天狗岳


- GPS
- 32:00
- 距離
- 8.8km
- 登り
- 815m
- 下り
- 810m
コースタイム
10:10 渋の湯
11:10 パノラマコース分岐
11:45 唐沢鉱泉への分岐
12:47 黒百合ヒュッテ
【2日目】
7:00 黒百合ヒュッテ
7:08 中山峠
8:12 東天狗岳 (8:40出発)
9:35 黒百合ヒュッテ (10:25出発)
10:42 唐沢鉱泉への分岐
10:55 パノラマコース分岐
11:15 渋の湯
天候 | 1日目:雪のち晴れ 2日目:快晴 |
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過去天気図(気象庁) | 2010年01月の天気図 |
アクセス | |
コース状況/ 危険箇所等 |
1.登山口まで 車で登山口のある渋の湯を目指す場合は、高速を諏訪ICで下りて県道191号線を進むのがいいと思います。カーナビによっては、国道299号線から渋の湯の手前に合流する道を通るように指示されることもあると思いますが、この季節は雪が深くて通行困難です。県道の方は除雪がしっかりしていますが、特に渋の湯手前の登り道では、降雪の直後ということもあってスタッドレス・4WD車でもハンドルを取られるような場面がありました。雪道の通行にはかなり時間がかかります。 渋の湯の駐車場は20台程度のキャパ。駐車料金は1日1000円。車の鍵を渋の湯に預けるシステムです。駐車場に併設してトイレあり。 2.登山道 【1日目】 渋の湯から川にそって少し奥に進むと登山ポストのある小屋があり、そこから橋で対岸に渡ると山道になります。登山道は雪に覆われていますがトレースはしっかりあり、よく踏まれていました。降雪直後で林が切れているところなどでは足跡が埋もれていましたが、道の形はわかります。赤テープも木々に巻きつけてあります。 高見石への分岐を過ぎて、パノラマコースのある稜線に上るまではやや急な登り。稜線上、唐沢鉱泉への分岐までは穏やかな登り道です。そこから黒百合平までは淡々とした登りが続きます。傾斜はそれほど急ではないのですが、雪で歩きにくいためか景色が単調なためか意外ときついです。登山口からずっと樹林の中ですが、急に空が開け明るくなったと思ったらそこが黒百合平。 【2日目】 ここからはアイゼンが必要です。黒百合ヒュッテから更に東へ進み樹林の中へ。(ヒュッテの目の前の坂に延びているトレースは天狗の奥庭に続いている道です)樹林を少しすすんだところが中山峠。十字路になっている峠を右に折れ、樹木が切れたところで広い雪原に出ます。晴れていれば、目指す東天狗岳と西天狗岳を望むことができます。道標が立っているところで道は左に向きを変えて再び樹林の中へ。ここまでは道に沿ってロープが張られているので、視界が悪くても注意深く探れば大丈夫だと思います。 樹林帯を越えると岩を超えて進むような場所があり、そこから雪面の急登となります。トレースは概ね夏道と同じように稜線東側の断崖に沿ってついていますが、東側には雪庇が張り出しているのであまり近づきすぎると危険です。このあたり視界が悪いと道を見失いそうです。 天狗の奥庭からの道を合わせたところに道標があり、ここから天狗ノ鼻まで岩稜帯となります。天狗ノ鼻の岩場は西側(右手)を巻きます。西側を巻くのは間違いないのですが、どこを通るかは人それぞれのようで何本もトレースがつけられていました。個人的には最も最下部を通る道が一番楽でしたが、この辺は雪のつき方とかで難易度が変わってきそうです。岩場を越せば目指す山頂はすぐそこ。山頂からは360度のすばらしい景色が見渡せます。往路を慎重にたどって下山。 3.幕営地 【黒百合ヒュッテ】 幕営料は1000円。雪をならして設営。冬季水場はありませんが、綺麗な雪は豊富にあるので溶かして使います。小屋に併設してトイレあり。綺麗で使いやすいトイレです。 4.その他 17日朝、ヒュッテ玄関の温度計を見るとマイナス22℃。このくらいになると全てのものが凍りつきます。飲料用や水つくり用の水など、凍ってほしくないものは抱いて寝ましょう。ライターも気化しないので火がつきません。こうなると有難いのは温かいものです。テルモスに入れた熱い飲み物など用意しておくと、山頂で幸せな気分が味わえます。とてもじゃないですが、冷たい食べ物は摂る気がおきません。ちなみにデジカメの電池も低温には弱いので、行動中、予備の電池を懐で温めておくのがお勧めです。 |
予約できる山小屋 |
黒百合ヒュッテ
|
写真
感想
去年は冬山での幕営装備一式をそろえたものの、都合がつかずに結局使わずじまい。今年こそはと機会をうかがっていたのですが、週末はまずまずの天気になりそう。狙いは渋の湯からの天狗岳往復です。朝早くでれば日帰りも十分可能なようですが、今回の目的は雪上テント泊。この季節、一人で幕営というのは初めてになるので、雪山入門の山とされる天狗岳で経験値アップを目指したいと思います。
