氷ノ山どころか境界尾根にたどり着くのがやっとだった大雪直後の激ラッセル
- GPS
- 09:32
- 距離
- 5.1km
- 登り
- 394m
- 下り
- 381m
コースタイム
天候 | 曇りのち小雪 |
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過去天気図(気象庁) | 2024年01月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
今回も警報級の大雪が2日続いた次の日だったにもかかわらずスタッドレスの最低地上高の低いFF車で十分通れた。 そのうえ今回の駐車地は兵庫県側のトンネルギリギリのところで大型の除雪車両の転回地にもなっているのか、これまた常に綺麗に除雪され、普通車なら10数台駐められると思うが、除雪車両の邪魔にならないよう駐める位置は考える必要があるかも。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
ここから上る際は少なくとも積雪期はポスト等は見当たらない。 本来はおそらく昔スキーツアーコースだったであろう名残か長い林道を経て境界尾根に乗るのが積雪期の一般ルートと思われ、それが嫌で自分はだいぶ手前から1073で分岐している支尾根に乗るルートを取っているが、いずれにしても長いコースであることさえしっかり理解して準備していき、積雪期の定石通り尾根筋を辿れば危険な場所は無い。 |
写真
装備
個人装備 |
長袖シャツ
長袖インナー
ハードシェル
タイツ
ズボン
靴下
グローブ
アウター手袋
予備手袋
防寒着
ゲイター
ネックウォーマー
毛帽子
靴
ザック
アイゼン
スノーシュー
昼ご飯
行動食
非常食
飲料
水筒(保温性)
地図(地形図)
コンパス
笛
ヘッドランプ
予備電池
GPS
ファーストエイドキット
保険証
携帯
時計
サングラス
タオル
ツェルト
ストック
カメラ
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感想
関西の今年の冬は雪が降る度に積もっていそうな山探して登りに行ってるが、帰ってくると気温上がって雪は消え、いつまで経っても雪たっぷりのモフモフを堪能出来る状態にならない。
そこへ二日続けての警報級の大雪。
被災地の方々には申し訳ないが、この期を逃さないようどこがいいか調べてると多いのはやはり伊吹、武奈、氷ノ山あたり。
このうち伊吹は多すぎて道路状況が微妙だし、武奈は行くとすれば坊村だろうけどそうするとみんな同じこと考えて人多いかも。
同じくらい積もりそうな氷ノ山も一般的な登路だと同じことかもしれないが、氷ノ山なら一番好きで雪崩の恐れも無い境界尾根という手がある。
しかもその登山口に至る道路は国道で常に除雪され、すぐ横にこれまた除雪車両の転回場所になっているのか常に除雪された駐車場まである。
そして今回も雪が降った後暖かくなったり雨降ったりして一気に雪が減らないうちに、そして人があまり入らないウィークデイのうちに登ろうとまだ積もりたてで全く締まっていない状態の所に入ることに。
行ってみれば二日続けての警報級の大雪でおそらく7〜80センチ以上は積もったんだろうか。
それがまだ締まらない、まさに求めていたモフモフ状態ではあったんだが、モフモフすぎ。
今年の雪の少なさに焦りすぎてました。
もう駐車場前の道路渡って林道に入る時点でつぼ足では腰まで埋まってしまって動けない。
そこからスノーシュー履いて、出だしからいきなり、帰ってくるまでずっと膝上前後の一人ラッセル。
モフモフとはいえパウダーと言うほどサラサラではなく少し湿って深さがあるので、林道でさえスノーシューを雪の上まで持ち上げることは出来ずずっと雪の中を押し分け押しのけながら歩く状態で、スタスタとは歩けずまさに花魁歩き。
山に入れば木々の下なら少しはマシかと期待するも傾斜があるとそこまで浅くなったとも感じず、逆に標高上がるにつれ深くなる。
そしてこのルートは出だしがいきなり一番の急登で、もうとても立ってなど上れず四つん這いで一歩につき何度もスノーシュー蹴り込みながら上るが、体重かけると崩れてしまって10〜15センチくらいしか進まない。
正直この出だしの激ラッセルですでに退却考えた。
しかしさすがにここで帰るのは悔しく恥ずかしく、かといって林道を何時間もラッセルで上るのもきつすぎだしばかばかしい。
せめてこの出だしの急登さえ上り切れればと思い、しばらく無心になるようジグザグをどこで切るか斜面見上げて考えまくったり歩数数えたりしながらなんとか立てる所まで上った所でまた考えた。
これはもう氷ノ山どころか三ノ丸だってまったく不可能。
それこそ途中で動けなくなってビバークになること目に見えてる。
しかしまだ足は動くので、とりあえず区切りとして県境尾根出合いにある1073の木を目指すことに。
そのくらいならおそらくまだ付けてきたラッセル引き返すくらいの体力はあるだろうし、出だしの急坂もこの積雪量ならスノーシューでも下れる。
もしもまだ足が残っていればそこから県境尾根を戸倉峠まで下るという選択肢もある。
そうこう考えながらそこから1073までは出だしほどの急登はもう無いし、急登上りきってしばらく行った風下でもう腹減って飯食べたり、途中一瞬陽が差して綺麗で気力戻ったりでなんとか木にたどり着き記念撮影。
また晴れ間が出て綺麗な1073の木を見てなんか気力が湧いてしまい、お腹も減ってないので引き返さずそのまま進んで県境尾根を下る事に。
ところが、数歩踏み込むといきなり足の付け根まで落ちて大焦り。
この県境尾根は所々古い数字の標識が残されている事から昔はスキーツアーコースだったのではと想像しており、その際木が切り開かれたらしき所もあってそういう場所はやはり林間と違って雪が吹き溜まり易く、そんなところに突っ込んでしまったらしい。
このあたりは尾根を挟んで西が杉の植林で東が広葉樹の疎林になっており、広葉樹は葉が落ちて雪が素通しで積もるのに対し、杉は葉が落ちないので木の上に雪が溜まって地表は少しは雪が浅いので出来るだけそちら側を歩くが、風が吹くとその雪の塊がバラバラドスンドスン落ちて絨毯爆撃に晒される。
それでもおそらく積雪期の一般ルートである林道との接続地点までは上りよりは楽に歩けた。
右下にその林道を眺めて一瞬そちらに下りる事も頭をよぎったが、ただの林道をラッセルで何時間もはやはり嫌だったのでそのまま尾根通しに。
ところがここからが結構急な幾つものピークの上り下りで地味に辛い。
万が一積雪期にここを上りに使ったらやはり三ノ丸までも行けないと思われる急さ。
やはりこの季節は林道が正解なのかとちょっと後悔しながらもなんとか歩き切って戸倉峠あたりで林道に降り立つ。
この時点で気分はもうほとんどゴールの感じで気が緩んでしまったが、ここからがまた長かった。
気は緩んでしまってるのにラッセルの状態は変わらずただただ平坦な林道を一歩ずつ花魁歩きで前に進んでいく。
これでもう残っていた気力脚力根こそぎ削られてしまい、堪らず途中何も無い所で雪に降られながら飯に。
少し回復してまたしばらく進むとついに朝の自分のトレースに。
そこからはもうあっと言う間に駐車場に。
今回は大雪直後の大変さをあらためて思い知り、いくら低山、里山とはいえ無茶だったなと反省もあり、またトレース、踏み跡がある事の桁違いの楽さ、ありがたさも再認識。
全然上に行けなかったのにむちゃくちゃ疲れた1日でしたが、やりきった感は十分の、雪不足の欲求不満を吹き飛ばすラッセル山行になりました。
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