二子山中央稜（ソロ）
kaakaka
| 天候 | 晴れ 気温25度越え |
|---|---|
| 過去天気図（気象庁） | 2015年04月の天気図 |
| アクセス |
利用交通機関：
自家用車
|
| コース状況／ 危険箇所等 |
ほぼ夏山です。ブヨみたいな虫も出始めてますので、虫除け対策があった方がいいかと（無駄だろうけど） |
写真
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感想
GW間近なのでソロシステムのおさらいに二子山へ。
知る人ぞ知る絶壁の岩山である二子山は、一般ルートと手を使って攀じ登る程に急峻で近くて気軽に穂高のような岩歩きが楽しめる山ですが、クライマーとしての認識としては、国内屈指の難ルートが並ぶ上級者向けのスポットで、先日も海外の有名クライマーが登りに来たりしています。
ペーペークライマーである僕とは縁遠い場所のはずなのですが、頂上へ抜ける中央稜は、お手軽な難易度でアルパインクライミング的なクライミングが楽しめるのです。
二子山は最寄の駅などなく、バスも一日に数本というアクセスの悪さからしばらく保留にしていたまま忘れていたのですが、GW直前のトレーニングを兼ねて登ってきました。
公共の移動機関では不便でも車で行くと国道299から林道へ入って峠を進めば、取り付きの直ぐ近くまで上がれるのでアプローチがすごく楽です。
では以下山行記録
アプローチ：
朝7時半に駐車場に到着すると、既に4台車が駐車してあり、上等なスペースを1台残すばかりで、運よく最後の隙間に停める事が出来た。
荷物を整え、ポカリ500mlをザックにつめて出発。
登山口から10分も経たずに東岳と西岳のコルに到着する。下部の登山口から登るとここまで1時間程度の登りを要するが、裏の駐車場からではとても楽で、登山という観点からは少しズルをしているようなものだが、今回のメインは麓からの山登りではないのでショートカット出来るものは積極的にする。
コルから少し下り、祠エリアとよばれる祠があるフリークライミングのスポットを西に進みロウソク岩方面へ歩く。
後方に二人PTが追って来るが、途中で姿を消したので、おかしいと思ったが、少し行き過ぎていたみたいで、ロウソク岩まで行ってしまいそこから岩壁沿いに引き返す。
後方の2PTが中央稜の取付で準備を始めていたので、彼らが今日の先発となる。
僕が到着して数分遅れで団体が2組到着したのを見て、もう少し遅れていたらかなりの順番待ちをしなければならなかったとホッとする。
とは言え、ソロ登っていると後続PTを待たせてしまう可能性があるので、急いで支度をして準備進めた。
1P目 �元�-：
先行PTのフォローが2P目に到着したのを確認して登り始める。
セルフビレイ用のアンカーが無かったので、木にスリングを巻きつけてアンカーとする。
久しぶりのソロ登攀に動きが心なしかぎこちない。後続PTが大勢いるので急いで登り始めるとザイル末端からソロイストに掛けてしまった事に途中で気がつく。
これではクリップしてもザイルが最大まで伸びている状態なので何も意味がない。
やばいとおもったが、どうせ下部は�元薜焚爾療俘気覆里婆技襪靴禿个襦�支点も無いのでどうせ意味がない。
階段状の下部を登るとテラス状の場所に出てそこでもセルフ兼下降用の支点が作られているが、そこでクリップしてザイルを引き上げて正常な状態にしてから右手側のちょっとした縦クラックを登り、終了点のテラスまで伸ばさないで立木を使って支点を作るとそこから懸垂下降して下部アンカーと回収しに行く。
取付におきっぱなしのザックを背負い、アンカーにしていた木からスリングを回収しユマーリングで登り返す。ソロで一番疲れる作業だ。
2P目 �控�-：
ユマーリングで登り、立木のビレイを解除してからフリーでトラバースしてテラスに出る。まだ先行PTはトップが登り切った所で、ボルトが空かないと、アンカーも作れないので待機する。
後続PTも登り始めたのを眺めながら順番がやってくると、ハンガーボルト2つでアンカーを作って登り始める。
ゴツゴツしたスラブで石灰岩特有のポケットやクラックをなぞって登る。1P目とは違い高度感も出ているので慎重に足を運ぶ。
途中で、素直にクラックをなぞって登っていると頭上にリスにピトンが打ってあるのが見えたが、明らかに難しいので少し戻ると直ぐ横のカンテ沿いにハンガーボルトが打ってあってカンテに出ると容易に登れた。
