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Yamareco

記録ID: 432123
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積雪期ピークハント/縦走
増毛・樺戸

西暑寒別岳

2014年04月18日(金) 〜 2014年04月19日(土)
 - 拍手
GPS
10:05
距離
14.0km
登り
1,258m
下り
1,257m

コースタイム

6:00暑寒荘-9:20/989m標高点-10:50/1221m標高点-12:30西暑寒別岳-15:10暑寒別岳頂陵-16:05暑寒荘
天候 風冷たくも弱く時に無風、快晴
過去天気図(気象庁) 2014年04月の天気図
アクセス
利用交通機関:
自家用車
コース状況/
危険箇所等
前夜の低温で、北向きの斜面は堅く締まり、南向きの斜面は融解が進んで重く沈む。
暑寒荘への道路開通直後を選んだので残雪は多く、ポンショカンベツ川を渡るスノーブリッジは選り取りみどり。

感想

4月19日(土)増毛山塊の暑寒別岳、の隣の西暑寒別岳(1413m)に登りました。暑寒別岳は、暑寒荘から尾根を辿るとその尾根に隠れてなかなか姿を現しませんが、大きな雪庇と白い急斜面で代わりに目を楽しませてくれるのが西暑寒別岳です。
金曜日のうちに登山口である暑寒荘まで前進。日の出とともに出発の計画でしたが、寒さに怯んで1時間遅れの6時に。

山荘の側を流れるポンショカンベツ川が少し上流で二股に分かれています。厚く広いスノーブリッジを選んで渡りました。この二股に挟まれた尾根が、この日の西暑寒別岳へ登るルートです。急な登りをこなしては展望の良い稜線歩きを楽しむ。これを繰り返すごとに登りが斜度を増してゆきます。ところで、西隣には、また別の尾根が魅力的に続いています。途中の高み1189mは中ノ沢岳と呼ばれているそうです。いつか、この尾根も歩いてみたいと思いました。
少し驚かされたのは標高800余りの稜線。地形図ではそこそこの細尾根ですが、たくさんの雪が溜まり丘のように緩やかな形。登り上がる前、東側に雪庇の崩壊跡が見えていたのでそちらには近づかず、樹木を見て尾根を想像し進みます。崩壊が迫ると尾根との間に裂け目が隠れていることもあり注意が必要です。

この日の朝、登山口付近は氷点下4度、山頂は氷点下10度以下であったろうと想像できます。前日までの好天で融解が進んだザラメ雪は堅く締まっています。斜度が増しエッジを立てるとシールが効かずスリップします。標高点1221mや西暑寒別岳への登りなどでは滑落の危険を感じ、スキーを背負ってアイゼンに履き替えピッケルを手に登りました。

西暑寒別岳山頂は、北東側が切れ落ちているものの西側から続く広い雪原の一部に在って、落ち着いて眺めを楽しむことができます。奥徳富岳、群別岳、浜益岳、浜益御殿、雄冬山。私にはまだ未踏の山々が並びます。

最大の難所は、本峰との吊り尾根に立ちはだかる岩稜。正面は高さ数十メートルの垂直に近い岩壁。両側を40度近い斜面が挟んでいます。南側は岩壁が100m続き直下の急斜面を長く回り込むことになります。雪面が陽を浴びて重く変質し、緩んでいないか警戒しました。北側は雪の斜面が稜線まで続き登り上がることができそうです。日陰になって雪が堅く締まりアイゼンが効きそうです。北側から少し回り込み早々に稜線へ上がることを目指しました。

一度、登路選択を誤りました。岩壁に沿って上を目指したところ、ダケカンバが覆い被さり、越えようとするとのけ反ってしまいます。少しだけ登路を変えてみましたが雪が軟らかくピッケルの効きが弱い。数メートル後戻りし、急斜面を慎重に横切りながらダケカンバの切れ目を探して岩稜の1/3辺りに登り上がることができました。おそるおそる覗き込むと南側はスッパリ切れ落ちています。馬に跨がるような細い尾根をゆっくり進み、大きな岩を回ると本峰へ緩やかな尾根が延びていました。雪の量と質、快晴と無風、様々な条件に恵まれたと感じました。
西暑寒別岳には登り、岩稜も突破。本峰の山頂は目の前でしたが、3度も訪れていますし、下山予定を過ぎるのは確実でしたので、下山を優先することにしました。暑寒別岳は広く長い緩やかな頂上を持つ山です。北側の大斜面はお楽しみどころですが、私には難所です。日の当る時間が短い北斜面は、快晴のこの日でも朝の低温が響き、エッジを跳ね返す堅雪とガリガリのザラメ雪。横滑りで高度を下げ、幾分、斜度の緩んだところから滑りを楽しみました。大斜面を下り切ると途端に雪が緩み始めスキー操作が重くなります。雪面の凹凸がなくなり、少し速度を出して大きなターンを刻みながら気持ちよく滑ります。滑りは休み休み、隣の尾根に今日の登路を振り返りながら下りました。

登り9時間、下り1時間、実に10時間の山旅でした。

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コメント

おつかれさまでした
tomraushiさんこんにちは。
下山中に暑寒荘の近くでお会いした者です。
僕が暑寒別岳に着いた時に西暑寒から歩いてくる人が見えて、
あのキレキレの尾根もかなり楽しそうだ、今度絶対に来ようと思いました。
その時はルートを参考にさせていただこうと思います。

下り1時間、驚きの速さですね。
シュパッと視界から消えていくtomrawshiさんを見て「小屋まで牽引してくれぇ(泣)」と思いました。

またどこかで!
2014/4/21 20:11
参考にさせて頂きます
tomrawshiさんこんにちは、以前より興味の有るルートでした参考にさせて頂きます。
2014/4/22 20:47
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