津久井城山・自然観察=いきもの語り・峰ノ薬師・梅の木平ハイク
- GPS
- 06:46
- 距離
- 15.1km
- 登り
- 749m
- 下り
- 681m
コースタイム
- 山行
- 6:21
- 休憩
- 0:26
- 合計
- 6:47
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2015年06月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
|
コース状況/ 危険箇所等 |
津久井城山の城山登山口は、圏央道により、すっかり変わってしまった。バス停から少し戻ると、圏央道を渡る歩道橋が見えてくる。対向車線のバス停に地図が張ってあるので、それを見て歩道橋まで戻り、高速を渡ると登山口が見えてくる。津久井湖から峰ノ薬師に至る道では道標はなく、関東ふれあいの道以外のルートで歩く場合は。事前にルートを確認しておく必要がある峰ノ薬師表参道入口からは道標がしっかりしている。梅の木平のバス停ではバスは3本しかないので、高尾山口までは歩くことになる。 |
写真
感想
今週は今日が一番良いお天気らしいので、とりあえず津久井城山の「いきもの語り」というパークセンターと地元のグループ自然観察会に参加し、峰ノ薬師から高尾まで歩くことにした。最近購入したAKUのトレッキングシューズ(アプローチシューズ)が、長い時間はいているとまだ足先が痛いので、少し薄い靴下で、緩めに締めて軽いコースで履きならすことも目的としている。橋本駅から新小倉橋経由の三ヶ木行バスに乗り、城山登山口で下車。しかし圏央道ができてから、周囲の様相は一変し、どうしたら登山口に行けるか、よくわからない。バスの運転手に聞くべきだったが、降りたらわかると思ったら大間違い。よくわからず、進行方向に進んでみるが、城山に通じる道はない。戻って思案しているとママチャリ自転車に乗った地元の人と思しき人が通りかかったので、尋ねると戻ると歩道橋があり、渡ると登山口に出られるという。戻ると対向車線のバス停に地図が張ってある。なぜ下車したバス停には地図が張っていないのか、不思議だ。補剛鏡を渡り、歩道橋を降りていくと登山口に出た。木道をしばらく進むと男坂・女坂分岐があり、男坂に進む。短い急登を登ると、稜線に出て十兵衛山展望台に向かう。高尾・八王子方面の展望が開けている。ここから城山山頂まで、、クサリもあるアップダウンが続く。以前歩いた時よりも整備されていて、クサリで危ない急登も問題なく歩ける。鎖場の急登を終えると女坂が合流する。ここから鷹狩場や飯縄曲輪、飯縄神社など様々な城山の遺構が出てくる。
様々な遺構を通過して、山頂に出る。山頂でトイレ休憩して、エネルギー補給し、下山。少し足先が痛くなったので、ひもを緩めて調整。自然観察会はパークセンター10時集合なので、ゆっくり下山する。分岐まで戻り、車坂から城坂を下って、御屋敷に出てパークセンターに出る。顔なじみのメンバーの顔が見え、挨拶する。久しぶりの観察会、四季の広場に進む。今日のメインは「実」、この季節、ウメ、サクラ、イチゴ、クワ、エゴノキ、クリ、その他多くの植物が実をならしている。様々な花がそれぞれの実をならすーー雄しべ雌しべ―雄花雌花ーークリの雄花と雌花、どこに雌花があり、実がなるのか、雌花を探す。雄花の根元に見つける。探すのは結構難しい。クリの雄花は少し甘いにおいがする。虫が群がっている。アオカミキリモドキをはじめ、様々な甲虫、蛾などが群がっている。
中にはヨコヅナサシガメのような中国産の外来生物もいる。大きな肉食の昆虫らしいが、特定外来生物には指定されていないが、刺されると痛いらしい。
この地が講演になる前には果樹園だった場所があり、このあたりにはクワ、クリ、カキ、モモ、リンゴなど、様々な果実のなる木が点在している。メンバーの話しでは、結構おいしい実がなるらしい。ニガイチゴの木も多く、その実は結構甘くおいしい。手の届く範囲は大分食べられているようだ。果肉を食べると黄色い子房が出てくる。同じイチゴの名前がついていても、種類によって種の付き方、可食部分など色々な違いがあるらしい。ここではニガイチゴ(キイチゴ)とヘビイチゴの違いを確認した。次に園内に点在するホタルブクロに注目、花弁の中の雄蕊、雌しべの形、状態、関係について、中を観察した。雌しべは雄しべの中にあり、雄しべが中に入るムシが花粉をつけると、雌しべが中から延びて雄しべの壁を突き破り、外に出てくる、そしてその先端が分かれてそこに他の株の花粉を付けた虫がやってきて受粉するという仕組みだ。こうして自家受粉を避けて子孫を残す工夫があるようだ。植物は何億年もの長い長い進化の歴史の中で驚くべき多様な進化の過程を経ており、その工夫ぶりには驚愕することが多い。
ホタルブクロの観察の後、ハコネウツギの咲く休憩所付近で様々な鳥を声が聞こえてきた。ホトトギスやウグイス、シジュウカラなどの声がするが、誰かがイカルが鳴いているという。かなり遠くからだ。別の方向に向かおうとしたら、「いました」と発見の声。双眼鏡で遠くの杉の枯れ木の天辺を見ると、イカルが盛んに泣いている、体全体を動かして、細い木の天辺を揺らしながらの感動的な演技だ。イカルの姿を見たのはここ10年くらいの間では初めてだろう。今日はよいものを見た。この後休憩所から小網方面に少し下って斜面のコケやシダ類を見ながら希少種で保護されている「エビガライチゴ」を観察、なかなか他では見られないイチゴだ。れっきとしたバラ科キイチゴ属のイチゴだが、まだ毛におおわれているーやがて毛が落ちて中の実が熟せば食べられる。
