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Yamareco

記録ID: 6320722
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ハイキング
日光・那須・筑波

備前楯山(有越山〜小滝坑跡)

2023年12月30日(土) [日帰り]
 - 拍手
体力度
4
1泊以上が適当
GPS
07:50
距離
17.2km
登り
1,208m
下り
1,274m
歩くペース
標準
0.91.0
ヤマレコの計画機能「らくルート」の標準コースタイムを「1.0」としたときの倍率です。

コースタイム

日帰り
山行
7:16
休憩
0:35
合計
7:51
8:31
159
足尾歴史館
11:10
11:18
95
12:53
13:13
33
13:46
13:49
26
14:15
14:19
123
16:22
天候 晴れ
過去天気図(気象庁) 2023年12月の天気図
アクセス
利用交通機関:
電車 バス
東武日光・足尾ルートパスは冬・夏季限定、3500円で浅草からぐるりと一周出来る(2日間有効の2日め)。
その他周辺情報 足尾では12月に入ると休業する施設が多いとは聞いていたが、駅の待合や公園の水道・トイレまで閉鎖されていたのはちょっと困った。
まず手始めに冬期休業中の足尾歴史館にやってきたものの、目星をつけていた施設用道路は通行禁止の様子。それならと駐車場奥にある稲荷社側から迂回し、擁壁の切れ間の道なき急斜面を上がっていく形になった。
2023年12月30日 08:33撮影 by  STYLUS1 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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12/30 8:33
まず手始めに冬期休業中の足尾歴史館にやってきたものの、目星をつけていた施設用道路は通行禁止の様子。それならと駐車場奥にある稲荷社側から迂回し、擁壁の切れ間の道なき急斜面を上がっていく形になった。
不思議と人気のなさそうな有越山コースだが、かつての空中索道跡を訪ねながら歩けるのが魅力。木陰に足尾の町並みを見下ろしつつ進んでゆくと、行く手には朝日に照らされる巨大な鉄索塔が早々に現れた。
2023年12月30日 09:06撮影 by  STYLUS1 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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12/30 9:06
不思議と人気のなさそうな有越山コースだが、かつての空中索道跡を訪ねながら歩けるのが魅力。木陰に足尾の町並みを見下ろしつつ進んでゆくと、行く手には朝日に照らされる巨大な鉄索塔が早々に現れた。
谷を渡る索道の軌跡を追いかけ、取り付きの尾根から一旦外れてトラバース。再び尾根に乗った南有越山の肩には、先程の鉄索塔からの中継所となる基礎や、飯場跡と思われる建物の遺構が残っていた。
2023年12月30日 09:48撮影 by  STYLUS1 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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12/30 9:48
谷を渡る索道の軌跡を追いかけ、取り付きの尾根から一旦外れてトラバース。再び尾根に乗った南有越山の肩には、先程の鉄索塔からの中継所となる基礎や、飯場跡と思われる建物の遺構が残っていた。
最初のピークとなる南有越山に上がると、簀子橋堆積場が人目を憚るように深い山間を占めているのが暴かれた。産業遺構の大物(というか現役)ではあるが、足尾の負の遺産でもあり銅山観光のように脚光を浴びることはないのだろう。
2023年12月30日 10:30撮影 by  STYLUS1 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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12/30 10:30
最初のピークとなる南有越山に上がると、簀子橋堆積場が人目を憚るように深い山間を占めているのが暴かれた。産業遺構の大物(というか現役)ではあるが、足尾の負の遺産でもあり銅山観光のように脚光を浴びることはないのだろう。
南北の有越山を繋ぐ尾根には、索道跡をなぞるように石積みの土台やコンクリの基礎が点在していた。ちなみにこの先は水山と名の付くピークが多く紛らわしいが、木々の間から白い土手っ腹を晒しているのが本家・水山らしい。
2023年12月30日 10:46撮影 by  STYLUS1 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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12/30 10:46
南北の有越山を繋ぐ尾根には、索道跡をなぞるように石積みの土台やコンクリの基礎が点在していた。ちなみにこの先は水山と名の付くピークが多く紛らわしいが、木々の間から白い土手っ腹を晒しているのが本家・水山らしい。
