熊野古道：大辺路（紀伊田原〜串本）と潮岬、本州最南端を巡るハイキング【和歌山県】
和歌山県
otoh
体力度について
- GPS
- 07:12
- 距離
- 25.6km
- 登り
- 161m
- 下り
- 130m
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標高グラフを拡大コースタイム
- 山行
- 0:20
- 休憩
- 0:00
- 合計
- 0:20
○その1：串本町内
橋杭園地駐車場 603 ― 串本駅 618
○その2：紀伊田原〜潮岬
紀伊田原駅 656 ― 熊野古道東西分かれ 659 ― 国道42号・田原 701 ― 紀勢線乗り越し 710 ― 古座ヴィラ口BS 713 ― 紀勢線乗り越し2 725 ― 津荷の側道へ 742 ― 津荷の側道から国道へ 750 ― 古座の港へ 800 ― 古座BS 807 ― 古座市外へ 808 ― 古座神社 812/814 ― 古座橋左岸 825 ― 古座橋右岸 829 ― 古座駅 831/834 ― 西向BS 844 ― 原町のお堂 847 ― 神野川BS 850 ― 籠屋踏切 902 ― 国道42号・大浦 907 ― 伊串の側道へ 909 ― 伊串川 912 ― 伊串BS 914 ― 紀伊姫駅 926/940 ― 国道42号・姫、鬮野川への分岐点 943 ― 橋杭岩方面の分岐点 956 ― 鬮野川地蔵堂 958 ― 工事用道路との交差点 1026 ― 国道42号袋港 1032 ― 国道鬮野川 1035 ―国道から串本市街地への分岐点 1048 ― 熊野古道から離れる 1050 ― 国道42号・潮岬西入口 1057 ― 串本古座高校南の山道へ 1102 ― 塔石の車道へ 1112 ― 休憩 1119/1132 ― 県道41号からの道との合流点 1135 ― 測候所跡前BS 1147 ― 潮岬郵便局 1157 ― 潮御岬神社入口(A) 1208 ― 潮岬灯台 1212/1231 ― 潮御岬神社 1234 ― 潮岬鯨山見 1237 ― 潮岬灯台前 1242/1257 ― 昼食休憩 1257/1318 ― (A) 1320 ― 旭之森最南端 1327 ― 遊歩道入口 1331 ― 潮岬観光センター、南紀熊野ジオパークセンター 1335
○その3：串本町内
串本駅 1504 ― 橋杭園地駐車場 1516
● 行動時間 0:15＋6:39＋0:12＝7:06
| 天候 | 晴れ、快晴 |
|---|---|
| 過去天気図（気象庁） | 2022年05月の天気図 |
| アクセス |
利用交通機関：
電車 バス 自家用車
（串本泊地＝橋杭園地駐車場） � ゞ狭艮狠話鷦崗譟酋�本駅 （串本＝＜JR紀勢本線＞＝紀伊田原） �◆ゝ�伊田原駅―紀伊姫駅―鬮野川袋港―潮岬灯台―潮岬「望楼の芝」 （潮岬＝＜串本コミュニティバス＞＝串本駅） �� 串本駅―橋杭園地駐車場 （橋杭園地駐車場＝無量寺＝和歌山市内） ●登山口へのアクセス ○JR紀伊田原駅 ・JR紀勢本線の駅。太地の西三つ手前。普通列車のみ停車 ・付近に駐車場は見当たらず、駅前も狭いので一時駐車はともかくも長時間利用はお奨めできない ○JR古座駅 ・JR紀勢本線の駅。特急も停車する。ただし、特急電車では11時前くらいにしか到着できない ・駅前には特にハイキング用の駐車場はなさそうだ ○潮岬 ・串本コミュニティバスで行くことができる。「潮岬・出雲線」は串本町役場を起終点に潮岬を一周する路線で、右回りと左回りが交互に運行されており、それぞれが6本ずつ運行。潮岬へは実質的に12本の便があることになる。おおむね毎時1本の運行 ・バス停は観光タワーにも灯台前にもある （いずれの記述も2022.5現在） |
| コース状況／ 危険箇所等 |
