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Yamareco

記録ID: 5315734
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積雪期ピークハント/縦走
東北

魅了された山「苧巻岳」(奥会津)

2023年03月29日(水) [日帰り]
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GPS
--:--
距離
9.7km
登り
578m
下り
574m

コースタイム

日帰り
山行
8:00
休憩
1:30
合計
9:30
5:50
60
入山口(踏切)
6:50
7:10
70
取付き(あがりこの森)
8:20
130
尾根乗上げ(620m)
10:30
11:10
160
13:50
14:20
60
取付き(あがりこの森)
15:20
入山口(踏切)
天候 快晴
過去天気図(気象庁) 2023年03月の天気図
アクセス
利用交通機関:
自家用車
(東北道)西那須野塩原IC → 塩原温泉 → 南会津町田島 → 只見町蒲生
コース状況/
危険箇所等
イ.薮山残雪登山
ロ.蒲生林道除雪無し
ハ.融雪雪渓崩落中
ニ.上部尾根一部藪化
その他周辺情報 (登山後の温泉) 只見町深沢温泉共同浴場
      「むら湯」(500円)
(飲食店) レストラン「やまびこ」(スキー場付属)
(宿泊施設等) 駅周辺に民宿多数、コンビニ2軒
今日の山は福島県只見町の蒲生川右岸に聳える「苧巻岳」(おまきだけ、左手前、909.7m、前日撮影)
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今日の山は福島県只見町の蒲生川右岸に聳える「苧巻岳」(おまきだけ、左手前、909.7m、前日撮影)
入山口はJR只見線の踏切から蒲生林道に入ります。林道は除雪されておらず、ここから取付き点迄約3キロ歩きます。(同前)
入山口はJR只見線の踏切から蒲生林道に入ります。林道は除雪されておらず、ここから取付き点迄約3キロ歩きます。(同前)
気温はマイナス1°。林道は幸運にもスノーモビルの轍が固まり、総重量約8Kgの装備を背負ってもほぼ踏抜けはありませんでした。
気温はマイナス1°。林道は幸運にもスノーモビルの轍が固まり、総重量約8Kgの装備を背負ってもほぼ踏抜けはありませんでした。
林道横の雪崩でデブリが迫っている箇所もあります。天気予報は晴れだったがぱっとしない。
林道横の雪崩でデブリが迫っている箇所もあります。天気予報は晴れだったがぱっとしない。
左手に支流の真奈川に架かる橋が見えてくれば長い林道歩きも終了です。
左手に支流の真奈川に架かる橋が見えてくれば長い林道歩きも終了です。
橋手前の「あがりこの森」標柱が今日の取付き点。小休止後アイゼンを装着して登行を開始。
橋手前の「あがりこの森」標柱が今日の取付き点。小休止後アイゼンを装着して登行を開始。
針葉樹林帯を抜け標高470m付近から美しいブナ斜面に変わりました。天気も晴れて来た。
針葉樹林帯を抜け標高470m付近から美しいブナ斜面に変わりました。天気も晴れて来た。
標高を上げるに連れ沢筋に雪崩のデブリが現れました。足早にトラバースし右手の北尾根を目指します。
標高を上げるに連れ沢筋に雪崩のデブリが現れました。足早にトラバースし右手の北尾根を目指します。
予定していた尾根の取付き地点には強靭な灌木が立ちはだかる。止む無く雪渓急斜面を更に登ります。
予定していた尾根の取付き地点には強靭な灌木が立ちはだかる。止む無く雪渓急斜面を更に登ります。
雪渓の急斜面を3点支持で巻き上がります。(カメラのモニターが光の反射で見えず失敗画像)
雪渓の急斜面を3点支持で巻き上がります。(カメラのモニターが光の反射で見えず失敗画像)
標高625m付近で尾根に乗り上げ安堵、東方を見下ろし一息入れます。
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標高625m付近で尾根に乗り上げ安堵、東方を見下ろし一息入れます。
それにしてもアイゼン装着&ピッケル持ちの藪漕ぎは難儀だ。極力左右の雪渓へ逃げたくなるが、滑落も怖い。
それにしてもアイゼン装着&ピッケル持ちの藪漕ぎは難儀だ。極力左右の雪渓へ逃げたくなるが、滑落も怖い。
漸く山頂付近が見えて来ました。西側に大きく回り込んで山頂を目指しました。
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漸く山頂付近が見えて来ました。西側に大きく回り込んで山頂を目指しました。
遂に登頂、7年前のリベンジ成功です。山頂は360°の大パノラマが広がります。
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遂に登頂、7年前のリベンジ成功です。山頂は360°の大パノラマが広がります。
早速撮影開始、西方は奥深い会越国境の山並。
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早速撮影開始、西方は奥深い会越国境の山並。
反対側東方は只見川沿いの蒲生岳(手前、828m)や鷲が倉山(918.4m)等の鋭鋒の眺め。
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反対側東方は只見川沿いの蒲生岳(手前、828m)や鷲が倉山(918.4m)等の鋭鋒の眺め。
南西には国境線の毛猛連峰や・・
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南西には国境線の毛猛連峰や・・
その右手に名峰「浅草岳」(1,585.5m)。
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その右手に名峰「浅草岳」(1,585.5m)。
北西彼方は地形図から推測し新潟守門岳(スモンダケ、1,537.2m)かも知れない。
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北西彼方は地形図から推測し新潟守門岳(スモンダケ、1,537.2m)かも知れない。
気温上昇で融雪が進むため早めに下山開始。帰路標高750m付近の尾根西側斜面。
気温上昇で融雪が進むため早めに下山開始。帰路標高750m付近の尾根西側斜面。
北方正面はかって山頂からこちらを望んだ大倉山(おおくらやま、984.5m)。
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北方正面はかって山頂からこちらを望んだ大倉山(おおくらやま、984.5m)。
雪渓斜面がきつい藪尾根復帰地点の目印。
雪渓斜面がきつい藪尾根復帰地点の目印。
尾根東側の雪渓斜面。
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尾根東側の雪渓斜面。
気を付けていたが、雪渓没落で胸上迄落ちた。藪木を掴んでいた為なんとか這い上がることが出来た。
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気を付けていたが、雪渓没落で胸上迄落ちた。藪木を掴んでいた為なんとか這い上がることが出来た。
斜度が緩みワカンに履き替え。雪崩リスクの大きい谷筋トラバースを避け尾根を下る。クラックにも要注意だった。
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斜度が緩みワカンに履き替え。雪崩リスクの大きい谷筋トラバースを避け尾根を下る。クラックにも要注意だった。
地形図に無い小沢の渡渉。スノーブリッジの崩落怖く川床に降りて渡った。
地形図に無い小沢の渡渉。スノーブリッジの崩落怖く川床に降りて渡った。
針葉樹林帯を抜け無事取付き点前の橋に到着。どっと疲れが出てきた。
針葉樹林帯を抜け無事取付き点前の橋に到着。どっと疲れが出てきた。
復路の林道は気温上昇でワカンでも沈む。踏切が見えて漸く終了。緊張と疲労が大きかったがリベンジの苧巻岳、やはり素晴らしい山だった。 (スライドショー終わり)
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復路の林道は気温上昇でワカンでも沈む。踏切が見えて漸く終了。緊張と疲労が大きかったがリベンジの苧巻岳、やはり素晴らしい山だった。 (スライドショー終わり)

