阿多野郷川真谷(南乗鞍)
- GPS
- 10:29
- 距離
- 14.8km
- 登り
- 1,449m
- 下り
- 1,438m
コースタイム
- 山行
- 9:41
- 休憩
- 0:48
- 合計
- 10:29
天候 | 曇後晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2023年04月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
シートラした登山道は一部不明瞭 |
写真
装備
個人装備 |
薄手フリース上着
モンベルストームクルーザー
シェル長ズボン
タイツ
ネオプレーン靴下
替え靴下
未脱脂毛糸手袋
3フィンガーミトンオーバー手袋
3mm厚ネオプレーン手袋
ワークマンバラクラバ
ソフトブーツ
35lザック
ビーコン
エキスパートジャパンレッドパッド
ゾンデ
コンパス
呼子笛
ヘッドライト
予備電池
ファーストエイドキット
ガムテ
針金
スマホ
腕時計
タオル
ウィペットx2
アクションカメラ
スノボ板withビンディング
スノーシュー(シール登行の場合はスノーシューなしでシールとスプリットボード用クランポン)
ドライバー
アイゼン
ハイドレーションの水1l
パン
菓子類
ルベルソ
テープスリング数本
ハーネス
ダウン長袖
ダウンズボン
メット
ツェルト
グラサン
眼鏡バンド
ゴーグル
ナイフ
144 or 430MHz帯FMアマチュア無線トランシーバー
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感想
乗鞍岳の南面に行くという提案が興味深く、参加した。シール歩行は少なく、シートラのきつさに高度障害にもなり、ヘロヘロでドロップポイントまで。
滑走は私にも楽しめるくらい素敵な雪でした。良かった。
そして、下山は沢を下ろうとしたが、繋がっておらず、薮を漕いで尾根から。板担いでの藪漕ぎは十年ぶり?最後は疲れ果ててましたが、充実の一日でした!
◆事前
継子岳から見た乗鞍南面の溶岩流(棚・東谷溶岩流?)の白い斜面が気になって提案。南面かつ少雪シーズンなので行けるかどうかは不明だったが、まぁ探検ということで向かう。
◆ゲート〜登山口〜尾根に乗るまで
東谷に延びる林道を辿って、適当なところから尾根に乗ればいいと思っていたが、そんなに甘くなかった。藪を厭わないchuki氏が『夏道の方がいい』ということで、当初想定していなかった夏道へ。林道の長さもまぁまぁ、山道入ると急登&トラバース気味という登りで、かなり体力削られる。
◆中洞権現ノ尾根〜森林限界
尾根に登り上げると積雪があってシールにチェンジ。最初は斜度も無いので歩きやすい。尾根が狭まってくるとクライマーズライト側に真谷を見下ろしながらの歩行になった。この時点で最初狙っていた溶岩流は雪なしで無理と判断。大日岳方面も沢に雪はあるものの、あまりそそる斜面状況ではなかった。
森林限界(2500m)まで来ると、クライマーズレフト側の黍生谷も見えるようになる。真谷も黍生谷も上部は滑りごろで悩むが、黍生谷の方が登ってきた尾根に戻り易そうだったので黍生谷滑降を提案する。
◆森林限界〜中洞権現
後続を待って森林限界スタート。chuki氏は黍生谷よりを進むもハイマツに阻まれて進めないということなので、おとなしく夏道を辿る。この夏道が点線ルートというだけあってあまり明瞭でなく、両サイドからハイマツが覆いかぶさって歩きにくい。板をA型に取り付けたのも災いして、常にひっかかるので苦労した。一本背負いにすればよかった。
標高2600mまでくると、両沢の状況がよくわかってきた。黍生沢は2550mあたりで顕著な沢地形は終わっていて、それ以上は緩斜面でハイマツ迷路になっている。一方真谷は稜線から切れ落ちていて雪つきが良かった。滑りだけなら真谷だが...。
するとchuki氏が真谷滑降と藪漕ぎを提案してきた。確かに林道にダイレクトに下りれるのは効率が良い。長い夏道と林道をシートラするぐらいなら、藪漕ぎ冒険でショートカットするも悪くないと思って承諾。
Fujico氏は高度障害だと言っていたので、早く高度を下げるなら目の前の真谷のほうがよいというのもあった。
◆真谷滑降
風を遮り、日光がよくあたる斜面の向きだったこともあり、雪質は滑りやすいザラメだった。デブリやクラックなどの荒れもほとんど無く、高度感のある滑降はなかなかのものだった。標高差700ぐらいだろうか。スケールのある谷で、滑りごたえがある。
沢が割れてからは少しシートラで下るものの、そのまま谷通しで降りることは難しく、少し登り返して台地上の小尾根に乗り上げて下ることになった。
◆藪漕ぎ下山
