【台灣南投縣】馬海濮溪(マヘボ溪)溯溪


- GPS
- 08:43
- 距離
- 15.4km
- 登り
- 1,069m
- 下り
- 1,078m
コースタイム
- 山行
- 8:43
- 休憩
- 0:00
- 合計
- 8:43
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2023年05月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
・勇士瀑布まではメジャーな溯溪ルートで、踏み跡も濃い。 ・さらに上流は本格的な沢登りルートとなり、踏み跡は薄いが、数日以内に遡行された形跡があった。 <2023年11月追記> 備考:2023年8月に廬山温泉を土石流が襲い、温泉街の大部分が壊滅した。馬海濮溪の下部も土砂に埋まった可能性が高い。 |
その他周辺情報 | 【地名】 ・馬海濮溪は、中国語ではマハィプゥシーと読む。日本語として読むならバカイボクケイ。 ・日本統治時代の地図にはマヘボ溪と書かれている。 ・馬海濮も、原住民の発音の当て字であり、表記には揺れがある。 ・勇士瀑布という滝名は、霧社事件(1930年に台湾原住民のセデック族が蜂起した事件)の首謀者であったモーナ・ルダオに因んでいると思われる。この馬海濮溪の上流には馬海濮岩窟と呼ばれる、蜂起したセデック族が立て籠もっていたという岩屋もあるなど、戦地として歴史が色濃い場所である。 【他の記録】(中国語) ・本流を能高山まで詰めた記録 http://web.thu.edu.tw/deborah/www/index2/record/M/mahaipu.htm ・枝沢を馬海濮富士山まで詰めた遡行図 https://dar999.pixnet.net/blog/post/30143824 【その他】 ・廬山温泉は、鬼怒川温泉のように川沿いの廃墟が多く、何ゆえかと思ったが、土石流危険地であることを理由に当局が立ち退きを求めており、それでも営業を続けている施設だけが営業を続けているためであった。 (2023年11月追記:2023年8月に実際に土石流により大きな被害を受けた) |
写真
装備
備考 | ・フェルトソールのほうが良さそうだがそれでもよく滑る ・上流へ行くならウェットスーツ推奨 |
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感想
【計画の経緯】
台湾遠征も残り2日となったこの日は、メジャーで溯溪の記録も多く、温泉も楽しめそうな、馬海濮溪へ行ってみることに。結局翌日は雨で、これが最後の沢になってしまったのは残念だったが。
【山行】
超明瞭な踏み跡を辿って沢に入ると、何だか水がぬるくて濁り気味。遡行していくとそこかしこから湯が湧いており、流石は温泉で知られる沢。折角なので入浴しようと、熱すぎるところに水を引いて適温にしてから暫し堪能。その先にも小滝の脇の甌穴が素晴らしい浴槽となっているところがあり、そこも堪能した。後から思えば、ここがこの沢のハイライト。
その先もあちこちで湯は湧いており、送水設備もあって、廬山温泉の宿泊施設にも送られているようである。堰堤を2つ巻くと温泉は無くなり、何やら川の中が地ならしされ、工事が行われていて興醒めである。
橋をくぐると嫌らしそうな堰堤が出てきて、水線直登も考えたが、水流が強すぎて却下。左凹角を見てみると、うまいこと配管が上まで繋がっているようだったので、これを登ってみると、幸い問題なく登れた。ここは、通常は車道で巻くところだろう。
その先は概ね平凡な様相が続き、退屈する。勇士瀑布が近づいてくるとゴルジュになり、最初の2m斜瀑は苦労してtamoshimaだけ直登。しかしその先の滝はかなり厳しそうなので、明瞭な巻き道を使って巻くことに。巻いて辿り着いた勇士瀑布は、落差は大したことないが、抉れた落ち口が滝が辿ってきた歴史を感じさせる。直登は無理なので少し戻って左岸の踏み跡を辿り巻いたが、悪場には残置ロープがあり助かった。どうも、勇士瀑布も溪降の対象となっているらしく、落ち口に残置ボルトもあった。
勇士瀑布を巻き終えるとまた平凡な沢となり、退屈するが、我慢して歩くと7m2段CS滝が出てきて、ここも岩がつるつるで、結構登りにくい。その先も大したものはなく、脱渓点として考えていた枝沢の出合に至る。
まだ時間には余裕があるので、もう少し本流を進んでみることにする。すると見た目より登りにくい8mの末広がり滝が出てきた後、岩間7mCS滝と続き、だんだんと側壁が高くなってくる。1.5m滝からはいよいよゴルジュ本番という感じで、さてどこまで進めるだろうかと思ったが、つるつるのナメ滝の直後に出てきた9mCS滝で早くもストップ。これは普通のやり方では登れそうにない。巻くとしても300mほどの大高巻となるだろう、ということで、引き返す。実際、これ以上進めてしまっていても、下山が遅くなるので、ちょうど良かった。この辺りでは水もかなり冷たく清冽になっていて、流石は中央山脈主稜に源流を持つ沢という感じであった。最後に、台湾の本流筋の沢の厳しさを少しだけ窺えて良かったかな。
戻って枝沢に入ると、すぐに滝が2つ。適度に登り応えがあって悪くないが、過ぎると広大なガレゴーロとなり残念。いつしか水も涸れ、涸れたゴーロを進んでいき、適当なところで谷を離れて農道を目指す。登っていくと、取水パイプが現れ、それを辿ると無駄に登ることなく茶畑の真ん中に飛び出した。あとは長い長い農道を下り、車まで。
【総評】
下部の温泉は至る所から湧いていて凄いが、それ以外は概ね平凡で、わざわざ遡るほどでもないように感じた。1.5時間くらいで、下部の温泉だけ楽しむのがお薦めである。
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