記録ID: 4724237
全員に公開
無雪期ピークハント/縦走
積丹・ニセコ・羊蹄山
ニセコアンヌプリ
2022年09月24日(土) 〜
2022年09月27日(火)
体力度
10
2〜3泊以上が適当
- GPS
- 34:41
- 距離
- 60.6km
- 登り
- 4,934m
- 下り
- 4,674m
コースタイム
1日目
- 山行
- 4:42
- 休憩
- 0:17
- 合計
- 4:59
2日目
- 山行
- 12:19
- 休憩
- 0:22
- 合計
- 12:41
5:03
93分
宿泊地
17:47
3日目
- 山行
- 9:18
- 休憩
- 2:51
- 合計
- 12:09
16:14
4日目
- 山行
- 3:03
- 休憩
- 1:21
- 合計
- 4:24
過去天気図(気象庁) | 2022年09月の天気図 |
---|---|
アクセス | |
コース状況/ 危険箇所等 |
9月下旬、そろそろ次の山に行こうと思ったが、本州はずっと雨だ。台風も来た。9月初めに十勝大雪を縦走して以来、天気予報アプリに北海道が登録してある。見ると北海道だけ晴れが続く予報だ。LCCの春秋航空を見たら飛行機の運賃も安い(成田から新千歳。荷物7+5=12kg込み合計8500円)。行くしかない。雨竜から暑寒別岳、増毛下山後に増毛山道をこっそり行くコースと、岩内からニセコ連峰を縦走して羊蹄山まで行くコースを思いついた。両方とも50キロぐらいのロングトレイルだ。岩内は小樽からバスがたくさんあり便利なので、そちらに行くことにした。当初は雷電温泉から登ろうと思ったがバスが少ない。(増毛山道は管理者が一般人の通行を禁止する不合理があるので良くない。私有地内でない限り、道は誰が開拓したかに限らず通行自由なはず) 【1日目。岩内ターミナルから雷電・目国内分岐まで】 ニセコ連峰は小屋やテント場がない。岩内岳のふもとにオートキャンプ場があるが、そこから次の五色温泉の野営場まで15-17時間かかり1日で行けない。野宿必須。結局、早朝の飛行機で新千歳に行き、そのまま岩内に行って歩き出し、岩内岳を越えたところで日が暮れたので、山頂の下の「雷電・目国内分岐」の道で泊まった。登山道以外で平たい場所が全くなかった。道幅50センチほど。こういう宿泊時はツェルトの真価が発揮される。フレームで建てるテントは1人用でも幅が75センチなので張れない。ペグで固定して幅を決めるツェルトは、自分の体の幅以上なら大丈夫だ。この区間の通行量はとても少なく、夜中の通行者はいないと判断して道に寝た。 今回のコースは途中に正式な水場がない。五色温泉だけだ。池や湿地帯の水か、登山道の流水をくんで浄水するしかない。北海道は浄水必須なので正式な水場と非公式な水場の違いはないが。本州の山でも浄水器持参で、非公式な場所での給水に抵抗がなくなったのは北海道の山を経験するメリットだ。この日は昼前から晴れた。本州はまだ台風だ。朝まで雨だったので流水や水たまりは豊富だった。岩内岳の登りは良い道。日本海などが絶景だった。 【2日目。雷電・目国内分岐から五色温泉まで】 この日も晴れた。ニセコ連峰はなだらかで、どこまでも景色が雄大だ。しかし地面はワイルドで、木の根や岩だらけの場所も多く、道に張り出している木々も多い。平坦な道は水たまりが多く泥だらけになる。速く歩けない。なだらかだから速く歩けそうだと思ったのは全く間違いで、延々とハードな歩行を強いられた。この地域のコースタイムは、昭文社地図とヤマップで大体同じだったが、そのタイムは、転びたくないので慎重に歩く私にとって速すぎた。空が白みだしたときに歩き出し、必死に歩き続けたが、五色温泉に着いたのは日没時だった。 途中、パンケ沼は流水が豊富だった。目国内岳の下りは雄大な景色。日曜日だったので、目国内岳から日帰り登山者とのすれ違いが急に増えた。30人ほどとすれ違った。新見峠の駐車場は路肩まで満車。昨夕誰もいなくて道に寝たのとすごい差だ。白樺山の登りも人が多いが、そこからまた無人。シャクナゲ分岐までは途中から岩ごろごろで全然進まない。景色は雄大。チセヌプリからパノラマラインへの下りは岩の急斜面があり要注意だが、慎重にいけばそれほど危険でない。時間はかかる。ニトヌプリの下りは良い道でやや速度が上がった。 五色温泉野営場の水はおいしい。着いたのが遅かったので日帰り温泉は断念。連泊登山に何度も行くと、風呂に入らなくても眠れるようになる。これは鍛錬の成果であり「汚い」と思うのは間違いだ。野営場は私のほかに1張だけ。 未明に起きるとツェルト内が結露していた。最低気温は15度ぐらいで暖かく、夕方との温度差が少ないのに結露とは。透湿力に期待していたのでがっかりした。私はこれまでアライテントの無透湿のツェルトを使っていたが、今回はオクトスの透湿防水ツェルトを中古で入手して使ってみた。