鐘撞堂山・円良田湖と埼玉県歴史と民俗博物館「縄文コード」
埼玉県
hirokok510
体力度について
- GPS
- 03:44
- 距離
- 7.7km
- 登り
- 314m
- 下り
- 266m
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| 天候 | 晴れ |
|---|---|
| 過去天気図（気象庁） | 2023年12月の天気図 |
| アクセス |
利用交通機関：
電車
|
写真
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この右側の円良田湖特産センターの矢印がどちらに向いているかがわからない―左の円良田あんずの里と同じ方向かどうか、地図にはないので悩む
感想
元旦に丹沢の塔ヶ岳に上る予定なので最近履いていないトレッキングシューズを試す目的で鐘撞堂山から円良田湖を歩くことにしたこれまでトレッキングシューズのほとんどが外反母趾のために親指付け根などが痛くなることが多く、ここ10年近くはトレランシューズを使い、それでもいたくなるとさらに柔らか目大きめのウォーキングシューズを使ってみた。冬の丹沢は、アイスバーンを歩くなどの事態を想定し、チェーンアイゼンなど装着できるものと考えたが、どうなることか？
まず、手始めに鐘撞堂山から円良田湖を歩いてみることにした。ここは歩いたことがなかったかも？
始発電車で新宿、熊谷経由で秩父線に乗り換える。電車内には、秩父線とタイアップしたアニメか漫画のストーリーと思われる絵や秩父の化石や動物の絵が車内に描かれていて楽しめる。
桜沢駅で下車、八幡神社脇からハイキング道に入る。八幡神社奥の入口から八幡山を越え、下って上ると次のピークに出る。右手の三角点を確認してから左手の鐘撞堂山への急下降を始めると手前からの巻き道と合流、合流地点には、何故かビニール下カバーされた切り株が多数みられる。どうやら何か害虫な様なものが発生し、薬剤燻蒸処理していると書かれている。谷津池分岐を過ぎ、右の丘の上に駐車場を見ながらいよいよ鐘撞堂山はの最後の階段の登りが見えてくる。急な階段の脇の登り坂と左に巻き道も見える。どれを選ぼうか、迷って右の急な山道を進むが、結局巻き道に下って行く。巻き道は、楽な最短コースのようだ。
悔しいので巻き道を進まずさらに登る道が見えたので進むと前方に三丁の展望台が目の前に。すでに地元のハイカーが山頂に数名集まっている。毎日日課のように登る人もいるに違いない。それらしい地元の人と何度もすれ違った。山頂の東屋でコンビニ200円弁当を食べ、水分補給をして、展望台に上って寄居方面や秩父の山々を撮影、空はガスがやや多めで釜伏峠方面や近場の山は見えるが、奥秩父など遠くまではよく見えない。食事と撮影を済ませ、出発。まず円良田湖特産品センターへの道の道標が少しおかしく、どの道を選ぶべきか、さまよったがアプリが差す方向を見極め、下り始める。落ち葉に覆われた道を進み、円良田湖特産物センター近くまで下る。センターには農産物などが売られるが、シーズンオフのせいか、飲食の提供はなかったが、店の構えはありそうだった。荏胡麻の産地なのか、荏胡麻油や荏胡麻ラー油なども売っていたので、ラー油を購入。円良田湖を見ながら波久礼駅へと急ぐ。ワカサギのシーズンらしく、多くの釣り客が糸を垂らしていた。途中駅への近道があり、その近道が終わる手前に末野窯跡の案内板が見えた。古墳時代から平安時代にまたがる登り窯で須恵器生産拠点の一つであったらしい。なんとか11時台の秩父線に間に合い、熊谷へと戻る。
円良田湖から波久礼駅に出て熊谷経由で大宮公園に向かう。帰りもアニメイラストの動物の絵が描かれた電車を楽しみ、熊谷で乗り換える。昼食が少なかったので途中残ったパンやミカンなどを齧る。
山中では痛くなかった右足親指付近が次第に痛みを感じ始める。やはりこの靴では長時間の登行は無理かな？
大宮で東武野田線（アーバンパークライン）に乗り換え、大宮公園駅で下車して博物館に向かう。今日が今年最終日だ。
館内は静かでわずかな人しかいないようだ。企画展室に入り、展示を見始める。予想に反し、かなり大規模な展示で、265点もの県内各地、各時期の縄文土器を集めており、展示はすべて土器、しかも一点一点にすべてキャプション、解説がついている。これもめったに見ない展示方式だ。また、土器の展示には文様の展開図が写真で示されている。これは縄文土器研究の大家の元国学院大学教授、小林達夫氏らが始めたものか？撮影は著名な美術写真家の小川忠博氏とある。