北有越山を越えたところの曲輪状地では、これまでの石作りではなく鉄の遺構が集中して現れた。放置された軽トラやショベルカーもさすがに自走ではなく、残されたワイヤー塔とウィンチ機が懸命に引っ張り上げたものだろう。
2023年12月30日 10:58撮影 by  STYLUS1 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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12/30 10:58
北有越山を越えたところの曲輪状地では、これまでの石作りではなく鉄の遺構が集中して現れた。放置された軽トラやショベルカーもさすがに自走ではなく、残されたワイヤー塔とウィンチ機が懸命に引っ張り上げたものだろう。
林間に伸びてゆくモノレールを見送り、羊のように群れ成す冬枯れの谷地坊主の間を抜けて奥水山(P1114、ヤマレコ地図だと水山)へ。見上げれば空へのカタパルトのごとく、見下ろせばグラススキーのゲレンデのような不思議な尾根だった。
2023年12月30日 11:10撮影 by  STYLUS1 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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12/30 11:10
林間に伸びてゆくモノレールを見送り、羊のように群れ成す冬枯れの谷地坊主の間を抜けて奥水山(P1114、ヤマレコ地図だと水山)へ。見上げれば空へのカタパルトのごとく、見下ろせばグラススキーのゲレンデのような不思議な尾根だった。
三吉転峠を最後に遺構は見えなくなり、続く黒岩への急登は灌木に袖を、浮石に足を取られながらの苦しい行程となった。汗を拭い顔を上げれば、庚申山の稜線に今まで隠れていた皇海山が、励ますようにわずかに顔を見せていた。
2023年12月30日 12:35撮影 by  STYLUS1 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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12/30 12:35
三吉転峠を最後に遺構は見えなくなり、続く黒岩への急登は灌木に袖を、浮石に足を取られながらの苦しい行程となった。汗を拭い顔を上げれば、庚申山の稜線に今まで隠れていた皇海山が、励ますようにわずかに顔を見せていた。
備後楯山(というピークがあることも初めて知った)を経て、やっと備前楯山に登頂。正面に構える男体山の影から、昨日と違ってしおらしげにこちらを覗いているのは女峰山。見る場所が異なれば山の印象も随分変わるもんだ、と妙に感心する。
2023年12月30日 12:56撮影 by  STYLUS1 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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12/30 12:56
備後楯山(というピークがあることも初めて知った)を経て、やっと備前楯山に登頂。正面に構える男体山の影から、昨日と違ってしおらしげにこちらを覗いているのは女峰山。見る場所が異なれば山の印象も随分変わるもんだ、と妙に感心する。
山頂から望む本山製錬所の跡地は、淀んだ沈殿池を思わせるソーラーパネルの発電所になっていた。ただ残された大煙突だけが、対峙する梵天岩や龍蔵寺の墓石群とかつての歴史を語り合っているかのようだ。
2023年12月30日 13:05撮影 by  STYLUS1 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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12/30 13:05
山頂から望む本山製錬所の跡地は、淀んだ沈殿池を思わせるソーラーパネルの発電所になっていた。ただ残された大煙突だけが、対峙する梵天岩や龍蔵寺の墓石群とかつての歴史を語り合っているかのようだ。
そして見晴らす社山から太平山にかけての山稜は、まさに彼岸というような茫漠たる光景。中央から黒い滝のように雪崩れるのは松木堆積場、手前のザレザレの尾根も気になるが辿り着くルートはあるのだろうか。
2023年12月30日 13:12撮影 by  STYLUS1 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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12/30 13:12
そして見晴らす社山から太平山にかけての山稜は、まさに彼岸というような茫漠たる光景。中央から黒い滝のように雪崩れるのは松木堆積場、手前のザレザレの尾根も気になるが辿り着くルートはあるのだろうか。
舟石峠へと下山の途につけば、向かいの中倉山がぐっと近付く。有名なブナの木はもちろん稜線を征く孤高のハイカー?の姿も確認できるが、波平ピークの一本立ちを見分けるのはちょっと難しそうだった。
2023年12月30日 13:40撮影 by  STYLUS1 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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12/30 13:40