だが、少しの温度下降で結露してしまった。無風だったからか?。風が強いとツェルト内がバタバタして空気が動き結露しない。オクトスのツェルトは少し古いやつで透湿性が5000gしかない。最新の8000gでないとダメなのか?。ツェルトの結露工学は神秘的で、似たような条件でも結露したりしなかったり。今回も滴るほどではなかった。結露したらタオルで拭けばいいだけだし、寝袋にタイベックシルバーをかぶれせればいいだけなので、実は結露を気にする必要などないのだが。これまで10回ぐらい結露を経験したが、寝袋が中まで濡れたことはない。顔にポタポタきて起こされたら拭けば良い。ツェルトは安いアライテントで良い。タイベックシルバーは防寒性もある。 【3日目。五色温泉からニセコアンヌプリ、ヒラフリゾート、羊蹄山避難小屋まで】 3時ごろから野営場に登山者たちが自家用車でどんどん来た。裏ニセコの奥の方に行く猛者たちに違いないと思ったが、意外なことに、ニセコアンヌプリにご来光を見に登るだけのショボい人々だった。アンヌプリ山頂までの道は、とてもよく整備されたなだらかな登り。昨日までのワイルドな道と全く違う。山頂には20人ぐらいいた。みんな往復登山だろう。私だけヒラフリゾートに下山したが、この下山道は人が通らないらしく一転して荒れ放題で、岩と木の根ばかりでとても歩きにくく全然進まない。十勝岳や大雪山もそうだったが、北海道の山は、人が多いところがとても歩きやすい半面、人が通らないところはとてもハードな道になる。その差がすごい。スキー場に入ると道が良くなり、快適な下山路になった。 ヒラフリゾートに降りて、急に都会になった。国道のローソンで3日ぶりにかつ丼を食べた。羊蹄山の山頂をウロウロする時間を作るために、半月湖の羊蹄登山口までタクシーで行くことにした。1.5時間分のワープだ。登山口に野営場があるが無人で放置されている。立派な水道の水場があるが、道から回り込んだところにあり、あやうく見落とすところだった。ここの水はおいしくなかった。この水場より上は、水たまりも流水も全くなかった。羊蹄山の登山道はよく整備されていた。平日だが快晴なので登山者が多い。50人ぐらいとすれ違った。 避難小屋は7人が泊まり満員。ご来光を見たい人々らしい。私はできればこの日のうちに下山したかったが山頂着が15時になったのであきらめた。翌日の下山速度から考えると日帰りも可能だった。管理人がいる小屋は、カネを払って独裁に従わねばならないので嫌いだ。 【4日目。羊蹄から下山】 未明から日没まで何日も歩いてきたので、もうご来光は要らなかった。小樽の街を散策し、札幌の友人と会う時間を作る方が優先だ。晴れたけど、日の出直前に羊蹄避難小屋から下山を開始した。当初は真狩か京極への下山を考えたが、バスと鉄道の便があって便利なのは半月湖だったので往復登山になった。登山口の野営場の水場で、残っている野菜などを全部アルファ米に入れて「最後の正餐」をした後、小樽行きの急行バスが来るバス停まで歩いた。 私はいつも登る前のコンビニなどで、ほうれん草としめじ、ベーコンを買って、アルファ米と一緒に、ジェットボイルで沸騰させて食べている。時間がない時は、できた食事をアルファ米の袋に戻し、歩きながら食べる。最短15分で歩行を再開できる。 飛行機はガス缶を積めない。前は新千歳空港で660円でOD缶を買っていたが、今回は足つきのCB缶との変換器をアマゾンで買って持参し、小樽駅前の百均でCB缶を買って使った。うまくいった。CB缶はコンビニでも売っている。 今回は歩行中に熊の臭いがしなかった。4日目の羊蹄からの下山時、すれ違う人々からミントやカラタチのような芳香剤のにおいが感じ取れた。3日ぐらい山にいると嗅覚が鋭くなるのは、9月初めの十勝大雪縦走時と同じだ。だから今回も、熊が近くにいたら犬の体臭をきつくしたような臭いがするはずだ。だが今回は一度もそのような臭いを感じなかった。熊がいることは間違いない。だが、大雪に比べると個体数が少なくて熊の密度がかなり低く、登山道の近くで熊がうろうろする状況ではなかったのでないか。 熊スプレーの持参が推奨されているが、あれは瞬時に標的めがけてスプレーを噴射できる技能がある人でないと使えない。私は動体視力が低く、キャッチボールが超苦手で、飛んでいる蚊を叩き潰すこともほとんどできない。熊の顔めがけてとっさにスプレーを噴霧することは多分不可能だ。使用者の運動神経の状況を無視して全員に熊スプレーを推奨するのは馬鹿だ。大き目の鈴をストックにつけて歩くので良い。鈴は、もしかするとカウベルの方が音の伝達距離が長いかもしれない、とは思う。 |
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