○紀伊田原駅〜国道42号〜古座駅 ・もっとも熊野古道の痕跡を感じない区間。殆どは国道42号を歩くのだが、歩道整備は概ね半分程度にとどまるので、歩くことにも注意を要する ・津荷と古座で旧道伝いあるいは港道を行くことになるが現地には道標は全くない。古座の街中への分岐も同様。古座橋を渡り古座駅までは見通せているので間違うこともない ・ちなみに紀伊田原駅出発点には古道らしい道標があり、次は「古座神社」を案内しているが、古座神社を含めそれより先には道標はない ○古座駅〜紀伊姫駅〜鬮野川袋港〜串本町中心部 ・車道歩きであることに変わりはないのだが、国道42号ではなく旧道を歩く場合が多い。古座駅から「西向」を経て北交差点で右折すると旧道。街中を抜け道なりに約3kmは旧道歩き ・それが終わり国道42号に復するが、100mも進めば再び旧道にて伊串の集落へ。姫駅を過ぎ、また国道に復するところで今度は鬮野川方面へと分かれていく ・鬮野川への細道は軽自動車がせいぜいの道だが、さして勾配もなく分水嶺を越えて鬮野川側に出る。あとは緩やかに川沿いを下ると港のある袋集落で、JR線をくぐりまたもや国道42号に顔を出す。国道42号を串本方面へと逆行。町内への分岐から中心部に入るが、入ってすぐの複雑交差点から右に進むと今回の道へと向かうことになる ○串本中心部〜潮岬 ・ハイキングコースではないので、淡々と街歩きをすることになる ・少しでも車道を外す狙いで串本古座高校の裏手から塔石に向かう点線道を上がってみた。草に埋もれてあまり踏まれてはいないものの、軽車両が通れるほどの道幅が最後まで続いている。点線道では表現されていないつづら折りがある ・テーブル台地上の塔石〜平松〜小平松〜上野〜向地〜芝古地は、細い車道をずっと進むが、家並みが切れることもなく、脇道もあまりなく、公園等の公共地もないので途中で休憩すら入れにくい （いずれの記述も2022.5現在） |
| その他周辺情報 | ●買う、食べる ・コース中では古座にコンビニがある。また飲食店も途中にいくつかある ・潮岬観光センターにはレストランや売店も併設されている ●日帰り温泉 ・串本町内の宿泊施設にはたいてい日帰り温泉サービスもある。眺望や価格などは調べやすい ・周辺でもすさみ町にも複数、さらに白浜まで行けば言わずと知れた有名温泉地 （2022.5現在） |
写真
拍手【串本町東雨付近より】
【串本の街中にて】
【紀伊田原駅にて】
【紀伊田原駅にて】
【紀伊田原駅〜古座駅】
【紀伊田原駅〜古座駅】
【紀伊田原駅〜古座駅】
ちょうど電車が来ました。乗ってきたのが1番電車、これが2番目です。線路は曲線半径200mといった標記もあります。名だたる急曲線区間です【紀伊田原駅〜古座駅】
【紀伊田原駅〜古座駅】
【紀伊田原駅〜古座駅】
【紀伊田原駅〜古座駅】
【紀伊田原駅〜古座駅】
【紀伊田原駅〜古座駅】
【紀伊田原駅〜古座駅】
進んですぐに右折。古座の街中へ。上に道路標識があり、車は前方50mを右折しますが、古道はまさにここを右折します【紀伊田原駅〜古座駅】
【紀伊田原駅〜古座駅】
【紀伊田原駅〜古座駅】
【紀伊田原駅〜古座駅】
【紀伊田原駅〜古座駅】
【紀伊田原駅〜古座駅】
【紀伊田原駅〜古座駅】
【紀伊田原駅〜古座駅】
【古座駅にて】
【古座駅〜姫駅】
【古座駅〜姫駅】
【古座駅〜姫駅】
【古座駅〜姫駅】
【古座駅〜姫駅】
【古座駅〜姫駅】
【姫駅にて】
【姫駅〜鬮野川】
【姫駅〜鬮野川】
【姫駅〜鬮野川】
【姫駅〜鬮野川】
【姫駅〜鬮野川】
【姫駅〜鬮野川】
【姫駅〜鬮野川】
【姫駅〜鬮野川】
【姫駅〜鬮野川】
【姫駅〜鬮野川】
【鬮野川にて】
【鬮野川〜串本中心部で古道から分かれ】
【鬮野川〜串本中心部で古道から分かれ】
【鬮野川〜串本中心部で古道から分かれ】
【鬮野川〜串本中心部で古道から分かれ】
【串本中心部で古道から分かれ〜潮御岬神社】
【串本中心部で古道から分かれ〜潮御岬神社】
【串本中心部で古道から分かれ〜潮御岬神社】
【串本中心部で古道から分かれ〜潮御岬神社】
【串本中心部で古道から分かれ〜潮御岬神社】
【串本中心部で古道から分かれ〜潮御岬神社】