また縄文コードに関して冒頭で日本の近代考古学の起点となったモースによる大森貝塚の発掘調査でモースが命名した"cord marked pottery"のcord（縄）とsighnとかsymbolという意味を持つcodeコードを掛け合わせた語呂合わせ的な使い方だが、この後者のコードに関して、展示では4つの視点で読み解こうとしていた。
�‘貶舷佑寮こΥ僂離魁璽�
��土器の出自のコード
�Ｅ擺錣鼎�りのコード
�せ藩僂離魁璽�
�，任亙戸佑涼罎房悗筌爛�デ、カエルやイノシシ、人体などを表現するものの中に縄文人の信仰・精神世界を読み込もうとする
�△僚仄�コードでは土器の地域性と縄文人の出自、ルーツなどの表現についてよみとく
�Ｅ擺錣鼎�りコードは地域ごとにある土器づくりの技法の共通性について
�せ藩僂離魁璽匹任蓮�土器の役割、使用方法のコード
というように4つの視覚から土器をひもとこうとしている。
これらがどこまで成功しているかは別として、集められた土器は県内各地を代表する優品であり、その一つ一つの解説を読み、音声を聞きながらじっくり観察できることは素晴らしい体験だ。
最初の草創期と早期の土器は、これまで見たことのない秩父の「神庭洞穴遺跡」出土の隆起線文土器、深谷市宮林遺跡出土の多縄文土器など、これを見ることができたことですでに来てよかったと思った。また皆野町妙音寺の洞穴遺跡出土の貝殻沈線文の尖り底土器、さいたま市明花向（みょうばなむかい）遺跡の早期野島式の尖り底や波状口縁の深鉢など、めったに見られない各地の優品が勢ぞろいしていることに感動する。
前期の土器で特に目を引いたのは、伊奈町の谷畑遺跡の前期関山式の山形突起のある深鉢で細やかな文様の美しさは絶品だ。
また中期の優品土器は数々あれど桶川市前原遺跡9号住居跡出土の「トロフィー型」土器はには驚かされる。なんでこんな形の土器を作ったのか――縄文人に聞いてみたい。
後期では何といっても安行式土器だ。川口市安行猿貝貝塚の土器を基準資料とする安行式土器、そのルーツはさいたま市寿能泥炭層遺跡出土後期曾谷式、熊谷市諏訪木遺跡の高井東式土器、鴻巣市赤城遺跡9号住居跡出土の曾谷式土器らしい。また加須市長竹遺跡出土の曾谷式ひょうたん型の土器も祖型の一つとしている。
安行式の後半期（晩期）には、東北北部の亀ヶ岡式土器の影響が顕著になり、三叉文や入組み文などの複雑な文様の入った複雑な形、豚鼻状瘤のついた土器など、想像を超えた造形にただ魅了されるばかりだ。
スマホの電源が切れそうなのでロッカーに荷物を入れて充電していたが、スマホでQRコードから音声解説があることがわかり、一時間くらい見学し一度カメラで撮影してからショップに行って展示図録を求め、コーヒーを飲んで休憩、展示が素晴らしかったことをメールで考古サークルの面々に知らせ、ロッカーに戻って靴を取り換え（痛くなった時の用心で最近履いているミッドフットの柔らかいウォーキングシューズに履き替え、スマホを持って企画展示室に戻る。
QRコードを読み取るとほぼキャプション通りに読み上げる不思議なAI音声が聞こえてきた。それでも実物の土器を見つめながら音声を聞くと単にキャプションを読むのと異なり、印象の残り方も違い悪くない。スマホでの音声解説を聞きながら再度スマホ撮影をしているうちに閉館の4時半になる。3時半近くにわたる縄文土器見学を終えて帰宅の途に就いた。
参考＝末野窯跡（「四季めぐりめぐりて」より）＝名 称：末野窯跡（ すえのかまあと）
種 別：登り窯跡
時 代：平安時代
指 定：埼玉県指定史跡（名称：末野窯跡 大正15年〔1926〕3月31日指定）
所在地：埼玉県大里郡寄居町末野2263-3
古代武蔵の国には、南多摩窯跡群（東京都八王子市）、東金子窯跡群（埼玉県入間郡）、南比企窯跡群（埼玉県比企郡）、末野窯跡群（埼玉県大里郡）の四大窯跡と呼ばれる須恵器生産の拠点があったとのことです。このうちの3か所が埼玉県西部に集中しています。
末野窯跡群には90基近い登り窯跡が存在していたことが判明しており、これら窯跡で須恵器・皿などのほか瓦、埴輪など多彩のものが盛んに焼かれていました。『末野窯跡』は、その末野窯跡群の一つで、当時のまま保存されており、埼玉県指定史跡になっています。
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