霊仙山―ヒルの森を抜けヤマシャクヤク咲くカレンフェルトの天上楽園へ


- GPS
- 07:30
- 距離
- 18.7km
- 登り
- 1,145m
- 下り
- 1,148m
コースタイム
- 山行
- 6:25
- 休憩
- 1:05
- 合計
- 7:30
天候 | 曇のち晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2022年05月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 タクシー
|
コース状況/ 危険箇所等 |
※米原駅前泊 往路: 米原07:07(JR東海道線¥200) 醒ヶ井07:12 醒ヶ井駅07:15(🚖近江タクシー¥1580) 醒ヶ井養鱒場南入口07:30 復路: 醒ヶ井養鱒場15:15(🚖近江タクシー¥1490) 醒ヶ井駅15:30 醒ヶ井16:03(JR東海道線¥200) 米原16:09/16:33(東海道新幹線こだま740号) 新横浜19:29/19:32 八王子20:19 |
写真
感想
霊仙山にヤマシャクヤクを見に行きたいと思い始めてから早10年は過ぎただろうか。
やっと実現に漕ぎつけたが、昨日は予報だと午後から止むはずだった雨が夜遅くまで続いていた。
今日は今回の一番の目的であるヤマシャクヤクを見に行く日なので晴れてほしい。
朝、米原駅前のホテルで目覚めると窓からは陽が射し込んでいる。
これはもっと早く出発しても良かったかなと思いつつ窓の外を見ると東側の山々にはまだ雲が垂れ込めていた。
やはり山の天気の回復というのは遅れがちなのである。
醒ヶ井駅に7:12に到着すると7:30に予約していたタクシーがもう待っていてくれる。
醒ヶ井駅から醒ヶ井養鱒場へのバスは廃止になってしまったが、代わりに米原市が補助金を出している「まいちゃん号」という予約制のタクシーがある。
これは決められたポイント間を1人800円で移動できるので、これを利用しようかと思っていたのだが、受付となる近江タクシーに尋ねると、醒ヶ井駅〜養鱒場間は普通のタクシーで1500円ほどとのこと。
今回は2人で乗車するので「まいちゃん号」だと1600円になってしまうので普通のタクシーとして予約した。
普通のタクシーなので「まいちゃん号」のポイントである醒ヶ井養鱒場より少し先の南入口まで入っていただけるとのことで、それでも料金は1580円だった。
本当は榑ヶ畑登山口まで入ってもらおうと思ったのだが、道が悪いのでここまでと決められているとのことだった。
醒ヶ井養鱒場から榑ヶ畑登山口まではコースタイム1時間ほどの林道歩き。
昨日の雨で周囲の緑もしっとりと濡れていて美しいが、気になるのは濡れた林道。
というのもこの霊仙山はヤマビルが出るらしいのだ。
ヒルといえば丹沢、南アルプス深南部そして南房総という認識で、この霊仙山を北端とする鈴鹿山脈はノーマークだった。
直前にヒルが出ると知り、行くのをどうしようかと思ってしまったくらいである。
20年程前大学のゼミで南房総の清澄山へ行った時は、ヒルが上からも降ってくるし林道を歩いていても周囲から湧き出て這い上がってきた。
なのでここの林道でもヒルが出てこないか心配だったのだが大丈夫だった。
榑ヶ畑登山口からいよいよ山道が始まる。
沢沿いの道なのでいよいよヒルが心配だったが、山小屋かなやで沢を逸れ10分ほどであっという間に汗フキ峠に到着。
汗フキ峠という名称なので途中もっと急勾配なのかと思っていたが、林道でかなり標高も稼いでいたようだ。
この汗フキ峠付近が霊仙山の中でもヒルの出るポイントらしいので靴をチェックすると果たしてヒルが2匹へばりついていた。
その後も靴を時々チェックしながら新緑の道を進む。
ヒルさえ気にしなければとても気持ちの良い道だが、ところどころ急斜面が昨日の雨でぬかるんでいて滑りやすい。
見晴台のところで再度チェックするとかなり太めのヒルが這い上がってきていた。
これはちょっと気持ち悪かった。
この先石灰岩がむき出しとなってきた急傾斜地を登ると比較的乾燥した道に変わってきたのでもうヒルの心配はないだろう。
お猿岩のところまで来ると一気に石灰岩が羊の群れのように散らばるカレンフェルトの台地が広がる。
標高1000m程度とは思えない光景で、地質要因によりかなり森林限界が下がっているのだ。
途中池に向かって鳥居があったが、御神体は池なのだろう。
その池からはカエルの声が聞こえてくる。
霊仙山に生息するというタゴガエルだろうか。
この辺りでそろそろ目当てのヤマシャクヤクの群生地があるはずだ。
地図で大体の場所の目安は付けていたのだが、タイミングよくヤマシャクヤクの場所を知っている人に道を尋ねている人がいたので、簡単に群生地に行きつくことができた。
山中で一輪か二輪でも見られればいいと思っていただけに、この群生地には驚いた。
早く咲いていた株は終わってしまっていたが、まだこれから咲く株もあり、これだけの群生だと花期の短いヤマシャクヤクでもそれなりに長い期間楽しめるようだ。
花弁が薄桃色に縁取られたものも見られ、ヒルにひるまずここまで来てよかったなあと思った。
最高地点よりも三角点のあるところが「霊仙山山頂」なのは、そこの方が琵琶湖に近く里からも見える場所なので崇められていたためだろうか。
南霊仙付近にもヤマシャクヤクの群生地があると調べてきていたので行ってみたが、その群生地の花は全て終わっていた。
帰りも醒ヶ井養鱒場にタクシーを予約していて、予約しているのに遅れてくる人がいて困っていると聞いていたので、南霊仙から近江展望台まで行き、時間が読みやすいのでそこから来た道を引き返すことにした。
それに近江展望台から落合まで下りて汗フキ峠まで登り返すより、この稜線をもう一度歩いたほうが気分も良いだろう。
最高地点まで引き返すと、行きは雲の中だった対面の伊吹山が姿を現わしていた。
行きは見えなかった風景が見えることもあるのでピストンでもつまらないことばかりでもない。
今日はそこそこの人数が登っているが、本来登山者数が少ない山なのだろうか、登山道を示すロープなどがないので、登山者は思い思いの場所を歩いている。
登山者数が少ない場合はいいだろうが、全体的に踏み荒れてしまわないか心配だ。
中にはマウンテンバイクで走っている人もいたが、さすがにそれは常識外れだろう。
帰りはタクシーの予約もあるし、ヒルに取りつかれるのも嫌だったので早足で下っていく。
でもこうやって麓にヒルがいるからこそ過剰な登山者数が抑えられ、山頂部のあの自然が守られているのかもしれない。
この山域にはヒルの森に守られるようにして、あんなヤマシャクヤクが人知れず咲いている場所がたくさんあるんだろうなと夢想した。
コメント
この記録に関連する登山ルート
この場所を通る登山ルートは、まだ登録されていません。
ルートを登録する
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する