大朝日岳〜紅葉の山をのんびりと〜
- GPS
- 32:00
- 距離
- 19.2km
- 登り
- 1,786m
- 下り
- 1,786m
コースタイム
- 山行
- 7:20
- 休憩
- 3:15
- 合計
- 10:35
- 山行
- 4:30
- 休憩
- 1:50
- 合計
- 6:20
天候 | 10月8日:快晴,10月9日:晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2014年10月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
良好 |
その他周辺情報 | 水沢温泉館(国道沿い、道の駅「にしかわ」に併設)に立ち寄り湯 |
写真
感想
念願だった紅葉の朝日連峰に行こう。何日も前から天気予報とにらめっこ。台風が過ぎ去った10月8日と9日に狙いをつけ仕事を調整する。コースは日暮沢から登り竜門から大朝日の一巡コースを目論んだが、日暮沢林道が通行止めとのこと。古寺鉱泉から大朝日往復。場合によっては竜門まで足を伸ばす計画に変更した。
10月7日、定時に仕事を終わらせその足で古寺鉱泉に向かう。蓮田SAで食事をとり、何回か小休止を取り古寺鉱泉駐車場に着いたのは午前0時45分。500 kmの道のりは遠かった。駐車場では10台あまりの車が停車していた。放射冷却で車外はすこぶる寒く3℃まで冷え込んだ。興奮で寝付けず、14夜の月を見ながら長い夜を我慢した。
午前4時半頃、隣の車では登山準備を始めた様子だったので自分もシラフから出て準備を始めた。おにぎりを1個食べて、ヘッドランプを点け5時15分に出発。ブナ林の登りは快適であったが、本日一番乗りなので熊が怖く熊よけ鈴をさかんに鳴らしながら登っていった。日が上るにつれ紅葉も鮮やかになり、テンションも上がっていった。途中、日帰りと思われる何人もの登山者に追い抜かれるが、こっちは息が上がらぬようマイペースで登っていく。とはいえ、古寺山の直前の登りは半袖でもたっぷり汗を絞られ、日頃の運動不足を思い知らされた。
古寺山で朝日の主脈に初見参。紅葉のなだらかな稜線が素晴らしい。紅茶を沸かし、SAで買ったサンドウイッチで景色を見ながらの朝食。その間にも日帰り登山者が競うように通過していく。古寺山を発った直後、大朝日小屋に泊まった人とすれ違う。昨晩の泊まり客は1人だけだったとのこと。大朝日小屋は混むと思い込み、竜門小屋までがんばろうと思っていた私は、ここで「無理していくことはないや」という気分になりペースダウン気味に。何度も立ち止まりザックを下ろして撮影に興じたり山を見たりと、時間をかけて素晴らしい稜線を楽しんだ。
銀玉水は稜線から少し下った所にあった。冷たくておいしい水。傍らで食事をしていた登山者から、「夏は蕎麦をこの水にさらして食べると最高」と話していた。銀玉水からは、私を追い抜いていった何人もの登山者とすれ違う。私は相変わらずのペースで登っていく。
大朝日小屋に到着したのは11時45分。古寺から6時間半もかかった。ここで完全に竜門小屋まで行くのをやめることにした。小屋の管理人は忙しそうに小屋の冬ごもりの準備をしていた。小屋の前の広場でお湯を沸かし、カップ焼きそばの昼食を取る。風は冷たく急いでセーターを取り出す。さっきまで大汗をかいていたことが嘘のようであった。
食事後、早速宿泊の手続きをし、2階の南向きの窓際に寝床を確保した。小屋の管理人はとても気さくな人で好感が持てた。小屋に荷物を置き、大朝日の頂きまで往復した。百名山89座目の登頂。頂上では単独行の登山者が一人食事を取っていた。お互いに頂上での「証拠写真」を撮り合った。この登山者はこれから古寺に下山するとのことで、そそくさと頂上を後にした。誰もいない頂上でじっくりと眺望を楽しんだ。
小屋に戻り、ビールとつまみ、カメラ、水を補給するための空のペットボトルを持って中岳方面に散歩する。どこもここも素晴らしい。浄土を思わせるような景色が広がっていた。誰もいない稜線で自分だけの時間を存分に楽しんだ。西朝日まで足を伸ばそうかと考えたが、中岳からの遠い道のりを見て断念した。中岳で思い残すことなく山を満喫してから、金玉水で水を補給して小屋に戻った。
小屋では次々と登山者が到着し、今宵は20名強ほどの泊まり客であった。小屋の中でアルファ米の五目ご飯、ビーフジャーキー、ワカメスープの夕食を取り、隣の登山者とお互いの山歴などについて語り合っていると、小屋の管理人から「素晴らしい落日だぞ」と声がかかる。風が非常に冷たかったが、雲一つない完璧な落日であった。反対側には、15夜の月が東の空に輝いて、その方角に向かって影の大朝日岳の鋭峰が伸びていた。小屋の管理人が「こんな素晴らしい夕景は滅多にない」と興奮気味に話していた。日本海に落ちる陽の最後の一筋の輝きを見届けてから小屋の中に戻った。今宵はさらに何年かぶりの皆既月食があり、ウイスキーを飲みながら小屋の中から窓越しにその様子を観察した。あちこちから寝息が聞こえてきた。21時過ぎには就寝。
夜中の2時、トイレに起きるついでに星を見に外へ出た。管理人も外に出てきて、温度計を見せながら「マイナス3℃だ、冬になったんだね〜」と話しかけてきた。さらに管理人から小屋の前から見えるあちこちの夜景の街の名前を教わった。印象深い夜となった。
もう4時前から目を覚ましているが、周りはまだ眠りの中。4時半過ぎまで我慢して寝袋を飛び出し、大朝日岳の頂きに御来光を見に行く。風は強くなくそれほど寒くなかった。雲が多かったのでそれほど期待しないで、日の出を待っていると大きな太陽が出てきた。陽が差すと共に山々の景色が刻々と変化した。結局、頂で御来光を拝んだのは私を含めて3名だけであった。写真をあちこち撮りながら小屋に戻った。山の朝は早い。小屋に戻ると、ほとんどの登山者は出発準備に取りかかっており、何人かはもう出発していた。私も煽られるように急いで朝食の準備に取りかかった。お湯を沸かし、そそくさとカップラーメンをすすった。
7時10分に小屋を出発。出発は私が最後であった。管理人から、「次のピークの祠の先3〜4 mの所、猛吹雪でも全く風のないところがあるんだ。ハイマツの葉っぱの方向を見れば分かる。先人さんは知恵があるんだね。そうゆう所に祠を奉納するんだ。」と出発間際に教えてもらった。歩きながらその場所を探したが、結局分からずじまいだった。
下山は早い。銀玉水で喉を潤し、小朝日の紅葉の写真を撮った以外は古寺山までほぼノンストップ。古寺山でクッキーとジュースの小休止。今日も天気が良く日なたにいると暑い。夜の寒さが嘘のようだ。古寺山の下りは長かった。一服清水までは小1時間かかった。幾度となく登山者とすれ違いそのたびに道を譲る。一服清水で喉を潤し10分休憩。後は気持ちの良いブナ林の間を軽快に下っていき、11時20分に古寺鉱泉到着。
帰りは、水沢温泉に立ち寄り汗を流して高速に乗った。途中、宮城県内のパーキングエリアで仮眠を取り、上河内SAで夕食を取ってから、夕方のラッシュが一段落した首都高を駆け抜け、自宅に到着したのは21時半であった。
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