【秩父】川浦谷シアン沢&安谷川本流通らず遡行
- GPS
- 09:50
- 距離
- 14.4km
- 登り
- 2,362m
- 下り
- 2,368m
コースタイム
天候 | 曇りのち晴れ |
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過去天気図(気象庁) | 2022年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
・七つ瀑ゴルジュは増水により遡行不能 ・シアン沢は増水で丁度良い。 ・川浦谷林道は、辿るのが困難なほど荒れ果てている。思案谷橋〜シアン沢・沢又沢中間尾根間は、桟橋が落ちているが虎ロープが多く残置されているため、道を見失うことはない。中間尾根〜沢又沢間は、荒れ果てている上にロープ等もないため辿れなかった。 ・川浦谷上流部から下山するなら、川浦谷林道はシアン沢右岸尾根までの利用とし、シアン沢右岸尾根を下るのが良さそうである。 |
その他周辺情報 | ・安谷川流域の地名は下記ページに詳しい http://somamejiji.web.fc2.com/a-M.anyagawa.htm ・川浦谷林道については下記ページが詳しい http://medi-terra.net/yama/haikei/kawauradani.html ・シアン沢をちゃんと遡行した記録は少なくともWEB上には見当たらないし、市販されている本にも載っていない。 ・前回、安谷川〜烏帽子谷遡行時の記録: https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-2434060.html |
写真
装備
備考 | ・七つ瀑ゴルジュ遡行予定だったためラバーソールだったが、シアン沢はフェルトソールのほうが良さそう。 ・ロープは30m1本でOK |
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感想
この週は登攀力のあるメンバーが集まっていたので、西上州の難渓東福寺川の次は、秩父の難渓川浦谷へ。
○アプローチと本谷敗退
秩父林道を進んでいくと、前情報通り施錠チェーンがあり、車は入れない。転回用の駐車禁止スペースに駐車している釣師もいて非常識。我々は手前の駐車禁止ではないスペースに駐車。
林道は普通によく整備されており、封鎖されているのは非常に残念。数年前までは通れたらしいのだが。大汗をかきながら秩父橋に到着し、準備を整えて入渓。ゴロジュを進んでいくとシアン沢が合流し、そこからは小滝も出てくる。7m滝はつるつるで登りそうにないので手前から巻くが、やや悪いものの踏み跡は濃い。その後はまたゴーロ主体の退屈な渓相を進んでいくと、急に側壁が発達して七つ瀑ゴルジュ。
F1は何でもない滝で、適当に登るとF2が眼前に。絶望。登れるはずの右凹部にもかなりの水が落ちていて、水圧で登れそうにもない。記念受験ということでmt-maruとtamoshimaは右凹部へ行ってみたが、痛いほどの水圧。瀑風で寒くなってくるのでさっさと引き返す。
帰ってから分かったことだが、浦山の10日間雨量が平年比2倍以上だった。関東の平地は降ってなかったので油断していたが、やはり雨量の確認は重要である。
シアン沢出合まで戻ったところでシアン沢の地形を確認すると、それなりに遡行価値がありそうではないか。ということで、今日はシアン沢へ転進。
○シアン沢
最初はゴーロが続いて面白くないが、進んでいくと登れない10m滝が出てくる。これを巻いていくと本流と支流の双方に立派な滝がある景観が見え、期待していなかっただけに嬉しい。遠目には厳しそうに見えた本流の12m滝も近づいてみると登れそうで、kumassiyリード。見た目よりは難しい滝だったが難なく登る。怖さはそれほどなくて楽しく登れる滝。
すぐ先の7m滝はtamoshimaがフリーソロしてお助け紐を一応垂らしておいたが、そのお助け紐を引き上げるときにスタックして、懸垂下降でmt-maruが回収しに行く羽目になり、何だかなあという感じ。流木があって登りやすくなっているが流されたら難しくなりそうな滝だった。
滝上で平凡なゴーロとなり、左岸に小屋跡が見えて、径路が横切る。その後も続くゴーロを遡行していくと、今度は9m滝。これはmt-maruリード。この滝も流木のおかげで割と楽に登れるが、なかったら大変かもしれない。滝上は小滝が連続し、まずまず快適に登れて楽しいところ。
また平凡となった沢を登っていくと、最後の滝と思われる2条10m滝。これはtamoshimaリード。右から左上して正面を登ろうかと思ったが、トラバースが厳しく結局右水流を登った。岩がぬめり気味だがこれも楽しい滝。
滝上はゴーロが続くと思われたので、右岸を少し登って植林地を下っていく。すると超楽に思案谷橋まで戻れた。
○川浦谷林道
ここからは気持ちを切り替えて廃経路探索。最初はちゃんとした道だったが、周りが岩がちになってくると、平場が消えて残置ロープだらけに。一番悪い場所は30mほどの下巻きを余儀なくされたが、それでも諦めずに辿っていくと、シアン沢・沢又沢の中間尾根の植林地に出て一安心。順調に標高を下げていき、またトラバースして沢又沢へ向かっていく。しかし、また岩がちになってきたかと思うと、急に平場が消え、今度は残置ロープもない。しかも懸垂下降しないと下れないようなルンゼまで出てきて、引き返し決定。途中で径路を外したかとも思ったが、引き返したところその可能性は低そうだった。早い時代に放棄された部分なのだろう。中間尾根には植林地管理用なのか薄い径路もあり、適当に下っていくと秩父林道に戻れた。
○安谷川の通らず
暑い中秩父林道を下り、車に戻ったがまだ2時。暑いので本流へ水遊びしに行こうと提案するも、最初は難色を示される。が、1時間半で終わるはずと告げると、急に風向きは変わり、行くことに。林道から適当な斜面を下って一の通らずの入口から入渓。増水しているので多少は困難かと期待したが、そうでもなくあっさり通過できてしまったのはちょっとつまらない。が、渓相は相変わらず美しく癒される。
二の通らずも、今回程度の増水では難なく遡行できたが、相変わらず美しいし、滑り台状の2条滝はやっぱり滝滑りが楽しい。それに、これまで2回の遡行では登れないと思って巻いていた、大釜を持つ4m斜瀑を、右から登ることができた。3回も同じところに来ても新たな発見もあるものである。
最後、林道に戻るのが大変かもしれないと懸念していたが、選んだ場所が良かったのか、難なく林道まで登ることができた。ラッキー。あとは林道を歩いて車に戻るだけ。
今回宿題となってしまった七つ瀑ゴルジュ、また行かなくては。
【総評】
シアン沢は、これまで全く注目されていなかった沢だが、IV程度の登れる滝が多く、中級者にお薦めできる。ただ、林道のチェーンのせいでアプローチがやや長いのと、下山路が整っていないのが難点。でも烏帽子谷同様、マイナーながら一度は訪れてみても損はない沢だと思う。
安谷川本流はいつも水が綺麗で楽しい初心者向けの水遊び系の沢。初心者が泳ぐ沢に行ってみたいと思った時には非常にお薦めである。
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