魔女の瞳に恋してる。五色沼、一切経山。道迷いの高湯温泉から


- GPS
- --:--
- 距離
- 13.1km
- 登り
- 1,222m
- 下り
- 430m
コースタイム
天候 | 晴天 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2014年10月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
バス
|
コース状況/ 危険箇所等 |
問題なし |
写真
装備
備考 | 日焼け止め |
---|
感想
悪天候続きの2014年夏。
お気楽登山を旨とする私としては、今年の夏山はもう、あきらめようと誓っていました。
ところが、降ってわいたように、福島に金曜日の日帰り出張。渡りに船、猫にかつぶし。吾妻連峰、魔女の瞳を見に行く事にしました。
高湯温泉のユースホステル・ステラポートに前泊。源泉かけ流しの高湯温泉で英気を養います。
朝6時にステラポートを出発。思ったより寒くない。軽やかに進みます。
舗装された遊歩道を歩いて行くと、なぜか道が下降気味です。舗装から土の道に変わると、いよいよ道は下に下にと降りて行きます。
いくらなんでも、この下りはおかしいんじゃない、とここで初めて地図を見ました。
すると、なんと道を間違えていたことが分かりました。
私が目指すべきなのは、不動沢。今、私が歩いている道は不動滝への遊歩道。
一字違いですが、大きな違いです。
不動滝の道標を見て、勝手に勘違いして来てしまったのです。
すでに30分近くロスしています。
しかも、かなり降りてきてしまいました。
がっかりです。
せっかくなので、滝の近くまで降りましたが、足場が悪いのと、やる気が失せたので、滝つぼまではいきませんでした。
車道まで登り返して、再出発。約1時間のロスです。
土曜日の朝ということで、スカイラインをとぼとぼ歩く私の脇を、車がビュンビュン追い越して行きます。
ああ、誰か、私を乗っけてくれないかな。
と、1台のRVがスッと止まりました。
窓がスルスルとあいて、「よかったら乗っていきませんか」の声。
私は耳と目を疑いました。こんなことって、現実に起こるのだろうか。
捨てる神あれば、拾う神あり、地獄に仏とはこの事です。
「よく、道を間違えて車道を歩いている人をみかけるんですよ」とのことでした。
そう、まさにそれは私の事でした。
一瞬、このまま、頂上の浄土平まで連れて行ってもらおうかと思いましたが、さすがにそれでは、何しに来たのか分からないので、予定通り、不動沢の駐車場で下してもらいました。
道間違えの1時間のロスをきっちり取り戻し、ちゃっかり体力を温存し、さあ、改めて登山開始です。
最初はえぐれた赤土の道を登っていきます。
これは雨の日は決して歩いてはいけません。一度、安達太良山でひどい目に会いました。
賽ノ河原を過ぎると、ブナの疎林帯になり、道も平坦で快適です。
不動沢に「慶応山荘の管理人は不在です」とののぼりが立っていましたが、以前から気になっていたので、慶応山荘に立ち寄ってみました。
登山道から山荘へ向かう道は、ちょっと湿原になっていて、景色が開けます。
やはり、無人の山荘で、おいしい水をいただいて、一気に登ります。
樹林帯のキツい登りを登りつめると、突然、空が広がり、目の前にブルーの水面が。
魔女の瞳、五色沼が現れました。
周囲に樹木はなく、展望が広がります。
この突然感は凄いです。
魔女の瞳というネーミングもあって、ちょっと性的興奮のようでもあります。
思わず、アッと叫びたくなります。
ここまで、出会った人はわずか3人。
秘境探検の気分でもあります。
この鞍部から五色沼を半周して、一切経山へ登っていきます。
見る場所によって、瞳は色と姿を変えます。
まさに魔女の妖しさです。
足場の悪いざれた急な登りも、魔女が導いてくれるので、全く苦になりません。
一切経山の頂上まで来ると、一転して人、人、人。
そして、ものすごい強風が吹いています。三脚が倒れている人がいます。
山頂でゆっくり休憩して、という場所ではありません。
ここまで、4時間。短いわりに、かなりお得な登山です。
あとは、混雑する登山道を、ごろごろする石ころに気をつけながら下るだけです。
いつも、帰りのバスにギリギリで全く余裕のない時間設定をしているので、今回はゆったりと時間をとり、レストハウスでのんびり生ビールでも、と浄土平へ降りてくると、凄い混雑です。
軽食コーナーは長い列。「レストランは混雑」の看板。
仕方がないので売店で缶チューハイを買いました。
時間を持て余しましたが、蟻の行列のように、人々が登っている吾妻小富士はわざわざ登る気にならないので、近くの湿原をウロウロして、桶沼へ。
「ここは高層湿原ではありません」との説明書きが湿原にありました。
何か、要領を得ないので、ビジターセンターで聞いてみましたが、やはり、よくわからないので、家に帰ってから図書館で調べてみました。
高層とか低層というのは、標高が高いとか低いとかの意味ではないのだそうです。
じゃ何かというと、水分の供給の違いなのだそうです。
低層湿原は簡単に言うと、水たまりのようなもので、窪地に水がたまっているもの。高層湿原は雪解け水や残雪で絶えず水が供給されているもの、だそうです。
でも、イメージ的には高層湿原の方がいいイメージですよね。
それでも時間を持て余して、今度は缶ビールを買いました。
抜群の好天と東北人の人情、そして魔女の魅力と2本の缶飲料。
思いがけず、素晴らしい日帰り登山となりました。
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