大見湿原〜滝谷山☆雪景色の湿原と大見尾根の霧氷の回廊
- GPS
- 03:56
- 距離
- 9.5km
- 登り
- 435m
- 下り
- 421m
コースタイム
天候 | 雪のち曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2023年01月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
写真
感想
京都市内はすっかり青空が広がっていた。R367を北上し大原に差し掛かると、大原の里の向かうに本来は見える筈の比良の山々のあたりが白い緞帳で覆われたかのように白い空間が広がっているばかりだ。どうやら雪が降っているのだろう。
比良は諦め、左折してR477に入る。年末に大見の廃村から皆子山に登ったところであるが、この数日、雪が降った気配はないので大見までは入ることは出来る筈だ。R477の前畑峠を越えて百井の集落に入ると途端に雪が降っている。
北山修道院のあるヒノコを過ぎると道路は雪で覆われているところが多く、全くタイヤの痕がない。年末に我々がここを通って以来、新年にここを通った車はないのだろう。積雪の量は少なく、無事に大見の集落まで入ることが出来る。年末と大きく異なるのは周囲の樹々が着雪していることだ。雪化粧を施された樹々のお陰で景色はまるで違って見えるものだ。
支度を整えるとしんしんと降りしきる雪の中を大見湿原に向かって進む。湿原の手前には小さな川が流れているのだが、林道から川に沿って右手に進むと小さな橋が現れる。夏道は湿原の北側に沿って続いているのだが、早速にも積雪した湿原の中に足を踏み入れる。もちろん積雪のせいで単なる雪原でしかないのだが、霧雪期には泥濘んでいる湿原の中を自由に闊歩できるのは積雪のお陰である。
以前に冬の大見湿原を歩いたのは左足の膝蓋骨の骨折を患った4年前のことだ。リハビリのためと思って積雪した湿原を訪れたのだった。なだらかな雪原が広がっているように見えるが、その時は僅かな段差も昇り降りすることが困難であり、湿原の奥まで進むことを断念して中ほどで引き返したのだった。
湿原の中にはいくつかの小さな流れがあるので、渡渉を繰り返しながら先に進んでゆく。湿原は奥に進むにつれて両側の山が迫り雰囲気が変わってゆく。樹々も多いので新緑や紅葉の頃はこのあたりが最も美しいところだ。
湿原の周囲の尾根にはガスがかかっているが、着雪した樹々の彼方には白銀の樹々が見える。霧氷だろうか。谷が狭くなると川沿いを進むのが難しくなるので、左岸の夏道を辿る。小野谷峠への小さな道標があるが損壊している。
小野谷峠にかけては谷の右岸の杉林の中に明瞭な古道が通じており、古道を辿って難なく峠まで辿り着くことが出来る。数年間に訪れた時にはPH氏のプレートが地面に落下していたのだが、プレートはその後、欠失したままだ。峠では急に雪が強くなる。
小野谷峠からはいよいよ大見尾根を南下する。峠からはまずは広い植林の尾根の急登から始まる。最初の小ピークca720mが近づくと斜度も緩くなり、ピークを過ぎると広い尾根には下生えのない快適な自然林が広がるようになる。足元は新雪のフカフカした感触が感じられるようになる。この年始に降り積もった雪だろう。
次のピークca760mに至るとすぐにも周囲の樹々には霧氷が現れ始める。尾根にはガスが立ち込め幻想的な雰囲気だ。登山を開始してから僅かな距離でこのような霧氷の樹林に出逢えるとはなんとも贅沢だ。それよりも京都の市内からさほど遠くない、北山南部の低山でこのような霧氷を見ることが出来ること自体が驚きである。
いつしか風雪も弱まり、あたりが明るくなる。上空の雲が薄くなったのだろうか。やがて雲の中から朧げに光が差し始めると、樹々の霧氷が美しく輝き始める。やがて上空の雲の間から蒼空が見える。
樹林からはすぐ東側には皆子山の山裾が垣間見えるが、その山頂部のあたりは雲の覆われたままた。このような天候の日には皆子山の山頂部も美しい霧氷が期待できるところであるが、山頂は終始ガスの中かもしれないと思い皆子山を敬遠して大見尾根を選択したのだったが、その判断は正解だったかもしれない。
気温が上昇しつつあるせいだろう、僅かな風が吹くと樹々からは霧氷が急速に落下してゆく。尾根上の広々とした疎林で行動食でランチをとり、コーヒーを入れて休憩する。先ほどから上空には再び重苦しい雲が広がったかと思うと急に雪が降り始める。
どこまでも霧氷の樹林が続くかのように思われたが、p877を過ぎて尾根が大きく東に向きを変える小ピークca850に至ると標高が下がったわけでもないにもかかわらず忽然と霧氷が姿を消す。
大見林道と合流すると驚いたことに林道には車の轍が刻まれていた。四駆のスタッドレスで雪のオフロードを楽しまれた方がおられたのだろう。降りしきる雪の中を林道を歩いて滝谷山を目指す。
この大見林道が山頂のすぐ近くを通過していることもあって滝谷山は登山の対象としては北山の中では人気の低い方ではあるが、山頂界隈に広がる自然林は実に雰囲気の良いところだ。私自身は北山の中では皆子山と峰床山に次いで登山回数の多いところだろう。
滝谷山の山頂が近づくと急に雪がやみ、西側には樹間から雲を纏う大きな山が姿を見せる。まさにその景観は雲取山の名称に相応しいように思われた。林道に入ると滝谷山から北に伸びる自然林の尾根を辿ると再びあたりの樹々には霧氷が現れる。山頂の南側には北山の前衛の山が見えるが、その山肌には黒々としており、驚くほど着雪がないようだった。
山頂から引き返すと大見の廃村に向かって林道を辿ることにする。とはいっても林道は谷に下降するまで大きく迂回しながら降りてゆくので、ca800mから北に向かって下降する尾根を辿る。尾根の下部では半ば崩壊した廃林道と合流するが、林道は所々で地面が露出している。
再び大見林道と合流したところでスノーシューを脱ぐ。大見湿原からはそれなりの距離を歩いたように思われたが、?分ほど歩くと早くも湿原の南端に至る。湿原の樹々の雪はすっかり消えていた。いつの間にか気温が上昇したせいだろう、駐車地に戻ると道路の雪も少なくなっていた。
百井の集落から前畑峠を越えて大原の里に至ると上空にはすっかり蒼空が広がっている。毎度のことながら、まるで別世界から帰ってきたかのような感覚を感じるのだった。
コメント
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京都市内とはまるで違う雪の世界ですね。
実は元日に八丁平へ行こうと尾越集落付近まで行って雪で立ち往生し四苦八苦しました。百井からの道は冬季はやはり大見集落までが限界ですね。皆子山にしておけばよかったと思いました..
年末に大見まで入ってから、道路に車が通過した痕跡がないように思われましたが、なんとmichikusaさんの車が通過しておられたのです。大見を越えると前坂峠の北側を車で通行するのは難しいだろうと思っておりましたが、よく尾越まで入ることが出来ましたね。
いえ、皆子山は私達のトレースが刻まれてしまっているので、八丁平で正解だったのではないかと思います。
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