新穂高−白出沢荷継沢(穂高岳山荘到達できず)


- GPS
- --:--
- 距離
- 8.6km
- 登り
- 1,231m
- 下り
- 17m
コースタイム
天候 | 曇り−霧雨−晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2014年06月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
写真
感想
今回は、現在の白出沢の状況を皆様にご報告するためにUPしました、
感想は全く個人的なことだけです。
3:30駐車場で目覚ましで起きるが霧小便のためテンション上がらず、雨ならやめるのにと雨を期待しつつ準備し、穂高小屋に向け駐車場を4:30に出発する。駐車場の車は自分の車1台だけ。
重太郎橋から雪渓に入る。一抱え以上ある岩が雪渓上に点在している。雪に沈まないのを不思議に感じる。
急斜面の鉱石沢から夏道に入ったところで風の音が大きくなるが、林の中の夏道は風も届かず、夏道に雪はない。
荷継沢を越えて白出沢に入り、あとは上り詰めるだけになったところで白出のコル方面からの霧雨と風を強く感じる。
ピッケルは濡れ、体が冷えてくる。雨合羽はゴアではないため着ると汗で中がびしょぬれになるので合羽を着ようか悩みながら白出のコル方面を見上げると、霞んで見通せない。その景色が、大映映画の氷壁で魚津恭太が霞む北鎌尾根に向かうシーンに重なる。
魚津は、映画では冬の北鎌尾根で雪崩の音を聞き、小説では夏の滝谷で落石の音を聞き、戻ろうかと後ろを向くと、恋いこがれた人妻の八代美那子の顔が浮かぶ。引き返すことは八代美那子のところへ戻ることだと考えた魚津は、徳沢小屋で待つ小坂かをるの元へ向かうため再び登り始める。その後、映画では雪崩で、小説では落石で、大腿部を骨折し、魚津は手記(遺書)を残し山中で死ぬ。
私はそこまで大げさではありませんが、秋に下ったことがありだいたいの状況はわかっていて、一歩一歩登れば日暮れまでにはコルに到着できるであろう白出沢なのに、他の登山者を見かけないことと、最近亡くなった方がおられたニュースもあり、霞んで見通せない白出沢に急に不安を感じ、振り返ると偶然にもそのとき一抱えほどはあろうかという岩が荷継沢から白出沢へ音もなく雪渓上を転がっていきました。知識としては知っていましたが、実際にそれほどの岩が全く音を発せず転がり落ちる様を見たら不安が恐怖へと変わり、登っているときは足下しか見ない私は撤退を決めました。
皮肉なことに、立ち止まる原因になった霧雨は、鉱石沢へ戻る頃には晴れになっていました。
この日は、駐車場を出発してから、引き返し新穂高ロープウェーへ戻るまで、ただの一人も出会いませんでした。
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