御岳山 大岳山
- GPS
- 128:00
- 距離
- 14.9km
- 登り
- 1,363m
- 下り
- 1,335m
コースタイム
2回目 9:12 ケーブル御岳山駅-9:50 武蔵御嶽神社-10:35 七代の滝-11:10 ロックガーデン-12:00〜30 捜索活動-13:15 大岳山山頂-14:25 富士見台-15:26 綾滝-15:50 天狗滝 16:15 千足
天候 | 晴れ後曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2009年11月の天気図 |
アクセス | |
コース状況/ 危険箇所等 |
芥場峠から大岳山間は滑落注意です!! つづら岩から柳沢林道までは、大変な悪路です。心して臨んでくださいませ。 |
写真
感想
11月23日 喪失
勤労感謝の日。サラリーマン休日だ。紅葉だ。前日の予報で翌週のトライアルと軽い気持ちで御岳山を計画。御岳→大岳→鋸山から鋸尾根を経由して奥多摩へ帰る筈だったが・・想像もしない結末を迎えてしまう。
芥場峠を越えて、大岳山を一路向かう道中、それまでより道幅が一段と狭まり、岩が剥き出しになったところ。滑落注意の看板がぽつぽつと表示される。まさか?こんなところで?と、思ったのも束の間、ベルトにつけていたデジカメが、ポトリと足元に。そしてあれよと思う間もなく、左手のがけ下へと。不思議とストップモーションのように一つ一つの絵は思い出すが、あっと思って手を伸ばした途端、自分も落ちていた。尻から落ちたと思うが、はっきりした覚えはない。木々の間を抜け、ストックで止ろうと抵抗するがむなし、落ちること10数メートル。なんとか止った。足は、腕は。。動く。異常な痛みはないので、多分、骨折もないだろう。
痛い。恥ずかしい。見上げると、すぐ近くを登山していた方々の顔が、心配げに見下ろしている。”だ、だ、大丈夫です”手を振り合図。おばさんがご親切にも、カメラはもう少し下までいったよと。。分かりましたと捜索開始。動き出した私を見て、皆も安心し先へ進む。しかし。一面の落葉。どこも似たような風景。上を見上げると、自分が落ちてきた地点もよくわからない。人が通っているところは30Mは上にあろうか。いつのまにか深追いして、更にがけ下まで来てしまった。己の迂闊さと心細さも入り混じり、捜索を断念。しかし、正規ルートへ登るのがまた、一苦労。考えれば凄い傾斜だ。四つん這いで進んでも、ずり落ちてしまう。通りすがりの人にコースなどの指示をいただきつつ、何とか正規ルートに生還した。2度目のアタックでは自力で登りきれず、押し上げてもらった。通りすがりの皆の善意に大感謝。いつの間にかストックも失っていた。無念だが、何度かの捜索(がけ下りと登り)で体力的にも限界、足のあちこちが悲鳴を上げている。私は経験したことないが、肉離れとはこんな感じか。ふくらはぎが痛くて動けない。足がつるような痛みだ。山頂まで、まだ30分以上かかることを確認し、当初予定ルートを断念。戻りも何故か鍋割山ルート選んで、大後悔の復路となってしまった。山をなめてはいけない。これは一種の天の啓示か(そんな大げさな)翌週、満身創痍の体に鞭をうちお仕事、心の中では諦めきれず、mjiさん、Moriさんと次回登山を相談、そして11月28日、再び御岳、そして大岳を目指すこととなった。
11月28日 回天
前日まで、入念にイメージトレーニング(もちろん紛失物の回収の)。二人と合流し、前回と全く同じタイムスタンプで2度目の御岳だ。今日も天気は良い(後半は曇天になるが)紅葉は23日がピークだったのかもしれないが、今日も人出が多い。例により、武蔵御嶽神社を参拝。
思えば、前回はこちらの末社祭に偶然参加。それを思えば、あんまりじゃないか。。いや、まて、こちらのご利益があったからこそ、大怪我もなく無事帰山できたと感謝。今日は、なくしものを探しに来ましたと、先ずはお祈り。
