生そのままという「ツツジ園」を通って水越峠へと向かう。ツツジ園はすぐ後ろの山頂部が障壁として働くためか風が弱く、日当たりがよいので温かい。そして空は雲がとれて待望の晴となった。
ツツジ園の下縁に近いベンチのような木製の大きな台座あたりに、待望のカタクリが開花している!にじり寄って「再開」を祝う。ここのカタクリは、デカい。色も濃い。随分あでやかな姿をしている。そしてついにギフチョウのお出ましだ!!羽化したてのきれいなギフチョウが、三々五々舞い降りる。二匹が巴をつくって舞い上がる。ギフチョウがいまだ多産するとは、素晴らしい。ギフチョウはじっとしておらず写真に収めることはできなかったが、50年以上見ることのなかった光景を存分に楽しんだ。こうして、期待以上の充実した山行となったのである。
そして帰りに道の駅「河南」に立ち寄り、地場野菜を求める。この辺り、イチゴ農家が多いらしい。素晴らしい芳香漂う「ジャム用イチゴ」をkinuasaが買ってきた。その豊かな味わい!子供の頃、近くのお百姓さんがリヤカーで売りに来たあの懐かしい完熟イチゴの味だ。50年、60年ワープしたようなこの一日だった。
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