2014 第3回 UTMF ウルトラトレイルマウントフジ 43時間で完走!
- GPS
- 43:37
- 距離
- 171km
- 登り
- 8,620m
- 下り
- 8,618m
コースタイム
17:48 A1富士吉田
21:34 A2二十曲峠
22:40 A3山中湖きらら 23:00
2:15 A4すばしり 2:42
4:52 A5富士産御殿場口太郎坊 5:06
6:03 A6水ヶ塚公園 6:10
7:56 A7富士山こどもの国 8:15
10:18 W1粟倉
12:10 A8西富士中学校 14:23
20:34 A9麓 21:00
1:07 A10本栖湖 1:39
7:06 A11鳴沢
10:38 ゴール!!
天候 | スタート直後はにわか雨が降りましたが、その後はゴールまで晴天に恵まれました |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2014年04月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
ミスコースはありませんでした。 全体的に危険箇所は少ないですが、天子の熊森と雪見の急な下り、本栖湖裏のトレイルのヤセ尾根は少し危険です。 |
写真
感想
■前置き
いよいよやってきましたUTMF。3回目にして今までで最長距離&最大の累積標高、というのはまだいいとして、前半の関門の厳しさは完全に想定外。前半を抑えて走る自分は、この制限時間に完全にビビらされておりました。
事前の準備は、仕事やプライベートが忙しく十分な時間を割けていないが、まぁ天気も良さそうだし、必携装備と大量のジェルを持っておけばいいかという感じ。
■良かった点
装備品に懲りすぎず、シンプルにできた。
おそれていた股ずれが起こらなかった。ワセリンを2回塗りなおしたのが正解か。
ゴールはほぼ想定通りのポーズが取れた。
■悪かった点
50kmぐらいで右足の膝蓋靭帯炎(膝の前側下辺り)を発症。冬で体がなまってたか、関門を恐れて走り方が安定しなかったかだと思う。
眠気に勝てず、居眠り歩行をしまくった。何かしらの対策が必要。
最後のほうは全てがめんどくさくなり、マメの処置や、ジェルやタブレットの補給を怠った。
■行動の記録
・スタート〜A1
仲間2人を拾い、牛丼を食って会場へ。みな緊張でおかしくなっているが、レース時間が近づくに連れ精神が安定してくる。
スタート後は周りにガンガン抜かれるが、A1で調子を見ればいいと比較的ゆったり走る。周りの人もみな関門を気にしているようで、「このペースじゃギリギリっすよ」とか、「年寄りにはつらいわい」など、文句が多い感じ。桜や河口湖を見て気分を安定させ、リラックスしようと努める。
A1は2時間50分ほどで到着。まぁまぁ予定通りなのでこの調子で進むことにするが、実は1000位ぐらいとほぼ最後尾だった。サポーターに元気をもらい、普通に出発。
・A1〜A2
杓子山への長い登りは周りに合わせて淡々と登る。ガマンガマン。
下りに差し掛かると、ありえないぐらいの渋滞にはまる。2つ前にトレッキングの人がいると思ったらhidaouで、しゃべったり装備を整えたりしながら一緒に渋滞を乗り切る。
渋滞解消後は気持ちいい下りだったので、うっぷんを晴らすべくちょっと飛ばす。
二十曲峠には6時間半ほどで到着。渋滞にはまってこの時間なので、けっこう余裕あったんだなと感じる。まずは第1関門突破でほっと一息つき、チョチョイと補給してすぐに出発。
・A2〜A3
特筆すべきことがあまりない区間。hidaouを抜いたり抜かれたりした。
石割神社のところでかの有名な大内さんと出会い、すごいっすね、有名人っすね、などとちょっかいを出す。
7時間40分ほどで山中湖きららに到着。サポーターのみなさんと会い、ちょっと長めの休憩を取り元気をもらう。去年のSTYでは半分クリアの距離だが、UTMFにとってはまだまだ序盤。気を引き締めて山の連続する区間へ向かう。
・A3〜A4
去年のSTYの感じだと、急な勾配はそれほど無かった記憶があるので、まったりと進む。下りは気持ちいいのでちょっと飛ばし気味に走ると、わずかだが右膝に痛みが。「こんな序盤で・・・。直らないかなぁ」と願いながら無視して軽快に走る。テーピングなどの処置をすべきだったと後で後悔。
すばしりには11時間15分ほどで到着。3時間チョイなので、去年のSTYとほぼ同タイム。もっと抑えればよかった。サポーターが作成してくれたダンボールの応援ボードに驚かされる。右足の不調や渋滞をグチり、hidaouと一緒に休憩。サポーターの手厚い歓迎に感謝です。でも、次の区間は登りメインなので、ゆっくり行きます。
