北岳バットレス アルパインクライミングで北岳を制覇
コースタイム
10月11日(日)】晴れ(縦走組)BC6:40→二俣7:00→大樺沢→八本歯のコル9:00→北岳山頂10:10→草スベリ→白根御池小屋テン場13:50
(登攀組)BC3:15→(バットレス第4尾根)bガリー大滝5:05登攀準備
6:001P目クラック→第3尾根ルンゼ登頂7:40→懸垂下降でⅭガリー→第4尾根取り付き8:40→マッチ箱10:40→終了点(12:15)食事北岳頂上13:20→白根御池小屋BC15:30
【10月12日(月)】白根御池小屋BC6:00→樹林帯→7:30広河原→8:10芦安駐車場(♨)→神戸
過去天気図(気象庁) | 2009年10月の天気図 |
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コース状況/ 危険箇所等 |
入山日の朝、雨がパラついたがその後は天気も回復し晴天になった。3年ぶりの北岳になるが今回はクライミングで北岳登頂することを目的とした。雪が凍り付き、一部アイゼンでのクライミングになり難度は増した。幸いにして登攀日は無風のいい天気になり、無事完登することができた。 |
写真
感想
神戸三宮19:00に全員集合し阪神高速、名神そして中央道で白根ICを目指す。0:00少し前にIC到着したが、休日前なのでゲート直前で時間待ちETC割引でゲートをくぐり芦安駐車場着0:40テントで仮眠。
翌朝、空は曇天で夜間少し雨がぱらつき心配したがなんとか持ちそうである。予約していたジャンボタクシーで広河原到着7:40。これからテント場まで3時間の頑張り、久々の重いザックにあえぎながら大樺沢を登る。二俣まで来ると沢には少しだが残雪があった。
二俣から水平道を少し戻り、御池小屋テン場まで30分で到着した。まだ時間が早いせいであろうテントは5〜6張と少ない。1時間程度でテント設営、昼食を済ませバットレスのルート偵察に出発する。大樺沢の一般ルートからバットレス沢を越え、C沢と思われる沢を詰め下部岩壁に到着。入山の重いザックで疲れたのか2人になかなか付いて行けず苦労した。また、途中、昨日の雪が少し残りあられも降ってくる曇天で、明日の天気が心配である。ようやくbガリー大滝を確認して、C沢の尾根を下山してテント場に戻った。その夜、ミーテングでリーダーから明日のバットレスに行くか判断を求められたが、体が重く体調が悪いのと雪である。ミックス登攀となるのでここまで来たが、私達は、今回は断念し一般道から北岳に登ることにした。リーダー達は翌朝3時出発とのことで、皆早々にシユラフに潜り込んだ。翌日2:00起床、一緒に朝食を取り3時に予定通りバットレスに出発する二人を見送る。夜空は満点の星!天気は良さそうで安心した。私達は明るくなった6:40にテント場を出発二俣から大樺沢を詰め八本歯のコルヘ9:00ここからバットレスが良く見え1パーティが取り付いているのが分かる。八本歯からの尾根の途中で振り返ると富士山が雲海から飛び出していた。少し雪をまとい、冬を感じた。10:10北岳頂上到着。日陰には2〜3cmの雪溜りが残り、天気は快晴、大勢の登山客で頂上は一杯であつた。甲斐駒や仙丈が間近に見える。鳳凰三山地蔵岳のオベリスクにも雪がついて美しい。頂上で約2時間のんびり写真を撮ったり、食事をしたり北岳を十二分に楽しんだ。
今回はバットレスには登れなかったが、また次の夏にチャレンジしようと話し合った。リーダー達がバットレスを抜け、頂上に到着する頃と思い少し待っていましたが、寒くなってきたので、先に下山することを無線で連絡して肩の小屋から草スベリを下山した。
テント場には13:50頃到着した。リーダー達は15:30頃無事元気に戻ってきた。
四尾根取り付きまでが核心部で、今回は雪があり手足が冷たく厳しかったそうです。
その夜は疲れているためか夕食後早々に寝ることにした。翌日4:30起床、6時に御池小屋のテント場を後にして御池尾根を下山して広河原に到着7:30。客引きのジャンボタクシーに乗り芦安の駐車場に戻ってきた。8:15朝から営業している温泉で汗を流しゆっくり高速で三宮16:00にもどり散会した。(S.M)
【10日】早くも雪化粧の岩峰になっていた。bガリー大滝取り付きを下見に行く・・・経験者の情報や資料などではⅭ沢を詰める予定だったが、たまたま下見帰りのグループに会い、4尾根のアプローチを聞くとソコの赤いマークの岩からといわれ登って行く。
行き着くところの岩陰にビバーク体勢の若い男女が居た。ツエルトを張って明日この雪の付いた岩を登るかどうか思案をしているとのこと。若者に聞くと、ここは“dガリー”とのこと・・・私たちはⅮ沢を登って来たことになる。bガリー大滝取り付きには、ここから尾根越しにトラバースし確認した。雪の付着が気になるが明日の天気次第と願いながらb沢の大岩を目指し下山・・・
【11日】2:00に起床し食事と準備・・・3:15出発、ヘッドランプの明かりが頼りだが昨日の下見で分かっているから問題なし。2時間足らずで取り付きに到着、誰もいない。私たちが一番乗りだった。陽が上がるまで装備装着準備も手足が冷たく堪らなくカイロを張り飛び跳ね体を温めた。6:00登攀開始、冷えきった岩は指の感覚をなくしそうだ。
1P目は辛抱し確保地点到達・・・下を見れば後続2パーティが待っていた。その後方にも続々と登ってくる・・・2Pを登った辺りからクライミングシューズが滑り厳しくなる。中途半端な雪で足元が凍っているから厄介、とにかく雑木確保地点まで慎重にロープを伸ばす・・・ここで登山靴に履き変えアイゼンを装着、前爪を効かせルンゼを登る。雪と岩のミックスクライミングの始まりとなった。後続のパーティも悪戦苦闘して登り詰め尾根に辿り着いた。『唖然とした、4尾根取り付きはどこか?・・』目指していたアプローチがずれていたことに気付く、ここは3尾根であった。懸垂下降(40m)をしてⅭガリーから『4』と赤いペンキで書かれた岩をアイゼンで登り、第4尾根の取り付きテラスに着いた。8時40分だった。天気は最高で富士山も綺麗に見えた・・・ホットする。
Ⅿさんに二回目のな線交信をする(9:00)。一息つき、さあ、これからが本番と気合を入れ直す。後続もやって来るのでグズグズできない。スラブ・クラック・フェース・白い岩のクラックと進み、第1コルから第2コルはOさんのリードで登る。4尾根はクライミングシューズだが所々凍りついていて足を置く位置の判断とバランスが要求される。
ピラミッドフェースの頭・マッチ箱・(懸垂下降)上部フランケ・枯れ木テラス・ハイマツ〜終了点(12:15)・・・3回目の無線交信を交わした。ガスをつけ温かいラーメンやスープでお腹をふくらませ満足、まだこれから4時間の体力が必要とは・・・白根御池小屋へ無事に帰還した。(15:30)
感想として、第4尾根登攀は条件さえ良ければ問題はないがリードする人は4級が確実に登れること、フォローの人は確実なビレーができき、登攀力がいる。その上、早くても12時間もかかる山行ゆえ相当の体力がいる。このことを考えれば当然20キロボッカトレをして基礎体力を付けなければ、行けない。
“何があるか?・・分からないアルパイン登攀ゆえに・・・・・”(T.K)
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