村山葉山 小僧森南面と沢滑走
- GPS
- 05:21
- 距離
- 11.6km
- 登り
- 1,149m
- 下り
- 1,130m
コースタイム
- 山行
- 4:39
- 休憩
- 0:38
- 合計
- 5:17
天候 | 曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2024年03月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
葉山市民荘まで自家用車でアクセス可。 駐車場も除雪されており、10台程度は駐車可能。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
●小僧森南面〜小僧森沢・・・滑走 小僧森南面にクラックやシェカブラは無く、状態は良好。 素晴らしい斜面に仕上がっているが、上部オープンバーンは急角度の雪崩地形なので滑走判断は慎重に。 南面の状態は良いが、その後に続く沢の状態は悪い。 例年に比べて雪が少なく、大僧森沢出合付近から下は至る所で沢が開いているので 沢に落ちないよう、工夫して越える必要がある。 現時点では辛うじて滑り抜けられる程度に雪は残っているが、そろそろ限界。 これ以上沢が開くと滑走不可能になるかもしれない。 |
写真
感想
昨日の調査で沢の状況は概ね把握したので、今日が本番。
午後から荒れる予報なので、午前中勝負で本命の小僧森南面を滑走する。
時間が限られているので早出が望ましいが、あまり早く登ると斜面が硬くて滑れない。
寒々とした稜線上で雪が緩むのを待つのは嫌なので、少し時間調整して8時に市民荘を出発する事にした。
出発時の駐車場には既に車が7台程度。
殆どが滑走目的のようで、市民荘から先には複数のスキートレースが続いていた。
昨日からの新たな降雪は無く、ラッセルも無し。
ブナ樹林を登り聖仏平へ至ると、今回の滑走対象となる小僧森南面が明瞭に見えた。
その真っ白な斜面に目を凝らすと、小僧森山頂には複数のボーダーの姿。
先行しているスキートレースがあったが、あれはスプリットボードであったか。
トップの1人目、続いて2人目、・・・最後、6人目。
順にドロップしてゆき、6人滑っても南面は崩れない。
どうやら積雪は安定しているようだ、とホッと胸を撫でおろす。
これから南面を滑る上での安心材料を得て、滑走準備に取り掛かる。
折角なのでボーダー達と同じく小僧森山頂からドロップしたいが、小僧森は急峻なピークで登るのが大変だ。
更に、山頂は風が強く、この強風の中で滑走準備をするのは辛いものがある。
よって、小僧森には登らず、基部から滑走スタートとする。
基部であれば稜線が風防となる為、風に煽られることなく落ち着いて準備できる。
既に6名が滑っているが念のため簡単なピットチェックを行い、滑走準備完了。
10:07 小僧森南面の滑走を開始する。
雪質はやや硬めではあるもののクラストはしていない。
悪くは無い雪質だったが傾斜が急で、転倒=滑落へと繋がるので緊張は隠せない。
とりあえず、あまりスピードは出さす慎重に。
大回りのターンで地味に高度を落として行く。
落ちるにつれて斜面は収束してゆき、やがて地形は両岸を尾根で挟まれた沢になる。
予想通り沢の積雪は少なく、去年滑った時は滑らかなハーフパイプ状であったが、今年は何とも歪な形状である。
雪が浅いのであまりボトムには入らず、右岸か左岸か、滑りやすい方を選んで進んでゆく。
積雪が少ない割にはデブリが多くて滑りにくい。
邪魔なデブリに悪態つきながら進んで行くと、前方に複数の人影が見えてくる。
先ほどドロップしたボーダー達が休憩しており、沢の安全地帯で寛いでいた。
先行の労に感謝しつつ、ここでトップを譲ってもらい、更に先へと進むと、
やがて、大僧森沢との出合に至る。
ここから先が、問題の箇所。
昨日偵察した穴だらけの沢である。
穴だらけの沢を滑走するのは、トレース無しだと難しい。
右岸を巻いて越えるか、左岸を巻くか?
高巻いて越えるか、それともこのまま突っ込むか?
滑走中に即決しなければならないので、判断力に乏しい私には難しい芸当だ。
だが、心配は無用、問題ない。
トップに立った事で先行トレースは失われたが、この先には前日に私が付けたトレースが残っている。
それを道しるべとして、穴を越えてゆく。
最後は左岸を高巻き、雪原へゴール。
無事に小僧森の沢を抜け、安全な雪原へ到達した事で安堵の息を付く。
時刻を見ると、まだ10時半。
雪原からは稜線上の大僧森が明瞭に見えており、空は薄っすらと青味を帯びている。
まだ天気は崩れておらず、風の音こそ大きいものの視覚的にはむしろ好天とさえ思える。
ならば、もう1本滑れるな、と。
再び畑コースの登山ルートを登り、小僧森へと向かう。
背後を見ると、先ほど沢で会ったボーダー達が市民荘へ向かって滑り降りて行くのが見えた。
そして、しばらく登ると、足早に下山してゆく登山者1名とすれ違う。
皆、午後から天気が崩れる事を把握しているようで、撤収が早い。
下山してゆく方々、計7名。
駐車場の車の台数からすると、これで私を除く全ての人達が下山する、という事になるのだろうか。
もはや登っているのは私だけ、という事実を知り、何とも心細い感覚を味わう。
しかし、天気は持ちこたえ、11:45に2本目スタート。
気温が上がった事で、雪は1本目の時よりも緩んでいた。
感触からするとザラメだろうか、これは良い雪、1本目よりも滑りやすい。
この雪質ならば少し大胆に滑っても良いだろう、と思い1本目よりもスピードを上げ、ターンを縮めたのがまずかった。
突然のストップスノーに板を掴まれ、たまらず転倒。
咄嗟にウィペットを刺したので加速前に止められたが、危うく滑落するところであった。
雪が緩むことで良くなる場所もあれば、悪くなる場所もある。
そのことを忘れてしまったのは、大きな失敗。
転倒時に出来た雪玉が勢いよく転がっていく様を見て、嫌な汗をかかされた。
ヒヤリとする場面はあったものの、その後は何事もなく。
沢を抜けて再び雪原へと戻る。
時刻は正午を過ぎていたが、それでも尚、天気の崩れは訪れず。
未だに稜線は見えており、大僧森は依然として真っ白な南面を見せつける。
それはまるで、3本目に滑りに来い、とばかりに誘っているかのようで、
一瞬、あの真っ白な南面に板を埋めてみたい、と思ってしまったが・・・
さすがにそれは止めておこう。
この状況で再び稜線に向かうほど、私は愚かでは無い。
滑走に夢中になっていたので気が付かなかったが、いつの間にか雨が降っていた。
やはり、天気は下り坂。
山が荒れるのも時間の問題、ここが潮時であろう。
大僧森に背を向けて雪原を後にする。
稜線上へはもう行かず、市民荘へ向かって滑り出す。
最後の滑走はモナカ雪。
今日も最後の滑走は恵まれず、太腿が悲鳴を上げながらの下山となる。
13:10 市民荘に帰還。
その頃には、雨は雪に変わっていた。
**************************************
2024年3月17日
村山葉山 小僧森南面〜沢の状況
コメント
この記録に関連する登山ルート
この場所を通る登山ルートは、まだ登録されていません。
ルートを登録する
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する