2P目終了点はそのカンテの終点から横に入ったクラックで、先行PTが支点を使っているのを確認して行き詰ったので、唯一持ってきたカム#05とナッツで支点を作って下降する。ランニングでカムを使う分には案外適当なものだが、いざ体重を掛けてユマーリングまでやるとなると少しばかり緊張する。
3P目 �控蕁棔�5.7）：
核心のピッチ。縦に走ったクラックを登る。探せばガバがあるが、クラックが始めてだとフットジャムで戸惑うかもしれない。
中間でボルトが2つ短い感覚で打ってある場所があり、ここが核心。クラックから一瞬はじかれてフェイスを登らなければならず、高度感から緊張するが、落ち着いて足を運べば問題ない。
4P目 �元蕁棔�
かなり広いテラスに出る。おもわず休憩したくなるような場所だが、ユマーリングで登り返した時には先行PTの姿が見えなかったので進む。
ハンガーボルトも無いので木でアンカー取るだけ取るが、見るからに支点がない。本来であれば簡単な階段を上がっていくのだろうけれど、3P目で大分体も温まってきたので、中央の簡単なボルダーっぽい岩があるのでそれを乗り越えると、バンドに出て一本だけピトンが打ってあった。
クリップしてから左手のクラックを跨ぐ様にして登ると、再び立った壁が現れた。
5P目 �控蕁次�
全く記憶に残っていない。上手い具合にホールドがあるのでスイスイ登っていく。
6P目 �控蕁�
下部のスラブはガバガバなのですんなり行くと、3本のラインが目の前に現れる。
右手側は古いピトンが見えるのでルートは存在するようだが、一見して脆そうだ。
中央は凹角状になっていて小さなハングを乗り越えるルートが見える。
おそらく正解は左側のルートから外れた簡単な道を歩く�卦蕕覆里世�、つまらないので中央を突破する事にする。
支点が無いので1発目に全然役に立たない#0.5を無理やり効かせてクリップして自分を騙してから取り付き、続いてナッツで支点を取る。見上げると古いピトンが見えたが、届かないので気合入れて体を宙に投げ出す。
つっぱるようにして足を決めて手を捜すとホールドは豊富なので少しばかりクライミングっぽい動きをして乗り越える。
もう一段登ってさらに縦に伸びるクラックが見えてそれも自然なラインに見えたので、登っていく。下部のハングに比べてみれば楽チンだった。
他の人の記録を見ていると全然ハング越えが出てこないので多分ルートを間違えたのだろう。
直ぐ目の前が稜線で直ぐ脇を覗くと簡単そうだったので、ここでギアをまとめてザックにしまって終了。靴も履き替えてクライミングシューズの指先の痛みから解放される。
稜線に出ると気分は終了。360度の展望でザックを下ろして休憩をとる。水が足りなくて喉が渇くが腹が減ったのでパンを食べる。
このまま降りても退屈なので西岳を縦走する事にする。何を勘違いしたのか東岳方向へ進んでいるつもりが、正反対を突き進んでいて、ローソク岩のところまで来た所で迷子だった事に気がついた。前回来た時の東岳の稜線と勘違いしたんだね。アホだ。
中央稜には1PTが取り付き始めていて、取付にザックが1つ靴と一緒にデポしてあった。もしかしたらソロの人が登っていたのかもしれない。
祠ルートを通って少しだけ見学してから駐車場まで降りた頃にちょうど昼を回った頃で、少しだけギアの整理をしてから峠を下った。
帰りはむちゃくちゃいい天気でドライブだけでも十分に楽しい。
山桜も見頃で、藤が満開になっていた。
日が暮れる前に千葉に帰って来てGW前だと言うのにとても充実した休日となった。
反省点：
やはり後続PTが居ると緊張してしまうらしくミスが多い。出来る限り覚えいる事を書いたつもりだが、暑さにやられたのか5P目以降の記憶が混濁している。落ち着いて写真もそれ程取らなかったので僕が登った5P目のあの核心がどこの位置にあったのかが謎だ。
久しぶりのソロは、やっぱり一切信用できないソロイストで気分はほぼフリーソロだ。3P目までは緊張したが、大テラス以降は積極的に登れたとおもう。
しかし驚いたのは、車の気温計で26度を越えていた事。低山はすっかり夏山に変わりつつあり、虫の忙しさは既に梅雨前の状況のようだ。ブヨっぽいのも飛んでいたので注意したい。
GWは穂高のアイスを登ろうとおもっていたのにこの気温は正直うれしくない。残雪を堪能しようっていうのに、稜線の雪溶けてるみたいだし……。
毎年毎年状況が違ってて楽しいものです。
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