そして、前回と同様に、長尾平展望台、七代の滝、天狗岩、ロックガーデンを経由し、一路歩を進める。今日は、いつもの二人が同行してくれて心強い。ありがたい。そして問題の現場だ。現場を百辺見るという隊長からのリコメンドは、”あきらめた方がよいのでは”至極当然だと思う。しかし、私は、少々二人に時間をいただき、単独捜査に。これを持っていけと隊長がストックを渡してくれだ。そう前回はストックを途中で放置したのも失敗だった。結果捜索物が増えた。落ちたポイントがわからなくなってしまうことが焦りを招いたが、今回は、どっしりとMoriさんがランドマークとばかりに佇む。なるほど、私が思ったより西側だったのだ。急斜面の滑落現場をさけ、隊長のリコメンドから大きく迂回して落下地点下を目指す。ポイントに到達。上の二人に手をふる。心配げだ。無理しないでくださいの声がかかる。捜索開始、ストックを頼りにじりじりと降下する。あった、ストックだ。手が届かない。隊長のストック足場のよさそうな場所にストックをはたきおとす。回収。ストックが3本を手に、更に捜索。上の二人にストック発見を伝える。”おおっ”と声が上がる。しかし、ここから難儀だ。葉の下に隠れてる可能性も考えられる。しばらく、ストックでその辺をひっくり返す、がさがさ音。それ以外は静かで、時折、上の二人が他の人に声をかけられ、状況を説明している様子が聞こえる以外は、音らしい音もない。”命があったことに感謝して、カメラは諦めた方がいいよ”という声も聞こえる。尤もだ。こんなことで怪我しては、元も子もない。このまま倒れて寝てしまうか。ふと、そんな気にもなる。いかんいかん、時間は20分を経過しただろうか。急斜面に疲れを感じ始めた。諦めの覚悟決め、最後は己の目を凝らし作戦に。ふと、この世界にはにつかわしくない黒い塊が5M下に。いや、まさか。少し下に降りてみる。見間違いではない。そう月曜になくしたマイポーチ。”あった”思わず声を上げる。上の二人からも嬉々とした気をつけての声がかかる。そして、回収。奇跡的にカメラも無事だ。この1週間雨も降ったが、大雨でなかったのが幸いしたのか。はやる気持ちを抑えて、殊更慎重に大迂回で落下地点よりかなり東の緩斜面に出る。カメラをがっちり腰につけ、ストック3本の小旅行だ。正規ルートに生還。悪路に体は疲れたが、無事に落とし物を回収でき気分は勿論最高だ。二人と合流。心から祝福を受ける。この仲間がいなければ、こんな奇跡はなかっただろう。大感謝です。そしていつか今回の捜索で行けなかった、”本家”鍋焼きうどんをいただきに参りましょう。
ということで、この後、ふれあい関東の道で、想像よりも厳しい帰路になってしまったが、詳細は割愛させていただく。しかし、そこを割り引いても、瀬音の湯とその後のビールは悪いはずがなかった。
山では、ちょっとした気の緩みが大怪我を招くし、的確な状況判断の重要性を再認識させられた。このような捜索劇は二度とないように、今後の登山の教訓としたい。最後に”滑落注意”の看板があるポイントは本当に気をつけましょう
捜索記録に感動しました。(一度目の滑落劇は想像を超えていました)
とにかく無事で何よりです。
PS
隊長なる人物は確かザイルの必要性についても言及されていたことも追記させていただきます。
あの斜面からデジカメを発見、回収したことは
奇跡であると同時にmak1965さんの伝説ですね。
伝説に立ち会わせた幸運を感謝します。
しかし、次回も同じことが出来るとは
限りません。
山恐るべし・・・無理せずに行きましょう!
ドラマ「北アルプス山岳救助隊・紫門一鬼」を思い出しました。
無事でホントよかった!!!
骨折も無く、数日後にデジカメまで回収できたとは。
凄いです。
自分も注意します。
あっ、これ読んでいただきましたか。ありがとうございます。
全くお恥ずかしい話で、不注意の限りですからね。。
これを機に、また登山とまじめに(?)向き合おうとと思ったしだいです。
今年は、ぜひどこか一緒に登りましょう。縦走はちょっと無理と思いますが
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