美ヶ原
- GPS
- 04:35
- 距離
- 6.7km
- 登り
- 200m
- 下り
- 221m
コースタイム
天候 | 1日目:曇り 2日目:晴れ |
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過去天気図(気象庁) | 2023年02月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス タクシー
美鈴湖から先は冬季閉鎖のため許可車以外通行禁止。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
普通に歩く時はチェーンスパイクがあると良いかも。 |
写真
装備
個人装備 |
長袖シャツ
長袖インナー
ハードシェル
タイツ
ズボン
靴下
グローブ
アウター手袋
予備手袋
防寒着
雨具
ゲイター
ネックウォーマー
毛帽子
靴
ザック
スノーシュー
行動食
非常食
飲料
水筒(保温性)
レジャーシート
地図(地形図)
コンパス
笛
計画書
ヘッドランプ
予備電池
GPS
筆記用具
ガイド地図(ブック)
ファーストエイドキット
常備薬
日焼け止め
保険証
携帯
時計
サングラス
タオル
ツェルト
ストック
カメラ
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感想
今年の年明け早々筆者はコロナに罹患してしまった。幸い症状は軽かったのだが、予定していた八ヶ岳方面へのツアーをドタキャンする羽目になってしまった。われらがリーダーはとても心配してくれたのだが、本当は楽しみにしていた雪山ハイク&憧れのホテル泊が中止になり相当怒っていたに違いない。なので今回の美ヶ原ツアーは絶対に行かなければならない企画であった。直前には相当健康に注意を払って、酒も控え、人込みを避け、生ものを食べずに当日を迎え、朝起きて気分快適だった時はすごく安心してとても幸せであった。山行に行く前から幸せだったのだ。人の幸せとは何だろう。
さて、美ヶ原である。かの深田久弥氏は日本百名山の中で、セガンティーニの絵を引き合いに出して「高原」というものに触れている。セガンティーニは昭和初期ごろに日本でも人気があったらしいので、若き日の深田氏もその影響を受けているのかもしれない。おそらく同氏は大原美術館にある「アルプスの真昼」のような明るい山岳風景をイメージして引用しているのであろう。しかし、筆者の中ではセガンティーニといえば「悪しき母たち」である。凍てつく冬の象徴派のような絵画。この絵はショルティ指揮シカゴ響によるマーラーの交響曲第5番のCDのジャケットに使われている。第一楽章の葬送行進曲とこの絵のイメージが筆者の中ではなかなかにフィットしているのだが、演奏はシカゴ響の金管陣がパワー全開で、それはさすがにショルティ先生やりすぎちゃいますの?と思ってしまう。個人的にはシカゴ響はアバドが振っていたころ方がしっくりきます(あくまで個人の好みです。かつずいぶん昔の話ですね)。
話を登山に戻そう。かくして我々は凍てつく冬の美ヶ原に行くことになった。今回幸運にも王ヶ頭ホテルの予約が取れた。筆者としては奮発した山行だが、なかなか予約も取れないホテルなのでラッキーであった。しかし、当初の予定ではホテル着15:00、翌日の出発10:00で、これでは全然遊べないではないか。直前にホテルに電話してみると送迎バスにキャンセルが出たなどの事情があったらしく、12:30ホテル着、翌日12:00ホテル発という旅程が可能となり、十分にスノーハイクを楽しめることとなった。
筆者は自家用車を持っていないので、行きは松本駅からタクシーで美鈴湖まで行く。ホテルでタクシーの予約もしてくれて特別料金で行ってくれたので助かった。美鈴湖ではワカサギ釣りのテントがいくつも張ってあった。ワカサギ釣りはやったことがないが、釣ったばかりのワカサギのてんぷらを肴に一杯、というのはいかにも風情があっておいしそうである。いずれ企画してみたいものである(素人でも釣れるのかな?)。