装備

個人装備
アイゼン ピッケル ポール ワカン GPS

感想

1.標高1,000m足らずの無名に近いローカルの寂峰だが、何故か自分を惹きつけ魅了して止まないピークと言うものがあるものだ。

2.それはその地で小粒ながらも凛として毅然と屹立するその姿なのか、或いはブナの大木などが創る美しい林相やそこに注ぐ清流が多様な動植物を育む自然の姿か、はたまた謂われ深いその山名なのか、兎に角片道190キロ余もの遠方から足繁く私を通わせる魅力の何かがあるのだ。

3.今回の山、苧巻岳(おまきだけ)もその一つである。そもそも浅学菲才でお恥ずかしい話だが、この山名の最初の一文字「苧」の読みや意味も最初は解らなかった。しかし、往路立ち寄った昭和村の「からむし織りの郷」(施設)で苧がカラムシやオと読み、それを織ったものが日本三大古布の一つであること等を知って、この山名にも強い興味を抱いていた。

4.そして、今から7年前の4月この山の南尾根から登頂を狙ったが、予想を超える消(少)雪と激しい藪の露出で敢え無く敗退していた。この時は「日本国」(新潟山形県境、555.4m)の例に見られる様な?山名に惚れ込んだ衝動的登山だったかも知れない。

5.今回はこの山の北尾根から再挑戦し、念願のピークに立つことが出来たものである。薮山の残雪登山はルートの状況判断が難しい。特に急峻な細尾根では、早過ぎれば軟雪や雪庇の崩落リスクがあり、遅すぎれば尾根残雪のブロック崩落や踏抜け、更には藪が露出する難しさがある。

6.今回は気温急上昇で谷筋の雪渓崩落が始まっていたほか、尾根上部も藪化して回避に苦労、小さなヒヤリハット(雪渓没落等)もあったが、すっかり魅了されたピークをなんとか一つ登頂することが出来た。

7.下山後は疲労解消と長距離運転の安全を期して久し振りに温泉宿に一泊し帰宅した。体力は確実に落ちていることを痛感した。 (了)      

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コメント

tonkaraさん、こんばんは。念願の山の一つ、登頂おめでとうございます!

