唐松岳(唐松沢本谷)
天候 | 高曇り後快晴(ほぼ無風) |
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過去天気図(気象庁) | 2024年01月の天気図 |
写真
感想
しばらく更新不可であろう極上スティープパウダー!いい条件で当てることができた。唐松沢に入ったのは自分ひとり。南滝手前からの沢床は大穴の連続。滝は高巻きで回避。水の流れを脇目に何とか通過できた。
当初は奥抜戸沢を狙っていたが、全幅の信頼をおいているSCWも予報が安定しない。3日前にまとまった降雪。この辺は前日に上の方だけ降ったと思われる。アルパインを狙うにはうってつけなのだが。新穂高で車中泊、午前3時半に起床。どうも雲が完全に抜けるのは午後の遅い時間になりそうだ。前日降雪のあったお手軽八方に移動することにした。幸い時間はある。
夜が明けると、日の出こそないが見事に白馬三山が丸見え。高曇りか。抜戸岳に少し後ろ髪を引かれながらも、7000円のリフト券を購入する。朝のスキー場はフラットライト気味で起伏が見えにくかったが、好天に転ずる予報である。寒いが無風。グラートクワッドでスタート地点へ。平日だが30人はいた。きのうの降雪時も風がなかったはずである。やはり尾根上もたっぷりの着雪。これは期待できる。
とりあえずの押出沢。少しスキーを取られるが、最高速で飛ばせる。下部は1人分しかない狭さだが、ハーフパイプ状を楽しむ。渡渉して林道に出ると晴れ間も見えてきた。人力でアダムまで戻る。2周目はどこに行くか思案しながら再びトップへ。薄日が差している。
爆風ガリガリがデフォルトの八方。尾根にここまで雪が残ってるのはかなり稀有だ。諸事情によりクトーやアイゼンを持ち合わせていない。しかしDルンゼまでは厳しいとして、山荘までスキーで行くことができれば、もしや。という考えが浮かぶ。
北面や南面を滑って登り返してくる人もいる。崩沢や大岩シュートもまだ空きがある。しょっちゅう雪崩れてる2361もきれいに雪がついていくつかのトラックが走る。きょうはどこを滑っても最高だろう。スキーで進めなくなったら引き返そう。
頂上から降りてくる登山者とスライドするが、上部を目指すスノーヤーはもういない。時おり思い出したかのような爆風にさらされるが、ガリガリは出てこない。あれよあれよと言う間に大迫力の二峰が眼前に迫る。ついに山荘までスキーも脱がず到着できた。
さっそくコルから本谷を覗き込む。「当たりだ」。山スキーの楽しさには様々な要素があるが、見立てがドンピシャで当てはまったときの爽快感も格別だ。気付けば上空、雲は取れ青空が見える。北面なので影の中だが、光があるのとないのでは大違い。焦る必要もないので、ピットチェック。1メートル近くは正構造で破断もしない。45度程度のスティープだが、雪が良ければ雪崩以外の恐怖心はまったくない。思い切りよく無心で飛び込める。前回はガリガリの薄パウだったので、同じ斜面とは思えない。ありったけの雄叫びをあげなら自在にターンを決め一気に唐松沢に合流する。
きょうは誰も唐松沢に入っていない。急峻な岩峰に囲まれた、だだっ広い沢の中で贅沢な時間を噛みしめる。
南滝はもちろん高巻き。その後はどうだろうと少し不安があったが、無名沢からいくつかのトレースが。登り返しの形跡はないので、彼らは二股まで下れたのだろう。いくつもの大穴を眼下に脇をすり抜けていく。ジャングルジムのような堰堤が見えれば一安心。渡渉して少しシールで登れば、しっかりと踏み固められた林道に出た。
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