西穂高岳西尾根

コースタイム
3/22 1946m付近幕営地5:00〜2343m付近〜第一岩峰基部8:20〜13:20西穂高岳山頂13:30〜独標14:45〜15:20西穂山荘
3/23 西穂山荘7:30〜8:05RW西穂高口駅9:15〜9:30RW新穂高温泉駅
天候 | 3/21雪 3/22曇り時々晴れ 3/23 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2014年03月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
ケーブルカー(ロープウェイ/リフト)
・下山は新穂高ロープウェイ利用 片道1500円+手荷物300円(8kg以上) |
コース状況/ 危険箇所等 |
・入浴 ひらゆの森(平湯バスターミナルそば)500円 10:00〜21:00 ※広い、安い、おすすめ |
写真
感想
今回の山行が決まった切欠は…
腰痛で今季の冬山出遅れた私とラッセルがしたいyu-umaが
3月の3連休で北アルプスへ行きたいと話しをした事が始まり。
そこで…どうせラッセルするなら体力どMの
Kuriさんも声をかけたら面白いかと思い、メールで『ラッセルしませんか?』
とだけ送った返答がこの西穂西尾へ行こうという内容であった。
もっと優しいルートでトレースがなさそうな場所をイメージしていたので
この返しは良い意味で僕ら2人にとってサプライズ。
何せ今季、いろんな理由があれど殆ど雪山に入ってないかったから。
大丈夫か?と思いつつもルートの魅力に惹かれ徐々に話しが決まっていった。
【準備】
まず不安だったのが実は体力。
去年のGW以降、重い荷物をもってない。
体力面できつかったのは8月の北鎌、その後縦走は11月の燕だけ。
そんな状況で今季初の雪山縦走なのにバリェーション、荷物はテント泊+登攀具
でかなり重い。
ルートの事前情報はネットに沢山記録が落ちていたので一通り目を通した。
しかしながら、ロープを使う記録と使わない記録、ラッセル量などに違いがある。
バリェーション経験がほぼ無いに等しいのでこれらの記録からは正直あまり
イメージはつかめない。
やっはり体力…
更に追い打ちで入山日前日〜当日に雪。ラッセル覚悟で1泊2日でほぼ抜けられる
見込みが2泊3日の予定が濃厚となる。
体力やばっ…と悩んだ結果、荷物を極力軽くする方向で対策をした。
シェラフを通常モンベル1番を使っていたが、3番に落とす。
その寒さ不安対策としてカイロを一晩1つ使うので2つ…
元々、荷物は軽い方であったから共同装備、トータル19キロほどであっただろうか?
(カメラを削れはあと1キロは落とせたんだけど…)
結果、寝るのは厳しかったがメンバーとの体力差を考えるとこれで良かったと感じる。
全体のペースを落とす様な結果にはならなかった。
【前日入り〜初日】
20日武蔵小杉駅23:00集合。21日天気が悪いので初日は無理をしない予定となり
少し遅い集合となる。
道の駅 風穴の里にて前泊。
結構気温が高く、この時点ではシェラフを3番にしたは特に問題と感じなかった。
その後駐車場は新穂高の登山者用駐車場へ付く、結構雪が多い。
道路一面雪まみれ。
・ロープウェイ10:15〜穂高平避難小屋11:15
トレースがほんのりあるくるぶし程度まで一歩一歩埋まる程度。
積雪が続く。装備品がしっけるのが不安だ。
避難小屋までは順調に歩くが途中、道を間違えてないか時々不安
となり確認しながら歩いた。
■穂高平避難小屋11:30〜1946mピーク15:30
避難小屋で休憩後、尾根に向かう。トレースがはっきりある
南側の沢にトラバースしながら先行者は尾根に取り付いている。
ここで、メンバーにトレースを追うか?トレース無しの直登か?の意思を
確認しあうと男のノントレース『直登』に…
わかんを装着しコンパスで方向を確認し尾根をひたすら登る。
腰ラッセルとまではならないが太もも程度のラッセルが続く。
1時間で標高が100mのペース、ラッセルKuriさんが上手い。
認めたくは無いが私が一番下手。
途中1700mくらいからか?新雪下の雪がモナカでラッセルのストレスを
更に感じる。
結局、登り始めが遅かった事もあり1946mピーク周辺で15時を過ぎたので
この近辺でのテント泊となる。
4テンを張るスペースは所々あり。この時点で南側から風邪がある程度あった
ので尾根の北よりを選択してテント設営。
ゆっくりテント設営したつもりは無いがあまり手際良くテン泊が進まない。
ここらへんは今季の冬山密度が低いからだろう…もっとコミュニケーション
を積極的にとれば良かった。
この日、夜には風と積雪は止まり、静かな夜となる。
食事はyu-uumaのキムチタンタン鍋、バリェーションとは思えないボリューム。
毎度、彼の食事は不評なので彼なりの努力が見える内容。
こういうところはイイ奴さが出ていて良い。
後でkuriさんからツッコミがあったがバリらしくない豪華さや料理の手間は
改善すべきかな?