・A4〜A5
去年ロードだった区間はトレイルに変わっているが、戦車とかが通れるような走りやすいトレイルで一安心。全体的に安定した路面で、登りではあるがまったりできる区間。しかし後ろの方では、「オェー」というデカイ声が響いている。まだ序盤なのに可哀想だなと思っていたら、太郎坊が近づくにつれて自分もなんか気分が悪くなってくる。深夜から早朝にかけて内臓が弱るらしい。確か胃腸薬を飲んだと思う。
太郎坊には14時間ほどで到着。出発するころには空も白み始め、ちょっと元気が出てくる。ここからはロードだし、あんまり辛くないだろうとhidaouを追って気負わず出発。
・A5〜A6
最初はちょっと下るが、その後は長い登り基調のロード。下りでhidaouに追いつきそうになったが、登りになると一瞬で姿が見えなくなった。うーん、絶好調だね。自分はあまりテンション上がらず、登りのロードを淡々と歩く。
15時間ほどで水か塚に到着。キレイな富士山を眺めながらすそのギョーザを頂き、イソイソと出発。ここからは下りメインとなるため、膝の痛みが怖い。おそるおそる進むことにします。
・A6〜A7
ロード、トレイルを経由し、イェティのゲレンデを下るところで、右膝がけっこう痛み出し、ぜんぜん走れない。こりゃイカンと思い、こどものくにまでとっておく予定だったロキソニンを投入。しかしすぐには効かず、右膝をかばいながら変な走り方で下る。
こどものくにが近づくと、なんか空気がモヤモヤしている。天気いいから水蒸気かなと思っていると、繁殖期を迎えたスギの大群がお出迎え!クシャミがとまらず、鼻炎薬を投入。こちらは一瞬で効果が現れ、すごぶる快適になる。
17時間ほどでこどものくにに到着。かなり暖かく、今日もいい天気の予感。サポーターと情報交換などしながらちょっと長めの休憩をし、出発。ここからは長い下りなので、かなりビビってます。
・A7〜W1
下りの林道なので、歩くわけにも行かず、しぶしぶ走り出すと、あれ?なんか疲れも取れてるし、膝も痛くない!ロキソニン効果か、ベスパ効果か、勾配がちょうどいいのかはわからないが、とにかく「復活!」といった感じでテンションがアップ。下りと平地は走り、登りは歩くといった感じで、けっこう気持ちよく進む。
しかし、薬を飲んだせいか、登りではムショーに眠い。幻覚を見たり、居眠り運転で横に落ちそうになったりしたので、危ないと感じて道端で休憩。2分ほど寝るとスッキリし、また快調に進めた。
粟倉には19時間ほどで到着。順位は150位もアップしていたが、快調なペースで2時間きているので、そこそこの疲労。ちょっと休んでから出発。
・W1〜A8
送電線の区間は辛いと聞いていたが、膝痛みの再発やもともとの疲れもありペースが上がらないので、そこまで辛いと感じなかった。西富士中での家族の出迎えを励みに、登りも下りもゆっくりペースで進む。普通の日に走りに来たら気持ち良さそうな場所です。
21時間ほどで、西富士中に到着。家族の出迎えでテンションアップ!膝が不調のため、ここでリタイアするか進むか判断しようと思っていたのだけど、リタイアなんか考える余地もありませんでした。
サポートスペースに進むと、URは昼寝中、hidaouは彼女と取り込み中。自分は息子と戯れながら着替えとエネルギー補給を済ませ、お昼寝タイムへ。寝れるかなーと思いながら横になると、次の瞬間にはサポーターに起こされていた。
トータル2時間ほど休憩し、また元気になれた。サポーターみんなに感謝し、リッカさんチェックを受け、完走を誓って出発。
・A8〜A9
さて、大ボスの天子です。長ーい登りから始まるので、ゆっくり進むと、STYの選手がガンガン抜いていくので、けっこう後ろに気を使う。でも、西富士中での休憩のおかげで、そんなに悪いペースではなかったと思う。ここで会社の同僚からTELがあり、麓エイドで待つかもとのこと。とてもありがたいが、かなり待たせてしまいそうなので無理しなくていいよと告げて電話を切る。
後半の2つの山(熊森、雪見)の登りと下りは、急勾配でかなりハイレベル。特に下りは前腿へのダメージでかいです。後半でこんなマゾヒスティックな山を持ってくるとは、鏑木さんはかなりのサディスティックだと思う。