【串本中心部で古道から分かれ〜潮御岬神社】
【串本中心部で古道から分かれ〜潮御岬神社】
【串本中心部で古道から分かれ〜潮御岬神社】
【串本中心部で古道から分かれ〜潮御岬神社】
同じく灯台の上より。北面。神社の海越しには西ノ峯山、峯ノ山が並びます。その左手は周参見の山々から長井坂にかけてです【潮御岬神社にて】
【潮御岬神社にて】
【潮御岬神社にて】
【潮御岬神社にて】
【潮岬にて】
【潮岬にて】
【潮岬にて】
【潮岬にて】
【潮岬にて】
【潮岬にて】
【潮岬にて】
【潮岬にて】
感想
串本泊を活かして、紀伊田原からの大辺路とそれを延ばして潮岬まで歩いた。日本最南端を歩くことで、いずれは日本列島横断のトレースもできるかもしれない。ただし、大辺路の今回区間は、他と比較しても歴史を感じにくい区間だ。コースの殆どは国道42号や同旧道となっている。途中に関連の深い旧跡もない。これではただの街角ウォークだ。それもあって潮岬を絡めて、楽しみを求めることとした。
朝早くの橋杭園地駐車場にクルマを駐め、串本駅からの始発電車で紀伊田原へ。祝日ではあるが、当方以外の乗客である高校生は、あながち少なくもない。
紀伊田原駅でひとり下車し、人の気配もしない駅前から歩き始める。前回はここで昼食を摂り折り返した。同じ道を歩き始め、街中の分岐点を今回は直進、古座を目指す。すぐに国道42号に出るが、しばらく進むと歩道のない道になってしまう。朝も早いからいいようなものの、クルマが来る都度引っ掛けられないかと心配しながら進む。
道の魅力はともかくも、横たわる熊野灘が美しい。ジオパークだけあって岩棚や岩礁などが荒ぶる海をますます絵にする。橋杭岩だけが奇岩景勝ではないようだ。
JR紀勢本線の線路が並行しており、海だけではなく、時折そちらも気になる。ふと見ると、ちょうど列車がやってくる。この区間の本数は数少ないが、毎回よく遭遇するものだ。
もう一つ気になるのが津波だ。南海・東南海の地震が発生すると、このエリアを含む和歌山県南部では地震後3分で津波が到来すると言われている。標高が10m以下のところを歩き続けるのだが、途中でグラッときたらどこへ逃げるのかと考えながら歩いていた。もっとも、田原から古座にかけては急峻な斜面が続き、容易に上方に逃げられるようなところばかりではない。
どうにか古座までやってきた。港を巻いて進み、異形で知られる九龍島を見ながら街中へと進む。
古座は港町らしい造りで、小路の両側に軒を連ねた家屋がぎっしりと並んでいる。少し広めの本通りに出ると古座神社がある。紀伊田原駅で見た道標の行き先地点だ。しかし残念ながら、古道に関する道標は最初の一つ以降は全く見られなかった。
川幅いっぱいに水を湛えた古座川を渡り、JR古座駅へ。ここでしばし休憩。古座駅舎には、観光協会だけではなく、モンベルの店舗も入っている。モンベルは驚くようなところに出店している。ここもその一つであろうか、カヌー遊びなどを売りにする古座、古座川だけに、こういったお店があることは相互に意味のあることなのであろう。
古座からも旧道伝いに姫を目指す。この間は旧道が概ね繋がっており。あまりクルマの心配をしながら歩くこともない。伊串の集落を過ぎてやがてJR姫駅へ。農村家屋が続いているが、至って閑かだ。
姫駅はマッチ箱のような小さな駅舎で、箱の中にはベンチが一つある限りだ。トイレも併設されていない。シンプルな駅が多いこの辺りでも、群を抜いてシンプルだ。そこにこれまた列車が到着。多くはないが乗客の姿も見える。駅ではひとりの乗車があったのみ。列車を見送り、こちらはしばし休憩。
姫からは、鬮野川に向けて分水嶺を越える。大げさに分水嶺としたが、上り道を進み、標高30mにも満たない峠を越えただけのことだ。“峠”からは下り坂とも感じない程度の緩やかな下りを進み、やがて鬮野川の流れに顔を出す。きれいな小川に沿って下ると水田が現れる。ちょうど田植えのシーズンのようで作業をする人をあちらこちらに見かける。田んぼの先には小山があり、その上にはビルが見える。サンゴ台が見えている。串本町が津波対策として造成しつつある高台の街だ。役場をはじめとした機能移転も進んでいるようだ。
