米子不動IC(アナコンダ及び上流、夜叉、不動戻し及び上流、黒滝)


- GPS
- 43:44
- 距離
- 30.6km
- 登り
- 4,308m
- 下り
- 4,220m
コースタイム
- 山行
- 3:12
- 休憩
- 8:14
- 合計
- 11:26
- 山行
- 5:02
- 休憩
- 4:00
- 合計
- 9:02
天候 | 4日目午前のみ一時吹雪いたが、他は曇りや晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2023年02月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
【アプローチ】 ・林道米子不動線は遊歩道入口の駐車場までしっかり除雪されていたが、906標高点の林道分岐から先は冬季通行止。バリケードはあるが移動は可能。 ・各氷瀑へは、木曜の時点でも概ね明瞭なトレースがある状態であった。日曜にかけてそれらはさらに濃くなっていった。 ・アナコンダとコブラの下流、夜叉・阿修羅・不動戻しの下流には小滝があり、アイゼン必要。黒滝は、ノーアイゼンで取り付きまで行ける。 【氷瀑】(登攀時の状況であり、グレードはtamoshimaの体感) ・アナコンダは3pで、55m V、60m V+、25m IV+程度。氷結は良好であった。 ・アナコンダ上流の氷瀑は2p、RS80m、V-程度。3段程度の段瀑。 ・コブラの上流にも3段の氷柱があり、アナコンダの上流とコブラの上流はトラバースで行き来可能。 ・夜叉は2pで、50m VI-、35m IV程度。 ・不動戻しは2pで、55m V+、40m IV+程度。 ・不動戻しF2左は40m V程度。 ・不動戻し上流右岸ルンゼF3は50m V+程度。 ・F4は登っていないが30m VI程度と思われる。 ・不動戻しF2右の上流にも多くの氷瀑があり、一部については下記に紹介されている。 http://alpinestyle.blog18.fc2.com/blog-entry-271.html ・黒滝は3pで登ったが、通常は2pで、45m VI、50m VI-程度と思われる。 |
その他周辺情報 | ・linkuroによるYAMAP記録:https://yamap.com/activities/22739461 ・須坂市は「すざかし」、米子は「よなこ」と読むのが正しい。間違えている人も多いので要注意。 ・林道からの遠望では、コブラ、アナコンダ、不動戻しの他にも、どぜうの詩や夜叉の上流に氷瀑があった。 |
写真
感想
【計画の経緯】
昨年初めて米子不動へ行き、その立派な氷瀑の多さに感心した。今年も行こうと思い、linkuroに声をかけたところ、都合が合ったので、飛び石4連休で行くことになった。
【山行】
○1日目 アナコンダ及び上流
除雪のおかげで林道は歩きやすく、米子橋へは1番乗りでスムーズに到着。テントを設営してアナコンダへ向かうが、微妙にトレースを外してしまい、軽くラッセルをする羽目になった。
アナコンダは2p目が核心のようなので、登るなら核心やらなきゃしょうがない、とか言うlinkuroに2p目は任せて、1p目をtamoshimaリード。下部は80°以上あって登り応えがあったが、後半は登りやすく、氷柱の左まで。 2p目はlinkuroで、核心の氷柱部を抜けると容易。フォローしてみると、変なところでピッチを切っていると思ったが、3pは小さい穴を抜けて登れそうとのこと。3p目はtamoshimaリードで、穴を抜けた後に短い垂直部を登ったら終了。上流に氷瀑が見えたので、行ってみようと思い、ラッセルして立木まで。
降りてコブラを登る時間はないし、後続も来ていたので、アナコンダの上流を攻めてみることにする。少しラッセルして滝下まで行き、linkuroリード。奥鬼怒のクァルテットのピアノに似た感じの氷瀑で、最下部の垂直部以外は容易。このピッチで終わりにしようかと思ったが、心残りになりそうなので、tamoshimaリードでもう1ピッチ。すると20mほどでもう氷瀑がなさそうな風景になったので、満足して下降。
下山のついでにコブラ上流の氷瀑も見ようと思い、西へトラバースしていくと、確かにそれはある。結構難しそう。そのままコブラを懸垂下降することにして、下って行ったが、コブラ上流のナメ滝で要懸垂下降。さらに落ち口上流右岸の立木と、コブラにセットされたV字スレッド2回とで、計4回も懸垂下降することになり、結構面倒であった。しかも、コブラを登っていたPに多くの落雪を浴びせてしまい申し訳なかった。
○2日目 夜叉
この日は夜叉と阿修羅を登ろうと思っていた。阿修羅は濡れるという噂を聞いていたのでまずは夜叉へ。夜叉は見るからに2p目が核心のようなので、それはlinkuroに譲って、tamoshimaからリード。が、見た目より登りにくく、さっさと諦めてアックステンション。うーん、不甲斐ないなー。1p目上部は登りやすく、2p目の氷柱部の基部の左へ。