当日の朝5時に自宅を出発。予報をみると八ヶ岳の天候の回復は午前遅くになりそうなので、少しのんびりした出発です。途中、高速から見る八ヶ岳は分厚い雲に覆われ、諏訪ICを下りたころから雪がちらつく、予報どおりとはいえイマイチな空模様。昨晩から降り続いているのか、渋の湯付近の道には新雪が降り積もり、除雪車もフル稼働の様子でした。9時にはスタートする計画だったのですが、結局出発は10時過ぎ。やっぱり雪道の通行には時間がかかりますね。
渋の湯に車のキーを預けて出発。この頃には降っていた雪はやみ、雲の合間から時折青空も。午後の天気は期待できそうです。登山道ですが、新雪で足跡は隠されていましたが、トレースが消されるほどではなく少し安心。久々の雪の感触を楽しみながら順調に距離を稼いでいきます。少しきつい登りを経てパノラマコースに合流。ここから唐沢鉱泉の分岐点までは平坦な道。時折切れる樹木の間からは濃い色の青空が見えています。もう稜線でも雲がとれているのでしょうか?この頃には、設営がすんだら天狗岳に登ってしまおう、などとも考えていたのですが・・・重いザックのせいか、樹林帯の単調な景色のせいか、単なる体力不足か、そんなに急な登りじゃないはずなのに結構ばて気味。雪道に慣れていないこともあって、なんともスローペース登山になってしまいました。いまさら面倒ということでそのまま登ってしまいましたが、アイゼンをつけた方が楽だった気もします。休憩するか?でもあと少しのハズ・・・などと思いながらトロトロ登っていると、急に樹林が途切れ、目の前に広い雪原と化した黒百合平。ほぼコースタイム通りなのですが、ようやくといった感じで宿泊地に到着です。設営を済ませて時計を見ると午後1時半。天狗岳に登る気はとっくに失せ、テント内で爆睡。
時計を見るともう4時半。夕暮れ迫る天場であわてて雪集め。フリーズドライの簡単な食事をとったあと、熱いお茶をつくってテルモスへ。あまり睡眠が深くない性質なので、夜中喉が渇いたとき重宝するんですよね。
日が落ちると一気に気温が下がり、ガスカートリッジの壁面に結露した水が、下に敷いた断熱マットで凍りつく始末。いったいテントの中は何度なんだろう?着込めるものは全部着込み。帽子や手袋までつけて就寝。
朝は5時半に起床。といっても寒くてなかなか寝袋から出られない。プラスティックの水筒に入れた水は氷になっている。隣のテントが動き始めたのに覚悟を決めて朝食の準備。普段の朝は火を使わない簡単な食事ですませてしまうのですが、冷たい食事はとる気がしない。
小屋前でアイゼンをつけ、ピッケルを持って出発。小屋の前の温度計を見るとマイナス22℃!どうりで寒いわけだ。空を見ると雲ひとつない晴天。こうなると山頂からの展望は約束されたようなものです。中山峠を過ぎると目指す天狗岳が正面に。先行者はいないようですが、トレースはしっかり残っています。とりあえず一安心。初めて登る山で、特に樹林帯でトレースがないと道があってるかどうかいつも不安になります。再び樹林帯に入りこれを抜けると、急斜面の登りが始まります。雪庇に近づかないように気をつけながら、我慢の登り。風は吹いていますが、おそらくこの季節にしては弱い方なのでしょう。そこから道は岩稜帯へ。ほかの方の山行記録をみると、この通過が簡単とあったりやや難しいとあったりと気になるポイントだったのですが、個人的にはそれほど難しさは感じませんでした。ただ、天狗ノ鼻の岩場には、いくつもトレースが延びているのでルート選びには注意が必要です。最初上部のトレースを追ったのですが、天狗岳の頂上が目の前に見えているところで岩の上に出てしまいそこで詰み。しかたなく引き返して一番下のトレースをたどってようやく山頂にたどり着きました。
山頂からの景色はすばらしいの一言に尽きます。前日降った雪のため景色の全てが白一色に染まり、独特の静かな景観を演出しています。といっても写真を撮るために手袋をはずすとすぐ手が痛くなるような厳しい山頂。残念ながらあまりゆっくりしていられない。テルモスの熱いお茶を飲んで体を温めながら、景色を目に焼き付けて下山にかかりました。
黒百合平にもどってテントをたたみ、満足の下山。さすがに雪道のくだりは早く、50分で登山口に到着。初の冬山テント山行でしたが、入門の山と言われるだけあって、天候さえ間違えなければ、確かな経験ができる山だと思いました。
ホームページ「旅の道標」もよろしくお願いします
http://aralagi.travel-way.net/
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