飯豊山(石転ビ沢)
- GPS
- 10:12
- 距離
- 26.8km
- 登り
- 1,919m
- 下り
- 1,931m
コースタイム
- 山行
- 9:18
- 休憩
- 0:53
- 合計
- 10:11
06:18 県道260号分岐ゲート -> シール歩行〜シートラーゲン
07:48-08:05 飯豊山荘 -> シール登行(堰堤を越えるところのみシートラーゲン)
13:02-13:14 梅花皮小屋 -> スキー滑降
15:14 飯豊山荘先800m -> シートラーゲン
16:24 飯豊梅花皮荘
天候 | 曇のち小雨 |
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過去天気図(気象庁) | 2011年04月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
国民宿舎 飯豊梅花皮荘 |
コース状況/ 危険箇所等 |
■梅花皮荘〜飯豊山荘 未除雪で通行不可。雪は切れることなく十分付いているが、デブリだらけでシール歩きは困難。歩くのも大変 ■飯豊山荘〜梅花皮小屋 雪は多く、高巻き道を使う必要なし。 堰堤越えの階段、および「うまい水」手前のデブリの2箇所でスキーを脱ぐ必要はあるが、それ以外は飯豊山荘まで滑走可能(ただし温身平〜飯豊山荘間はほとんど傾斜なし) |
その他周辺情報 | 【風呂】国民宿舎 飯豊梅花皮荘 \500 |
写真
装備
個人装備 |
[スキー板/ビンディング/靴] KARHU:XCD 10TH MOUNTAIN/22 Designs:TeleBulldog/Scarpa: T2 '05モデル
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感想
GW前半の3連休を使って、前から行きたかった飯豊山石転ビ沢を滑ってきました。
梅花皮荘から先の道路はまだ冬季通行止め中ですが、例年はすでに雪が融けていることも多いらしく、ダメ元で自転車も持っていってみました。
が、今年は残雪が多く道路はまだ完全に雪の中。デブリだらけで、自転車どころか歩くのも困難な状態でした。あっという間にひどい靴擦れもできるし、往復10km超の道のりはかなり辛かったです。
その反面、飯豊山荘から先は平坦な河畔や沢底を普通にシールで歩くことができ、悪評高き高巻き道も使う必要なし。滑降も飯豊山荘まで楽しめました。
たぶん高巻き道を使うことなくここまで滑れたというのは素晴らしいことなのでしょうが、それ以上に梅花皮荘〜飯豊山荘のデブリ歩きが辛く感じられ、大変な印象ばかり残る山行となってしまいました。
6:13 298m 梅花皮荘発。車道をしばし戻り、通行止めゲートからシール歩行。
まだ朝早いが気温は高い。時折風が吹くのだが、それが異様に生暖かくて嫌な感じだ。今のところ快晴だが、天気予報では夕方から崩れてくるとのこと。下山するまで天気が保てばよいが。
飯豊山荘への車道は玉川右岸に切り開かれているのだが、歩き出して間もないところで、道路が雪崩で埋め尽くされている。土砂の交じったデブリの上を強引にシールで歩くが、デブリはここだけに留まらない。これは相当しんどい。
デブリのないところだって、雪は斜めに積もっているので終始トラバースを強いられる。
途中でシール歩行をあきらめ板を背負うが、歩きにくいことに変わりはない。あっという間に踝の下にひどい靴擦れができる。
1時間以上歩いてやっと平らな場所へ。飯豊山荘まではあと少し。この先は大丈夫だろう。
7:48 410m 飯豊山荘。靴を脱いで靴擦れの処置をするが、今さら気休めだ。
飯豊山荘を過ぎしばし歩くと温身平。森林セラピーロードとやらに認定されているブナ林の気分の良い道で、やっと調子がでてくる。
そのまま川に沿って南に向きを変え、梅花皮沢左岸を進む。この辺りはまだまだ河原は広く傾斜も緩い。
8:40 514m 堰堤。これはどうやって越えるのだ?と思いつつも近づいてみると、堰堤の脇に階段があり、そこから登っていけた。
堰堤を越えたら再び河原に降り、シール登行を続ける。
8:58 559m ここで川はS字に折れ曲がる。
河原は狭く、山のようなデブリで埋め尽くされている。ここを越えていくのは相当面倒だ。
いったん右岸に渡ってデブリ帯をパスすることもできそうだが、左岸に戻るポイントには今にも崩壊しそうな細いスノーブリッジがあるのみ。
左岸上方に登山道らしきものも見えるが、どうやらもっと手前から高巻き道になっていたようで、今さらあそこまで登るのはちょっと難しい。
どうしようか迷うが、ここは思い切ってスノーブリッジを渡りましょう。
無事に渡り終わって振り返ると、手前から見えていた以上に危うい状態であったことに気付く。帰りは面倒でもデブリの山を越えることにしよう。