ここで解散し、私は少し下で昼食をとる。12時10分頃出発し、小網諏訪神社から津久井湖に出る。いつものコースより少し三ヶ木方面寄りを進み、413号線を歩かずに渡り、畑の間の径を進んで三井大橋を渡る。津久井湖では釣り人が船を出している。津久井湖は城山ダムにより形成された人口湖で相模川の流れがダムでせき止められてできたもの。北側にある城山湖は、城山ダムに揚水発電所ができた時に、一時上の城山湖に貯水し、昼間にまた放流して発電するというサイクル。城山湖は相模推計ではない境川を本沢ダムによってせき止めた人口湖で、この2つのダム湖は他ではあまり見られないユニークな関係にあるようだ。津久井湖は生活排水などが流れ込み、しばしばアオコが発生する富栄養化問題が深刻で、その水が一時貯水される城山湖も同様の問題を抱えるようだ。目の前の電波塔のある三沢峠手前のピークは峰ノ薬師の少し上にあるようだ。三井バス停付近から路地に入り、ダートの道を進むと紀州生まれの江戸中期の行者僧の徳本師が八王子大善寺訪問の際にこの地に立ち寄った石碑があり、それを過ぎると別の祠に向かう階段を通り過ぎる。さらに進むと津久井湖方面の展望が開け、丹沢の峰々もよく見えていた。津久井湖北岸を走る車道に出て、そこが峰ノ薬師表参道の入口だった。この道は長い間人々に歩かれ、今は関東ふれあいの道となっているので、道はよく整備され、広くて歩き易い。登っていくと親子連れが歩いており、馬頭観音のお参りをしている。挨拶をして先を急ぐ。10分くらいで中間地点にある道標があり、さらに7〜8分登ると峰ノ薬師に出る。社務所のようなおみくじ売り場があり、その上に薬師堂があった。お堂は薬師如来、日光月光菩薩や12神将が収められているようだが公開される御開帳はあるのだろうか?社務所前の広場には10名くらい、家族連れなど休憩していた。薬師堂の右を登ると、展望が開け、相模原や八王子などが展望できる。12分ほど登ると奥の院があり、弥勒菩薩などが収められているという。さらに5分ほど登ると、これらの仏様を守護する金毘羅様の祠がある。赤い鳥居の奥の小さな祠だ。その先には電波塔が見える。三井無線中継所とその先に国土交通省の防災無線局がある。このあたりはピークになっているが、地図で出ている榎窪山はここではなく、草戸山方面に少し進んだところにあるピークらしい。すぐ先に草と山分岐があり、さらに進むと大洞山・大垂峠・梅の木平・草戸山分岐の三沢峠があった。ここでは今日一番のハイカーの流れがあった。大きなグループが草戸山⁼南高尾山稜のほうに移動していった。時間があれば草戸山から南高尾山稜を歩いて高尾山口まで出るのだが、今日は夕方用事があるため、ウメの木平に直接下ることにした。ここからは南浅川の支流の案内川のさらに枝沢の地形図に名前の出ていない沢沿いに下る。ドクダミとヘビイチゴばかり目立つコースだ。沢像なので至る所から水が出ており、コースの道にも水が冠水している箇所がある。道はおおむね広く歩き易い。
20分くらいで高尾グリーンセンターという林業改良普及協会で運営しているアウトドア−、林業ボランティアらのための宿泊施設があり、一泊3千円だが調理場やバーベキュー設備があり食事は自炊らしい。
さらに5分くらい下ると野鳥を撮影しているグループが樹上を見上げている。奥の小高い樹林帯に何かが動いている。尋ねるとサンコウチョウだという。カラスの後を追いかけているのだ。カラスの卵でも狙っているのか、面白い光景だが遠すぎて鳥の影しか見えない。鳴き声と尾が長いのでサンコウチョウに間違いないらしい。後で調べてみると、サンコウチョウはカラスの卵を狙っているのではなく、逆らしい。サンコウチョウが卵を産んで子育てをしているときにカラスが近づくと、サンコウチョウがカラスを追い払うために体当たりする姿が時々観察されているのだという。鳥も生き抜くのに大変な思いをしているのだった。
すぐ先には駐車場があり、この辺りまで車で入れるようだ。車に乗り込む。私は高尾山口まで先を急ぐ。駐車場から5分くらいで養護老人ホームがあり、その先の茂みに半夏生に似たつる植物が白い歯を光らせている。これはどうやらマタタビらしく、青い実をつけている別の木の上にのしかかっていた。ホームの前の農家は畑仕事をしていたが、代掻きをした後の田んぼがあり、これから田植えをするのかーー??
さらに下ると立派な手入れの良い庭園を持つ懐石料理のお店があり、それを過ぎると峰ノ薬師の別の入口の大きな看板がある。南高尾山稜などの周囲の山々を見ながら国道20号線に出る。梅の木平のバス停を通過し、高尾山口駅まで、何とか予定の15時前に到着した。
コメント
この記録に関連する登山ルート
この場所を通る登山ルートは、まだ登録されていません。
ルートを登録する
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する