穏やかな道取りの中、突如工事用道路が現れ合流してくる。今来た道とはサイズが一回り違う。まるで大人と子供だ。すぐに分離していきこちらと並行しているようだが、この穏やかな田園帯には似つかわしくない。自動車道の工事用道路のようで、その様子からは工事期間だけの設置なのであろう。いずれは田園光景に復するのであってほしい。
再びの工事用道路との交差も抜け、最後はJR紀勢本線の線路をくぐって国道42号へ。袋港だ。海越しには、これから向かう潮岬も見えている。
暫くは国道を串本方面へと歩く。日差しを浴びて海は一層青々としている。
串本の街中への入口で、ルートは国道から左へと逸れていく。その次の二股分岐では、ルートは左へと進み串本駅へと向かう。こちらは潮岬を目指すので分岐を右に取り、さらに右折して国道の「潮岬西入口」交差点へ。交差点を越えて串本古座高校を過ぎるといよいよ岬の核心部へと入っていく。
潮岬と串本市街地は、ちょうど函館山と函館市街のような関係性で、標高10mにも満たない串本市街地が標高80mをも越える潮岬と紀伊半島本体とを繋いでいるようなかっこうだ。
岬の付け根にある高校の裏手からは、標高80mを越える塔石集落への細道がある。現地でもその入口を発見できた。まずはそれを上る。コンクリート舗装された急な導入部を過ぎると草地になり、踏み跡も怪しげなものになる。それでも軽四くらいは走ろうかという道幅は保たれ、ジグザグも切りつつ上部の集落に出た。
そこからはか細い路地を進む。道は細いが殆ど邸宅が切れない。脇道もなければ公園もない。ある区分にはいいのだが、休むにも気を遣う。仕方がないので、道ばたに腰を下ろして休憩する。潮岬は全般に標高の高い台地となっており、それがゆえにここに定住する人が増えているのかもしれない。津波対策という意味では妥当ということであろうか。
串本コミュニティバスのバス停がしばしば現れ、場所を教えてくれる。道なりに進むと潮岬郵便局がある。「本州最南端の郵便局」との触れ込みだ。その先でうっそうとした木立が現れる。道もその中へと入っていく。灯籠があることから、ここはすでに神社の参道なのであろう。見慣れた杉木立とは違う南洋的な面持ちだ。
抜けると灯台や神社に至る駐車場。参道というか遊歩道を進み、まずは灯台へ。ここは上れる灯台でもあるので上からの展望を楽しむ。南に立つと、遮るものなく水平線が広がる。太平洋に突き出た南端だけのことはある。
陸側を見ると、間近な神社や観光タワーだけではなく、紀伊半島南部の山々も一望できる。これらが海の青と緑を伴い、絶妙なコントラストをなしている。
神社にお詣りをし、鯨山見を訪れ、そして観光タワーに向かう。途中、遊歩道で歩いて行ける最南端を目指す。まずは旭之森展望所へ。通常行ける最南端だ。地続きの最南端であるクレ崎には釣り人の姿も見える。
遊歩道を進むと、クレ崎方面への下降路は、通行止めになっている。残念ながら、今回は諦めだ。戻って観光タワーへと向かう。
観光タワーにも上ってみた。灯台からと同様、360°の眺望が得られる。こちらからだと灯台も見える。当然ではあるが。
南紀熊野ジオパークセンターにも立ち寄り。地質の特徴や文化との関わりを学ぶことができた。南紀熊野ジオパークはユネスコの世界ジオパーク登録を目指しているとのこと。この美しい自然が世界に認知されることを願うばかりだ。
コミュニティバスで串本駅へと戻り、さらに駐車場まで歩く。帰りには無量寺にも立ち寄る。長沢芦雪の竜虎のふすま絵で知られている。ここも江戸期日本画の傑作を有する最南端かもしれない。
最南端巡りの旅は彩り多いものとなった。右足が靴になじまずあちこち痛くなったことだけが残念。まだ見残しがあるので、いずれまた訪れたいと思った。
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