後から考えると小尾根への激藪漕ぎが核心だった。登り、かつ灌木混じりのオーバーヘッド笹薮はサクサク進むことを許してくれない。ずっとこれなら下山は何時になるんだ?と頭をよぎる。が、尾根に登り上げてしまえば所々雪があり、滑ることもできた。沢に降りる手前は両側切れ落ちた細尾根になっていたり、笹の急斜面があったりしたが、慎重に木や笹をつかみながら降りることができた。その後何回かの渡渉でコケたりもしたが、予想よりはスムーズに下山。林道終点から望む真谷全景がかっこよかった。
◆感想
これがchuki氏の好きな山滑りスタイルなんだと実感した。
●行先選定等
俺的には第一候補は爺が岳白沢やったけどritz氏とonline meetingし、白沢ガリガリ君説浮上。先月いった継子岳から見えてた乗鞍岳南面は どない?というので、そういえば、俺もチャオから見える乗鞍岳の斜面を滑ってみたかったんやと思い出し、ほなそこにしよか となった。二人くわわり計四人パーティになったが、一人 仕事が遅くなり前夜仮眠時間が十分とれないとのことで脱退し最後は3人パーティに。
道の駅 三岳に集合。一台に乗り合わせて阿多野郷へ。林道はキャンプ場を過ぎると凸凹の悪路になり、喋ると舌かみそうな車上下動を味わえた。
●林道
とにかく雪が少ない。駐車地に10平方メートル?ほどの雪があり、おおおってなるw
登る予定にしてた尾根へのアプローチ林道分岐でも、やはり雪は皆無。夏道から登ろってゆーたけど、ritz氏は現場みてみたいとゆうので分岐から入っていくが、やはり雪なし。踏み跡っぽく見えるところを少し藪漕いで進むが それ以上は踏み跡はなく、登り降りを予定していた神立尾根(東谷と真谷の間の乗鞍岳まで続く広い尾根)まで結構な標高差の藪漕ぎが必要となりそう。やめよやめよ、夏道や、と引き返す。が、意外に二人とも藪漕ぎ耐性があるな、ってことでritz氏の恥骨軍団入団テスト合格。
戻って林道を夏道に向かうことにする。スキーのプラブーツ兼用靴の人に「待っとくから車からスニーカーとってきたら?」と言うと「不要」とのこと。厚かった雲が段々薄くなってきて期待が高まる。そう、晴れなければガリガリの可能性もあるのだ。朝イチは行こか戻ろか迷っていたが、雲が薄くなるにつれ、その迷いも消えていく。沢水が深さ踝ほど、幅 約3m林道を横切っていて飛び石で渡る。林道と登山道の分岐があり、林道の先を偵察にいくと、倒木落石のデブリの向こうに真新しい堰堤があり、そこで林道は終わっていた。この林道、ゲートより手前のほうが荒れていて、ゲートより奥のほうがフラットで車で走り易そう。
●登山道
破線ルートの登山道を登っていく。最初、急登でキツかった。ところどころ残雪があるが、ズボる箇所は少ない。ピンテがそこかしこにあり迷い難い。標高2070mから ようやく雪が続きそう、ってことでシートラ→シール歩行。
●シール歩行
なだらかな針葉樹林帯だが、木陰で残雪豊富。地形は出てきているが、シールで登るのは問題ない。問題は、ここを滑る、ということ。ガリガリのところも多くて全くもって楽しめなさそう。コケないように滑るだけになりそう。この辺りから_Fujicoは しんどそうにしていた。森林限界を超え、登山道が露出してハイマツ帯になったあたりでクライマーズレフト側の沢にドロップできないか偵察に行くが、ハイマツ藪漕ぎしないとドロップできない。もう少し上に行けばドロップしやすいところあるはず、と少し引き返して、再びシートラに。
●シートラ→ドロップ地点
お日様パワーが凄い。朝の曇天は何処へやら。麓の阿多野郷集落もよく見えている。この分やと陽が当たってる かつ 風に叩かれてない面はエエ感じに緩んでるやろなと。実際、シートラで登ってる時も そんな感じ。が、どこを滑るのか。登山道でさえハイマツに覆われルートが分かりにくくなってるようなところもある。雪はいずこ?最初、クライマーズレフト斜面お目当てだったが、登るにつれ、クライマーズライト側の沢がイイ感じに見えてくる。お日様パワーをもっとも受ける面でもあるし。標高2650mあたりまでくると、屏風岳、大日岳の斜面が見えてくるが、結構 風に叩かれてそうで緩んでるようには見えないし、上からドロップしても、平地をしばらく歩かないと下にいけない。もういいやん、これ、地形図で真谷って書いてあるとこ、ええ感じに緩んでそうやし斜度もええし、ここいこ。登り返すか、そのまま沢下降&途中から台地上に出て、この地形図の林道に出れるやろ、藪漕ぎあるやろけどなんとかなるやろ。そういえばロープ持ってきてないな、6mm6mのロープスリングがあるだけ。まぁなんとかなるやろとritz氏と言い合い、_Fujicoはどう思ってたか分からないまま準備してドロップ。
●スノボ滑降