舟石峠へと下山の途につけば、向かいの中倉山がぐっと近付く。有名なブナの木はもちろん稜線を征く孤高のハイカー?の姿も確認できるが、波平ピークの一本立ちを見分けるのはちょっと難しそうだった。
舟石林道に接続すると、後は駅まで延々と舗装路歩きとなる。単調で退屈な道中は、集落跡に残された廃墟や石碑などを眺めて、かつての賑わいに思いを馳せれば時が経つのも早い気がする。
2023年12月30日 13:56撮影 by  STYLUS1 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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12/30 13:56
舟石林道に接続すると、後は駅まで延々と舗装路歩きとなる。単調で退屈な道中は、集落跡に残された廃墟や石碑などを眺めて、かつての賑わいに思いを馳せれば時が経つのも早い気がする。
銀山平を経て小滝に辿り着いたところで、有越以来の産業遺構巡りを再開。足尾三坑の中で最も操業期間が短かったのがこの小滝坑、本山のように長く続いていたら庚申山や袈裟丸も禿山になっていたかもしれない。
2023年12月30日 14:49撮影 by  STYLUS1 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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12/30 14:49
銀山平を経て小滝に辿り着いたところで、有越以来の産業遺構巡りを再開。足尾三坑の中で最も操業期間が短かったのがこの小滝坑、本山のように長く続いていたら庚申山や袈裟丸も禿山になっていたかもしれない。
対岸にそびえる燕岩の底部には火薬庫跡。下流の宇津野と違って自由に見学できるが、建屋がある訳ではなく岩盤を穿っただけの豪快な作り。こんなところにダイナマイトが山と積まれていても平然としているのが、鉱山の嗜みというものか。
2023年12月30日 14:51撮影 by  STYLUS1 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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12/30 14:51
対岸にそびえる燕岩の底部には火薬庫跡。下流の宇津野と違って自由に見学できるが、建屋がある訳ではなく岩盤を穿っただけの豪快な作り。こんなところにダイナマイトが山と積まれていても平然としているのが、鉱山の嗜みというものか。
少し下ると道端に鉱夫浴場跡、もちろん往時は露天ではない。随分洒落た意匠の浴槽だなと思ったら、外側で体の汚れを落とし内側に浸かるという、山男ならぬ鉱山男の汚れっぷりを勘案した合理的な設計らしい。
2023年12月30日 14:54撮影 by  STYLUS1 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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12/30 14:54
少し下ると道端に鉱夫浴場跡、もちろん往時は露天ではない。随分洒落た意匠の浴槽だなと思ったら、外側で体の汚れを落とし内側に浸かるという、山男ならぬ鉱山男の汚れっぷりを勘案した合理的な設計らしい。
最後は精錬・選鉱所跡、小滝坑の心臓部だけに遺構にも随所に煉瓦積が奢られている。付近には社宅地や小中学校跡の石垣や基礎も残され、人口一万人という大規模な街の片鱗を伺えるが、今や全ては静かな森の中に帰りつつあった。
2023年12月30日 15:12撮影 by  STYLUS1 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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12/30 15:12
最後は精錬・選鉱所跡、小滝坑の心臓部だけに遺構にも随所に煉瓦積が奢られている。付近には社宅地や小中学校跡の石垣や基礎も残され、人口一万人という大規模な街の片鱗を伺えるが、今や全ては静かな森の中に帰りつつあった。
冬期恒例のイルミネーションが灯る頃、ようやく原向駅に到着した。普段はのんびりしたムードのわたらせ鉄道も、各駅で趣向を凝らした飾り付けを鑑賞するには、少々忙しすぎる足取りに感じた師走の暮れだった。お疲れさまでした。
2023年12月30日 16:54撮影 by  STYLUS1 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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12/30 16:54
冬期恒例のイルミネーションが灯る頃、ようやく原向駅に到着した。普段はのんびりしたムードのわたらせ鉄道も、各駅で趣向を凝らした飾り付けを鑑賞するには、少々忙しすぎる足取りに感じた師走の暮れだった。お疲れさまでした。
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