福知山線廃線跡〜武田尾温泉


- GPS
- 04:37
- 距離
- 8.6km
- 登り
- 176m
- 下り
- 109m
コースタイム
- 山行
- 2:49
- 休憩
- 1:47
- 合計
- 4:36
天候 | 曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2023年11月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
整備されたハイキング・コース |
写真
感想
ハイキングに興味を示される友人のM夫妻をお誘いして、生瀬から武田尾の旧福知山線の廃線跡を歩くことにする。1986年に生瀬から武田尾の間が新線が出来たために廃線となったらしい。2016年以降はハイキング・コースとして開放されているところだ。以前から紅葉の季節に・・・と思っていたのだが、毎年、機を逸し続けていたのだった。
生瀬の駅に降り立つと武庫川の対岸に広がる住宅街を眺めながら、車通りの多いR176の狭い歩道を歩いてゆく。やがて前方に名神高速の高架の下をくぐると、道路の反対側に旧福知山線廃線敷の案内が現れる。廃線跡を歩く人以外はこの道を生活のために歩く人はいないのだろう。
信号のない横断歩道で坂道を下ると、前方に狭隘な渓谷とその右岸にへばりつくように一条の線が見える。旧福知山線の廃線跡なのだろう。目を凝らすと数名のハイカーが歩いているのが見える。後からも続々とハイカーがやってくる。
渓谷沿いの廃線跡に入ると雰囲気はがらりと変わり、途端に深山幽谷の雰囲気だ。宝塚からさほど遠くない住宅街の裏手にこのような場所があると云う非現実感がこのハイキング・コースを一層、人気のあるものにしているのだろう。
廃線跡にはかつての枕木が延々と続いている。枕木の間隔が一定ではなく、また木々も綺麗に整形されていないので、時折、微妙に弯曲した枕木があるのが面白い。「落石による事故には責任を追いません」と記されたJR西日本の立て看板が目障りなほど、頻繁に現れる。空には雲が多いが、雲の合間から日差しが差すと途端に暖かく感じられる。
早速にも最初のトンネル、北山第一トンネルが現れる。トンネルの前にはベンチが設けられているが、男性のグループがビールを片手に宴会をしておられた。トンネルの中に入ると、トンネルが緩やかにカーブしているせいで反対側が見えず、ヘッデンの明かりがないと完全な暗闇となる。
トンネルを抜けると黄葉した樹々の並木の下を抜けてゆく。対岸の山肌には岩壁がそそり立ち、秘境感を感じさせる。二つ目のトンネルに差し掛かる。一つ目が319mであったのに対して、こちらは419mとさらに長い。トンネルの緩やかな弯曲のせいで、こちらもすぐに暗闇の中へと入る。
トンネルを抜けると川縁は断崖となり、その高いところを廃線跡は進む。川には小さい滝が連続し、轟々とした音をたてて流れている。上流に三田の市街があるせいだろう、川の水がそれほど綺麗ではないのが残念ではある。しかし、この風景からは上流に市街があると云うことが想像し難いような雰囲気だ。
溝滝尾トンネルと呼ばれる短いトンネルを抜けるとその先には錆びた鉄橋が現れる。この渓谷のハイライトと呼べるスポットだ。廃線跡は各所にあるが、なかなかこのような立派な橋梁を渡る機会は少ないだろう。列車では一瞬で通りすぎてしまうところだが、渓谷の上を渡る時間を堪能できるところも有難い。
橋梁の先にはすぐに長尾山第一トンネルと呼ばれるトンネルがあ。トンネルを抜けると、日差しが対岸の樹々の紅葉を色鮮やかに照らしている。廃線跡にも陽が当たるせいだろうか、途端に明るく感じられる。先の方では川縁の広場に多くの人が休憩しているのが見える。親水公園と呼ばれるあたりのようだ。
公園に到着すると、丁度、それまで休憩しておられたグループが出発されるところだった。丁度、周囲に切り株のベンチを配した大きな石のテーブルが空いたので、ここでランチ休憩にする。この廃線跡では火器の使用は禁止らしいので、この日は家内が作ったパテ・ド・カンパーニュと私が前日に作った砂肝とキノコのマリネなど京都駅の構内のル・プチメックで購入したバケットと共に持参したのだった。ブルゴーニュの赤ワインも携行したのだが、M氏はボルドーの赤ワインをご用意してくださっておられた。四人でワイン二本は多いかと思われたが、戸外ではワインが進むのも早く感じられる。
気がつけば1時間半ほどがすぎていた。いつしか太陽は雲の陰に隠れ、再び風が肌寒く感じられるようになってきた。長尾山第2、第3と短い二つのトンネルと抜けると、大きく弯曲した川の先に広いテラスのあるお店が見える。畑熊商店らしい。テラスでは大勢のハイカーがランチ休憩を楽しんでおられるところだった。
ここから先は舗装路を歩き、まもなく武田尾駅にたどり着くが、駅を通り過ぎてその先にある武田尾温泉を目指す。武田尾駅から先にも旧福知山線の廃線跡と思われるトンネルが現れるが、トンネルは途中で封鎖されており、トンネルの側壁から外に出るようになっていた。
武田尾温泉は紅葉館別庭「あざれ」と元湯の二つの旅館があるが、あざれは入浴の受付が14時までなので既に間に合わない。橋を渡った対岸にある元湯は17時まで入浴が可能なのでこちらを目指すことにする。廃線跡を歩くハイカーの賑わいからすると武田尾温泉に立ち寄る人も多いものかと思っていたが、武田尾駅を過ぎると途端に歩いている人の姿がほとんど見られない。
武田尾温泉の元湯は昭和の雰囲気を残す鄙びた感じの一軒宿であった。折しも男湯からは先客が上がったところで、小さな内風呂には他には誰もいなかった。温泉から上がると、武田尾の駅までは歩いて10分ほどで戻ることが出来る。武田尾の駅は一部は橋の上、大部分はトンネルの中という変わった駅であった。列車に乗り、トンネルを抜けるとすぐに宝塚に戻ると、別の国から舞い戻ったような感覚を味わうことになるのだった。
コメント
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旧福知山線の廃線跡、いいですね。鉄道好きの私としては行ってみたい。いや行かなくては…
と数年前に妻と桜の季節に歩きに行きました。紅葉の季節もいいですね。
少しだけ桜には早かったのですが、トンネルや鉄橋を歩けるのも楽しかったです。
いろんなところに興味を持たれる山猫さんなので「生瀬水道橋」も渡られるのかな?と考えましたが、お友達をご案内だったのでパスされたのかな?
1枚目と2枚目の写真に出てくる人専用の橋でして。私は渡りたかったのですが妻と一緒だったので「また次回に」ということにしたままなんです。妻には面白さを理解してもらえないかなとかんがえましたので。
さすが山猫さん。ランチもオシャレですね。紅葉の下でワインを飲みながらのおしゃべりも楽しいでしょうね。気温が1週間前ほどだともっとよかったかな。
レコを拝見していて、また行ってみたくなりました。
さすが、ののさん 桜の季節にここを歩かれておられましたか。廃線敷には桜も多く、桜の季節に改めて訪れてみたいな、と思いながら歩いておりました。
私も青葉台の住宅地を越えて水道橋を渡るのとを考えましたが、青葉台の丘陵を越えることを考えると思わず躊躇してしまいました。
確かにこの日は少し肌寒かったですね。それでも、紅葉の下で飲むワイン🍷は確かに格別でした😁
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