ちなみに例年はこんなにも雪はなく、まだまだ先まで雪渓歩きなどできない様子。なのでどの記録を見ても先ほどの高巻き道を使っている。
これがスキー登山者には厳しい道のようで、ザックに付けたスキー板が木に引っかからないよう終始腰をかがめて歩く必要があるとか、急斜面で道が細く、足を滑らせ滑落しそうになるとか、相当歩きづらいらしい。
今回は残雪が多く飯豊山荘までの車道歩きで苦労したわけだが、代わりにこの高巻き道を歩かずにすんだ。特に下りは飯豊山荘までずっと滑れるわけで、実は飯豊山荘までの苦労以上のメリットがあったのかもしれない。
S字を越えしばし左岸を歩くと川は完全に雪の下に埋まり、雪渓らしくなってくる。
ここまで前にも後ろにも人の姿はなく、先行者のトレースが1本残されているのみ。本日のものらしく、下りシュプールは見あたらないのでそのうちどこかで行きあうだろう。
人気ルートだと思っていたのだが、GWはまだ時期が早いということか。確かに自分も、今後は除雪完了前に来ることはないだろう。
9:23 664m 滝沢出合。通行止めが解除される5月中旬以降になると、この辺りでやっと高巻き道を降りて雪渓に出られるらしい。ここまで高巻き道というのはさすがにイヤだな。
10:09 860m 石転ビ沢出合。この辺りでみぞれ交じりの雨が降り出す。予報よりだいぶ早かった。残念だがしょうがない。これ以上強くならないことを祈る。
石転ビ沢に入ってからもしばらく傾斜は緩い。ここまで登りらしい登りはなく、ほとんど標高は稼いでいないのだが、飯豊山荘までのデブリ歩きのせいかいい加減疲れた。この辺りでゆっくり休憩しましょう。
その後も梅花皮小屋まで登り通す気力はなく、1時間もしないうちに再び休憩。もちろん疲れたということもあるが、それよりも歩くことに飽きてきた。
しかし本石転ビ沢出合付近から傾斜は増してきて、それとともになぜか調子も上がってくる。
ベタ雪のためシールが良く効き、ほとんど直登でグイグイ登れる。見下ろすとけっこうな急斜面なのだが、登っているとあまりそれを感じない。上部は35度くらいあるが、それほどあるようには感じず、多少斜登行する程度でシールで普通に登っていける。
13:03 1847m 梅花皮小屋着。やっと着きました。
稜線上は風が強くとても寒い。余裕があれば北股岳か梅花皮岳に登ろうとも思っていたが、寒くてその気になれないし、帰りの車道歩きを考えると余計な時間を使いたくない。下山後に温泉に入りたいのだが、日帰り入浴が夕方までの宿も多いのだ。ピークハントより風呂優先である(ちなみに梅花皮荘は19時まで日帰り入浴可能だった)。
先に登っているはずの先行者は見当たらず。本石転ビ沢狙いで梅花皮岳に登っているのか。
13:14 滑降開始。雪は水分を多分に含んでいるが、適度なザラメで快適に滑れる。無木立の急斜面がずっと下まで続くが、滑落の恐怖を覚えることもなく、勢いよく滑っていける。
本石転ビ沢出合を過ぎた辺りで、登っている時にはなかったシュプールを発見。やはり先行者は本石転ビ沢を滑ったようだ。こちらは本当に急傾斜で、上部は45度くらいある。たとえ今日のような滑りやすい雪でも、自分はちょっと滑る気になれない。
門内沢出合近くまで滑ると傾斜は緩くなるが、良く滑る雪質でむしろ上部急斜面よりも楽しい。ところどころ真っ白なストップスノーが交じっているため、滑りやすい雪面を選んで滑る必要はある。
門沢出合、滝沢出合とそのまま雪渓を快適に滑り続け、やがてS字カーブへ。
登る時に渡ったスノーブリッジはいよいよ崩壊寸前。ここは安全に板を担いでデブリの山を越える。
その後はほとんど傾斜のない左岸を滑る。堰堤越えの際は板を担ぐ必要はあるが、それ以外はところどころストック漕ぎが必要なものの総じてスムーズに滑ることができる。
14:33 451m 温身平。ここにだけ深く霧が立ち込め、いかにもブナの森といった感じ。
しかし板は思った以上に滑らない。ほとんど歩くような感じで温身平を抜ける。
14:51 410m 飯豊山荘。この先の橋を渡ったら再び恐怖のデブリ地獄だ。しばし休憩し残りの食料をたいらげ、無理やり気合いを入れて歩き始める。
お約束のようにあっという間に往路とは反対側の足に靴擦れができる。
いい加減イヤになったところで、やっと対岸に梅花皮荘が見え始める。
実は梅花皮荘の裏から直接この道路に出られる歩行者用の吊り橋があり、ここを渡れば車道を大きくショートカットできるのだ。距離もだいぶ短縮できるが、なによりデブリ帯を少しでもパスできるのがうれしい。
16:25 296m 駐車場着。なかなかしんどかったが、満足感は大きい。
疲れを癒やすべくそのまま梅花皮荘の風呂へ。とても良い風呂だった。宿としてもキレイだし、機会はなかなかなさそうだが、今度はゆっくり泊まりたいものだ。
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