さて、我々は迎えに来てくれたバスに乗り、1時間弱で王が当ホテルに到着した。まずは昼食。ビーフシチューをいただいた後、早速スノーハイクに出発。ホテルの人に聞いたところ、1日目の方が時間をたっぷりとれるので美しの塔に行った方がいいのでは、というアドバイスをもらって出掛けた。しかしこの日は風が強くて体感温度的にもめちゃくちゃ寒かった。われらがリーダ―は銀行強盗用の目出し帽にゴーグルという変装としては完璧と言えるいで立ちで臨んでいたので大して寒くなかったらしいが、筆者はサングラスに普通のマスク(防寒機能なし)だったので、ほっぺたがめちゃくちゃ寒かった。それにもまして手先が冷たくてなかなか温まらない。それでも写真は撮りたいのでスマホ操作のために手袋を外してさらに状況を悪化させるという事態。新雪面を歩きたいので高低差のある谷を渡っていくルートを取り、尻滑りなんかも織り交ぜながら、結構大変な思いをしながら美しの塔に到着した。残念ながら視界は不良。もちろん周囲の山は全く見えず、パラグライダーのようなもので風を受けてスキーで滑るスポーツ、あれは何というのだろう、その風受け部分と思しきものが空を舞っているのが見えた。実際にスキーを履いたまま空を飛ぶのもあるみたいだが、ここは傾斜がないので飛んではいないようだ。まあ、そんなものを見ながら帰路につき、手先とほっぺたが強烈に冷たくなりつつ、ホテルに帰着した
ホテルに帰って風呂に入り、部屋のネスプレッソマシンで入れたコーヒーでまったりし、それからウェルカムドリンクなんかも用意されていたので、夕食まで喫茶室でゆっくりした。食事は和洋折衷のコース料理でとてもおいしかったが、食レポは写真解説に譲る。
天気予報もあまりよくないように思えたので、特に早起きするつもりもなく、早朝の風景も期待していなかったのだが、翌朝6時すぎに窓の外を見ると、晴れているではないか。慌てて身支度をして喫茶室に行ってみると宿泊の皆さんはすでに外に出て写真撮影の真っ最中である。我々も一度部屋に戻って、防寒装備をして外に出た。すると宿の人が「北アルプスに月が沈んでいくところが見える」と教えてくれた。行ってみると果たしてまさに黄色いまあるい月が雪の北アルプスに沈んでいくところだった。これはすごかった。こんな景色が見られるなんて。忘れられない景色となった。そのあと日の出を拝んで部屋に戻ったが、ちょっとした滝雲も出ていて、部屋から少しその様子が見えた。皆さん写真ととるためにそのあたりに集結していた。
さて、今日は絶好の遠景が楽しめそうだと、朝食をとったあとウキウキしながらスノーシューを履き、まず、王ヶ頭山頂に行ってみた。南アルプスから中央、御嶽、乗鞍、北アルプスとぐるっと見渡せる。素晴らしい風景。写真を撮って、若干苦労しながら道なき道を王ヶ鼻に通じる道まで下りて(いったん戻って車道を行けばもっと楽だった)、いったん下っていく。正面に北アルプス。こちらから見ると槍ヶ岳は特にとんがって見える。鹿島槍もきれいに双耳峰で見えて、山座同定しながら歩いて行った。カーブに差し掛かる部分で圧雪の車道を離れて、山道へ。と言ってもすでに人が通っているので結構圧雪されている。スノーシューじゃなくても十分通行できる感じであった。しかしせっかくスノーシューを借りているので、ときどき横道にそれて新雪ふみふみをしたり、でもウサギの足跡を壊さないように注意して、ゆっくりゆっくり登っていった。そして王ヶ鼻到着。ここの景色は素晴らしかった。蓼科山から南回りにぐるっと北アルプスまで見渡せて、この時期ならではの景色を堪能した。しばらくすると山頂が混んできたので、名残惜しいが戻ることにした。帰り道では正面に浅間山も見えていた。
ホテルのサービスで、12時までなら風呂にもはいれるということで、ざぷっとひと風呂浴びて、12時のバスに間に合うように出てきた(結構忙しい)。ほとんど土産物売り場を見る時間がなかったが、リーダーはついこの間購入した保温ボトルと同じものが、ここでは王ヶ頭ホテルのマーク入りであるのを見て、ここで買えばよかったと地団駄を踏んでいた。が、すぐにバスが来てしまったので、リーダーが床を破壊することもなく、帰りのバスに乗った。
バスの車中からも北アルプスは見えた。同乗した皆さんから歓声が上がっていた。バスはだんだん高度を下げ、美鈴湖で1組降ろしたのち松本駅へ到着した。昼食にそばでも食べようかと思ったが、結構混んでいたのでピザ屋に入った。そこではなんと筆者大絶賛のベルギービール、ヒューガルデンホワイトの「生」が置いてあるではないか! 当然リーダーの目を見ないようにして注文し、満喫したのであった。しかし、どうやらその店に山と高原地図(の一部)を落としてきてしまったらしい。だいぶ前の八ヶ岳のものなのだが、北アルプスから富士山まで山の名前が書いてあり、かつ程よい大きさに収まっている地図が付いていて、それを切り取って山座同定用に使っていた。最近の山と高原地図にはそのような(筆者にとって)適当な広域の地図がないので重宝していたのだが残念なことをした。何かの山岳雑誌の付録にそのようなものが付いていないか探さねばなるまい。関係者の方、もしお読みになっていたら、ぜひ作ってください。宜しくお願い致します。(完)
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