麓には29時間半ほどで到着したが、着いたときにはかなりの疲労感と膝痛状態。足を引きずってエイドに入ると、サポーターに「横山さんみたい」と褒められる。いないだろうと思っていた会社の同僚が寒い中待ってくれていて、びっくり&感激。来年はサポートで返します。サポーターに天子のグチを吐きながら、腹ペコなのでたくさん補給。やっぱりオニギリはうまい。
ここから先はもうデカい山場は無い(と勘違いしていた)ので、タイムとか気にせずにとりあえず進もうと思ったが、何気に関門時間もそんなに余裕無いので、やっぱり走れるところは走らなきゃいけなそう。
・A9〜A10
竜ヶ岳までは、ゆるい登り基調の林道で、とてもキツい。周りのSTYの選手は快調に走っているが、UTMF組は走ったり歩いたりを延々と繰り返す。右膝をかばっていたせいか、左のカカトがすごく痛い。たまに現れるガレ場ではおじいちゃん状態でビクビク歩行。竜ヶ岳にとりついても、テッペンまでがまた遠い。最初に峠に出て、山頂と間違えてテンションダウン。ちょっと進むと竜ヶ岳に登る長いライトの列を見せ付けられ、さらにテンションダウン。もうどうにでもなれと歩きとおして進む。当たり前だけど、山頂に着いたあとは恐怖の下りが待っている。ここでは右膝の痛みは激痛に変わっており、右膝をかばいながら左カカトの痛みをこらえて進む。UTMFは天子までが勝負だと思っていたが、本当の山場は天子以降だと悟る。
本栖湖の湖畔に出てロードを走ると、急に猛烈な眠気に襲われる。フラフラしながらエイドまでがんばろうと進み、ボロボロの状態で、34時間で本栖湖に到着。ここは狭いエイドで、中は大混雑。寒いので外にも出られず、混雑の中あいている椅子を見つけ、13分の仮眠を取る。あまり体は復活していないが、とにかく進まないといけないので、気力をふりしぼってエイドを後にする。
・A10〜A11
本栖湖の裏の山は、そんなに標高は無いはずなのに、予想以上にツラい。ここでも強烈な眠気と戦いながら、ずーっとゆっくり歩きで進む。途中には細い道もたくさんあり、居眠り運転はかなり危ない感じ。山を何個も越え、なんでこの山を追加したんだと鏑木さんへの呪いの言葉を唱えながら、ノロノロと進むと、本栖湖へ下っているところで空が白み始める。これで眠気も覚めるかと思ったら、ぜんぜん覚めない。テレビカメラに突撃取材されるも、半分寝ていたので「とにかく眠いっす」としか答えられなかった。
山を降りても、長ーい直線の登り基調のロードで、肉体的には優しいはずなのに、精神的には拷問状態。最初のうちは走っていた人たちも、みんな歩いている。ここはそこそこ安全なので、もう眠りながら進むことにするが、後で考えるとやっぱり危ないので、やめたほうがいいでしょう。進んでも進んでも全くエイドに着かないので、寝ながら進んでいるうちに道を間違えたのかな、とか、周りに歩いている人は何か違うイベントの人なのかな、とか、いま思うとあり得ないことを考えていた。
しかし、こんな極限状態でも人間の生理的な現象はしっかり行われているもので、大の方がガマンできなくなったころに鳴沢に到着。便所に駆け込むも5人ほど並んでおり、モジモジしながら家族やサポーターと連絡を取ったり、カッパを脱いだりしてゴールに備える。
・A11〜ゴール
ゴールまでもう少し。しかし右膝と左カカトの痛みに加えて足の裏にたくさんのマメができており、歩くたびに足の裏全体が熱く痛む。関門には余裕があるため、もう走る気力はゼロ。痛みを抑えるため変な格好で歩いていると、同じような歩き方をしている人と意気投合し、周りの人をパスさせる同盟みたいなものを組んで一緒に進む。
三湖台はけっこうすぐ通過できるが、五湖台までがすごく遠く感じる。五湖台を過ぎても、ロードまでがまた遠い。天気もよく景色も最高なので、足が残っていればウイニングランみたいな感じで楽しく走れると思うが、自分にとっては単なる拷問の区間でした。
やっとのことでロードに出ると、家族も待たせているのでがんばらなきゃと思い、最後の力でなんとか走る。
八木崎公園が近づくと、人も多くなり歓迎ムードが高まる。サポーターからチームのフラッグを受け取り、旗を振りながら沿道の人々とハイタッチを交わし、ゴールへ。直前で家族と合流して息子を抱きかかえ、周りの人々にアピールしながら、ついにゴール!!ゴール後もカメラに映してもらい、最後に鏑木さんと記念撮影。ゴールには仲間が集合しており、もうみんなに感謝。今回はサポートにお世話になりっぱなしでした。みんなの力が無ければ、自分は完走してないと思います。
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