また、テント生活も全般として湿度が高く、濡れた体なのに、『濡れ防止』への
配慮が皆欠如気味であった。沸かしたお湯の蓋を直ぐしめない、雪がテント内へ
入る事への配慮など…ちょっとした事だが…
その晩は、3番シェラフ+シェラフカバーで濡れた装備を抱き込み就寝…
【2日目】
起床3時30分 朝食担当は私。カップラーメンの中身だけを持ってきた物に
コーンビーフとチーズを追加。直ぐ食べれらる物とした。
■5時30分出発。
夜が明けるちょい前からわかん装備で行動。
雲海が出ていて幻想的に美しい景色が樹林帯の切れ目から見える。
前日の疲れか?足が重く、更に続くラッセルに直ぐ息が上がる。
他の2グループが近くてテント泊しており、ラッセル交代の順番が中々
回ってこないのでその隙を使い
行動食と休憩を多めに取ったことで、第一岩陵に付くころには調子が上向いた。
■第一岩陵8:00
まだラッセルが続いていたのでわかん装備のまま左巻き気味で取り付く
出だしが悪く、先行グループの動きが止まる。
そこをkuriさんが更に左トラバース気味で突破。
さすがにわかんではキツイのでアイセンへ履き替え
その後の急斜度の雪陵を行く、ラッセルとまではならないが所々は踏み
抜くモナカあり、新雪ありで楽な足運びではなかった。
しかしながら、この頃には空が抜けるほど青く、この急な雪陵の御陰で
空に向かってトレースを付けながら歩く感覚が言葉に出来ないほど
気持ちいい。
■ジャンクションコル 11:30
このでのトラバースが更に気持ちよかった。
斜度がある程度あったが、しっかりアイゼンがきく、本当に白い綺麗な
稜線へ向かう感覚がたまらん!
最後のテント設営ポイントとしてこの場所の通過タイムが12時なら
ここでのテント泊を検討となっていたがそれより早かったのでもちろん
山頂を目指す。
ここでちょっとホッとして休憩を長くしたからか、2人組みに抜かれてしまった。
山頂直下の岩陵へどう取り付くか?の相談を行い、ちょっと右目に回り込もうか?
などと話していたが、近くへ行ってみると難なくジャンクションコルに近い岩場の
ルンゼが登れると判断し登る。
ここらへんとジャンクションコルがこのルートの核心だったかな?
結局、ロープは終始使わず、そのまま山頂まで抜けた。
■山頂 13:30
山頂から見る景色は言わずとも最高であった。
今年最高の景色として見えた。
流石にこの頃は疲れも感じる…
ここから西穂山荘までの下りは事故が多いのでしっかり気を引き締めて向かうが…
トレースが終始ハッキリしており歩きにくさは殆ど無し
独標周辺はガイドパーティがフィックスロープを付けており(つかわなかったが)
人の多さもすごかった。
本当の山荘近くで視界が悪くなるが、赤旗やトレースがあり不安はなかったが
一瞬、気の緩み始めた気持ちがもう一度引き締まった。
■西穂山荘 15:30
無事にほぼ安全地帯に到着した事を皆で喜びあう。
小屋泊に私とyu-uumaはしたったがkuriさんと折り合わずもう一泊テント泊。
前日、テントで濡れ管理が甘かった点がこの1泊で辛い思いとなる。
ただでさえ寒いシェラフが濡れて凍りついていた…
残りのガスが多くあったので、わがままをいい湯たんぽクラティパスで
シェラフを乾かす。
寝るときも湯たんぽのあたたかさで寝始めは快適。
しかしながら…途中で冷えてからは辛かった。
一度、目が覚めると中々再び寝付けない…
もう、3番シエラフはこりごりと感じた。
◆所感
本当に良い山行だった。
今までで一番気持ち良い雪山だった。
雪陵の気持ちよさにやられた。
俄然、冬バリへ気持ちが動いた。
本当、今回のルートへいく機会をくれたkuriさんへ感謝。
また、一つ思い出をyu-uumaと共有できて本当嬉しい。
ただ、こまかな配慮への意識が雑だったことは反省すべき材料。
特に濡れ対策。
行動でもkuriさんから指摘を受けた点は次回への課題。
まだ、バリェーションでの常識はみについてない。
体力も。腰痛も調子があがる夏場に筋トレして再発防止対策し
来季の冬山には体の基礎的な部分はしっかりして臨みたい。
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する