ドロップ地点からフォールラインをいくと、岩が露出しているところにいってしまうので、最初だいぶスキーヤーズライトにトラバースし、下までの活路が見えたところで下に落ちていく。雪面はエエ感じに緩んでいてきもちいい。ネット上の山スキーヤー達がシャウダーと呼ぶ状態だろうか。雄たけびをあげながら標高200mほど落として最初の喉を通過したところで切って後続に無線を入れる。
次の喉はクラックがあり、慎重に超える。
あとは斜度が緩んで、これまた気持ちよく、世界の七不思議でデブリの全くない面ツルシャウダーを落としていく。暫くすると、落石の小石がトコロどころに出てくるが、スピードを落とさなくてもよけていける程度。
いよいよ残雪エリアが狭まってきて、最初の沢割れ地点に到達。無線を入れ、後続を待つ。
●沢下降
板を外して数m歩いて また滑る。板をを外して数m歩いてインゼルになってる滝の中央を降りて また滑る、と2回ほど繰り返したあたりで20mクラスの滝に出くわし、笹薮の笹をつかんで降りれるかとも思ったが結構 たっているので、やめにしてスキーヤーズレフト側の台地に這い上がり易そうなところまで戻ることにする。ドロップ前に目星をつけていたところや。
が、だいぶ登り返したが、這い上がり難そう。で、方針変更でスキーヤーズライト側の 藪の低そうな尾根にとりつくことに。また登り返して、とりつきやすいところを見つけ、最初はトラバース気味に進むが、笹と低木のハイブリッド藪が混んできて こりゃ直上して尾根に出たほうがマシやわ、と、後ろのritz氏に その旨 伝える。ritz氏は早々にストックをしまって両手で笹を掴んでサッサと登っていった。_Fujicoもサッサと。俺は既に濃い藪にハマっていて、ザックを降ろしたり また担いだり、色々しながら ようやく残雪の塊がところどころに残る笹の茂る尾根に上がれた。
●尾根下降
しばらくはシートラのままで なるべく残雪の上を歩いて、降りていく。さほどズボらなかった気がする。少し降りると、針葉樹林帯となり、残雪がつながっていたので迷わず板を履く。_Fujicoはシートラのまま降りていった。途中、尾根がなるくなったところでスキーヤーズレフト側に広い空間が見えたので行ってみたが、巨大な倒木が何本も横たわっていて とてもじゃないが滑れなかった。空間があるのは倒木のせいやった。で、また少し歩いたあとスキーヤーズライトに戻り、再度 板にのって降りていく。斜度がきつくなる手前で雪がなくなり、再びシートラに。そのまま尾根をいくと、だんだん尾根が狭まり、日本の痩せ尾根百選になる。
両側は切れ落ちている。忠実に尾根を辿るが、これ、下までロープなしで降りれるのかと、少し心配になる。スリングでなんとかなるかとも思う。が、うまい具合に降りれて、道でも踏み跡でもないとは思うが、板が引っかかることもあんまりなくて、笹原の斜面に出て、滑るように降りた後、熊が笹薮を漕いだであろうトレースを見つけ、とはいえ出くわしたら怖いので呼子を吹いたりしながら楽をさせてもらう。川原に出る手前で後ろ向きに落ちかけて一人、焦っていた。なんとか体勢を戻して川原に降り立ち、少し渡渉して安定したところで_Fujicoを待つ。
●沢下降
何度も沢を渡渉し、ソフトブーツの中だいぶ濡れた状態で歩いていく。地形図でも分かるが等高線の間隔は広く川原も広い。GPSで照合し地形図上の林道終点に着いたっぽく、空間がありそうなところを5mほど残雪利用で這い上がると、そこがまさに林道終点やって、暫し休憩。
●林道歩き
再び林道を歩く。白山周辺のどこぞの林道とは違い、草が刈られてるようで林道上の藪漕ぎはせずに、ふかふか歩き易い林道歩きで下山。
●まとめ
シャウダーの滑りは斜度的にも雪質的にもサイコーやった。沢下降から尾根へ移るタイミングは もう少し早めに見切りをつければ比較的楽できたとは思うが、前情報なしで目視確認のみの初見で今回のルートどりが出来たのは、結果オーライとはいえ、ある程度 勘があたって良かった。が、オススメはしない。あと、夏道でリュックを降ろした時かハッキリしないが、購入後1ヶ月のスマホのカメラレンズが割れてしまったのが痛い。ついでに、おそらく日本の痩せ尾根百選か笹原を滑って降りた時か、シェルのズボンのケツがスパっと破れてしまったのも これまた…、まぁ沢登りと思えば普通か。
●下山後
けやきの湯で入浴。木曽福島のR19沿いの喜多郎ってゆう中華料理屋さんでニラホルモン定食を食って関東組とバイバイ。すぐに眠気が来て道の駅 賤母で車中仮眠。2〜3時間で起きて、中津川ICから高速、また眠気が入り、草津PAで仮眠。朝6時頃また起きて、西チベに帰宅。メキシコに1w出張に行くという妻を伊丹の飛行場まで送った。
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