苧巻岳、以前聞いたことのある山名だな・・と思いましたが、田子倉湖畔の苧巻岳とは違う山なのですね。
これは登高意欲をそそる姿です。tonkaraさんでなくとも、登ってみたくなります。
下山後は温泉宿に一泊・・いいですね!
2023/4/1 18:49
kamadamさん、こんにちは

早速のコメント、いつも有り難うございます。
お陰様で7年越しのリベンジを達成することが出来ました。体力減退で目いっぱいの再挑戦でしたが、kamadamさんの何時もの素晴らしい残雪レコが刺激となって後押ししてくれました。本当に有り難うございました。

無雪期に尾根を遠望すると山頂直下でザレ場の裸地が見え、尾根取付き迄の藪も濃く単独ではリスクが高いと逡巡しておりました。今回残雪期に一番緩やかな北方尾根を選んで挑戦したところ、結果的にベストな残雪状況と天候に恵まれ登頂出来ました。小粒なピークですが、奥会津に多いスラブやザレ場はやはり単独行の小生にはリスクです。

この季節奥会津の温泉宿は貸し切り状態でした。各所微妙に泉質も異なり観光化していないのでゆっくり楽しめますね。是非又こちらの山にもお越し下さい。

(シーズン終了で昨日冬タイヤの交換作業をしたところ、悲しいかな今朝は腰の筋肉痛です。(笑)
2023/4/2 6:41
tonkaraさん、丁寧なお返事ありがとうございました。

深沢温泉には私も会津朝日岳下山後に立ち寄りました。只見はいい所ですよね。学生時代にはキャンプもした思い出の地です。

会越の山々は豪雪によって削られた急斜面や細尾根が多くて、たとえ標高が1,000mに満たなくとも、登頂は相当困難なものがあると思います。雪面がしっかり締まっているタイミングはとても短いかと。
秋田周辺でいい時期は、朝は氷点下で、日中は上がっても概ね12度ぐらいの晴天という感じですが、南東北だと気温が全般に高くなり、ベストなタイミングはより短くなるのでは・・と推測します。それにザレ場だと雪崩の危険も高いですね。豪雪地帯で雪崩や崩壊などのリスクはずっと大きいかと思います。そんな地での単独登頂ですから、価値も大きいのではないでしょうか。

この週末は最高の天気でしたが、私の方は年度末の疲れで早起きできず、里山散歩で終わりました。多少の藪漕ぎをいとわなければまだ雪山を楽しめますが、今年は早くも雑用中心の週末の始まりです。やり残した山行は来期以降に回して、体力維持のモチベーションを保ちたいと思います。今期もレコを詳細にお読みいただき、またコメントをいただきまして、ありがとうございました。
2023/4/2 19:37
kamadamさん

今回の残雪ルートはそれなりの鋭峰ゆえ小生には実質的に尾根ルートしかなかったのですが、行政や警察は勿論、ネット情報も皆無でした。現地に”残雪登山”を知る友人でも居れば良いのですがそれも居ません。結局のところ今回も凡そ190キロ走って現地を眺めて見なければ分からず、”行って見てのお楽しみ”状態でした。仰るとおりベストなタイミング選びが一番の難しさでした。

駄目な場合に備えた代替(今回は蝉倉山/823.3m)も準備していましたが、結果的に前日の下見で挑戦可能と判断出来ましたが、これには前回の南会津(袴腰山)の残雪状況と、過去7年このピーㇰを地形図だけではなく、色々な角度(大倉山やもう一つの苧巻岳等)から眺めていたことも奏功した様に思います。

情報の無い(少ない)未踏の薮山を幾つも踏破されて居られるkamaさんですから、未熟な小生が抱く単独行残雪登山の不安や悩みはある程度ご理解頂けるのではないかと推察しております。

もっとも、こうした悩みや不安等の葛藤を乗り越え踏破する達成感や楽しみこそが薮山単独行の”真骨頂”なのかも知れません。負け惜しみでそんな風にも考えております。(駄文失礼致しました。)
2023/4/3 18:04
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