2p目はlinkuro。直上する難しそうなラインを選んでいて、攻めるなーと思ったがやはり難しく何度かテンション。フォローしてみると、垂直な上につらら状で悪く、しかもトラバースとあって、フォローでもテンションするくらいの厳しさだった。リードしなくて良かった…
という感じで苦労して時間がかかり、気力も体力も時間も足りないので、阿修羅はやめ。見るだけにして、早めに帰ることにした。
帰りがけ、どぜうの詩へのトレースがついていたので辿ってみたが、氷柱は見事に繋がっていなかった。
○3日目 不動戻し及び上流
この日は不動戻しとその上流を狙う。まずは不動戻し。核心の1p目は例の如くlinkuroに任せ、tamoshimaは安心のフォロー。前評判通り、米子の中ではかなり登りやすい。2p目はtamoshima。ビレイヤーへの落氷を避けるため、右寄りに登ったが、氷が薄めで微妙に登りにくかった。
少しラッセルすると、F2が見えてくるが、意外にも2つある。どちらを登ろうか悩んだが、次の氷瀑が見えていた左を登ることに。難しいと聞くF3をlinkuro任せにして、tamoshimaリード。氷結が良く楽しく登れる氷瀑だった。なお、帰ってから確認したところ、参考にしていた花谷さんの記録では、F2は右を登ったようだった。
F2からF3はすぐ。階段状でさほど難しくもなさそうだが、予定通りlinkuroがリード。しかし、思ったよりロープが延びるのが遅い。フォローしてみると、ひっかけで登らざるを得ないところもあり、普通に悪かった。またまた、リードしなくて良かったー
それにしても、こんなにlinkuroにばかり核心を任せていると、ポムチムDIARY(https://fallove0413.com/2021/05/22/tohfukuzi/
で読んだ「女子にずっとリード任せて恥ずかしくないのかって思いますか?」というフレーズが頭をよぎる。まあ、linkuroは核心リードしたい怖いの好き派だし、tamoshimaは核心どっちでもいいあんまり怖いのは好きじゃない派だから、win-winですから!
このF3で終わりかなと思っていたが、登ってみるとぶっ立ったF4が、しかも2本も立ちはだかっている。うげ〜と思いながら、とりあえず滝の真下までは行ってみるが、見るからに垂直で厳しそう。昨日同様、時間も体力も精神力も足りないので、ここで撤退することにする。
右岸支流に入ってしまっていることは分かっていたので、トラバースして本流を見ながら下ることにする。懸垂下降1回で本流に降り立つと、確かにそこかしこに氷瀑がある。米子不動は、こんなにも奥深い所だったのか、と感嘆。さらにF2右を懸垂下降し、往路のトレースに合流して下っていくと、不動戻しを登っているPに遭遇。偶然にも、知り合いだった。話は弾むが続きはテントでの宴会に持ち越すことにして、2p懸垂下降して取り付きまで。
食後、知り合いのPの宴会に混ぜて頂き、大いに盛り上がって、21時まで楽しい時間を過ごした。たまには宴会も良い。
○4日目 黒滝
この日は黒滝を狙っていたが、混むかもしれないと警戒し、5時出。目論見通り、一番乗りで、明るくなるころに黒滝着。しかし、天候はすぐれず、だんだんと吹雪いてくる。が、後続Pも来ているので、登るしかない。linkuroがたまには核心リードしなよ〜とか言うので1p目をリードし始めたが、見上げるとその垂直部の長さに絶望し、早く登ることを優先しようと、早々にアックステンション。しかし各駅停車で登っていても疲れてくる氷で、だんだんレスト時間が延びてきて、全く不甲斐ない限り。吹雪は酷くなってきて、なんなんだこの苦行はとも思うが、それでも少しずつ着実に登っていくと、傾斜が緩み始めた頃にスクリュー切れ、かつ残置V字スレッドもあったので、ハンギングになるがここでピッチを切る。
linkuroもテンションを入れながらフォローし、長時間のハンギングビレイが辛いので、2p目は20m程度で左のテラスまで。3p目は、互いに疲れていたのでリードを譲り合う展開。結局、「ロープ出なかったらブチ切れるからね!」とか脅されたもののlinkuroが引き受け、テンション入れつつも落ち口到達。最後のフォローは何とかノーテンでこなし、登り疲れた4日間の締めくくりとした。いつしか、吹雪はやみ、青空となっていた。
後続Pの脇を懸垂下降2回で下り、数々の大氷瀑を見物しながら林道を下降。テントを撤収し、橇を活用して楽をしながら下山した。
【感想】
2度目の米子不動は、夜叉や黒滝のように穴だらけでも難しい氷瀑や、不動戻しの上流のように殆ど登られていない氷瀑に触れることができ、その奥深さを感じることができた。
アイスクライミング自体についてはまだまだ能力不足を感じたものの、天候には概ね恵まれ、充実した4日間を過ごせた。4日間付き合ってくれ、厳しいところを概ねリードしてくれたlinkuroにも感謝。
今回登り残した阿修羅のほか、カチカチ山、味ともやどぜうの詩のように氷結が悪いことが多い氷瀑、コブラの上の氷瀑等、まだまだ米子には登ってみたい氷瀑があるので、また訪れたいと思う。
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