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Yamareco

記録ID: 693853
全員に公開
無雪期ピークハント/縦走
大雪山

ニセイカウシュッペ山

2015年07月09日(木) [日帰り]
 - 拍手
danjiri その他2人
体力度
3
日帰りが可能
GPS
04:49
距離
11.1km
登り
772m
下り
785m
歩くペース
速い
0.70.8
ヤマレコの計画機能「らくルート」の標準コースタイムを「1.0」としたときの倍率です。

コースタイム

日帰り
山行
4:05
休憩
0:44
合計
4:49
9:32
9:36
83
10:59
11:33
52
12:25
12:27
43
13:15
ゴール地点
天候 晴れ
過去天気図(気象庁) 2015年07月の天気図
アクセス
利用交通機関:
自家用車
古川林道終点の登山口近くに駐車スペースあり。森林管理所に古川林道ゲートのカギナンバーを問い合わせておくこと。
古川林道終点の登山口。登山届けをしっかり出しておく。
古川林道終点の登山口。登山届けをしっかり出しておく。
造林用の作業道だったとかで幅広の緩やかな道が延びる。
造林用の作業道だったとかで幅広の緩やかな道が延びる。
シラカバの並木道。
シラカバの並木道。
左手にピークが。ニセイカウシュッペ山の前衛峰のようだ。
左手にピークが。ニセイカウシュッペ山の前衛峰のようだ。
突然、右手に大雪山が。大雪山を北側から望んでいる。
突然、右手に大雪山が。大雪山を北側から望んでいる。
足元には花がちらほら。
足元には花がちらほら。
左手にニセイカウシュッペ山が顔を出した(左)。
左手にニセイカウシュッペ山が顔を出した(左)。
大雪山が丸見えになってきた。右奥が主峰の旭岳。しっかり残雪が付いている。
大雪山が丸見えになってきた。右奥が主峰の旭岳。しっかり残雪が付いている。
大槍(左)、小槍(右)も。ルートは大槍の基部を巻いていくようだ。
大槍(左)、小槍(右)も。ルートは大槍の基部を巻いていくようだ。
展望台。
大槍の登り。
ぐんぐん高度を上げ、小槍を見下ろす。背後はトムラウシ方面か。
ぐんぐん高度を上げ、小槍を見下ろす。背後はトムラウシ方面か。
大雪山が実に大きい。大雪山という山はなく、数々の峰全体を大雪山という。
大雪山が実に大きい。大雪山という山はなく、数々の峰全体を大雪山という。
紺碧の空にグリーンの斜面に真っ白の雪渓が延びる。
紺碧の空にグリーンの斜面に真っ白の雪渓が延びる。
ニセイカウシュッペ山が大きい。
ニセイカウシュッペ山が大きい。
大槍が近づいてきた。基部を巻いていく。
大槍が近づいてきた。基部を巻いていく。
登ってきた巻き道を振り返る。
登ってきた巻き道を振り返る。
前衛法も巻く。
大槍方面。
大槍と大雪山。
2015年08月09日 16:52撮影
8/9 16:52

感想

 ニセイカウシュッペ山は大雪山の北側に位置する山である。この名は限りなく知られていない。300名山に登ろうと意識するまで、この山の名前を知らなかった。標高は石狩岳やニペソツ山より劣り、さほど標高があるわけでもないのに、この山がなぜ300名山に選ばれているのだろうか。それは登って分かった。
 前日長丁場のオプタテシケ山から下山し、十勝連峰山麓の国立大雪青少年交流の家に泊まった。ここに3連泊。ここをベースにニセイカウシュッペ山、芦別岳、石狩岳、ニペソツ山に登る予定だ。青少年交流の家は、道立のネイパル森と同様、青少年に限らず「昔青年」も利用でき、一泊800円(+シーツ洗濯料200円)、夕食720円、朝食410円と利用料がきわめて安い。しかも温泉。ランドリー、乾燥機は無料である。これと同様の施設は全国各地にあり、関西には曽爾青少年自然の家、淡路島青少年交流の家がある。
 この山のコースタイムは5時間。後半に登る山のリストのなかで最も軽い山である。計画を立てる際に、前日のオプタテシケ山が長丁場なので、翌日は比較的軽い山を持ってきた。その翌日を休養日とし、残りのきつい石狩岳とニペソツ山に備えた。前半の山を順調にこなし、後半の第一座目の長丁場も無事こなした。この山も難なく登れるだろうと思われた。しかしハプニングが起きた。好事魔多し。

 7月9日、今日も快晴である。旭川を経て上川町市街を抜けて243号線を走ると、中越でニセイカウシュッペ山への標識が出てくる。オプタテシケ山の涸沢林道と同様、途中のゲートで森林管理署で教えられたキーナンバーを回して長々13キロも古川林道を走り、この林道がニセイカウシュッペ山を「軽い山」にしていてくれる。地図を見ると緩い等高線が規則正しく並んでいるとおり、林道は舗装道路並に快適である。
 8時30分、「ニセイカウシュッペ山 頂まで5・5キロ」の案内板に見送られてスタート。灌木の林に包まれた、実に幅広の緩やかな登山道が先に延びている。造林作業道だったという。道理でたんたんとした幅広の道である。登山口に「熊出没注意」の森林管理署の看板が出ていた。穏やかな登山道に安心してクマの注意を怠ってはなるまい。時々笛を吹く。灌木越しに真っ青の空が透けて見える。左手に均整の取れた高みが垣間見える。これがニセイカウシュッペだろうか。シラカバの並木道が気持ちいい。足元にトリアシショウマ、ミツバオーレン、ツバメオモト、エゾイチゲの花が見られる。すべて教えてもらった珍しい名前のものだが、覚えられそうにもない。
 いつの間にか広い尾根を歩くようになり、突然右手の灌木の切れ間から残雪たっぷりの大雪山が見えた。至近距離であるだけに大雪山が大きい。元々大きいだけにまこと大きい。左手にもごつごつした岩峰群とその左奥にニセイカウシュッペ山と思しきピークが見えだした。登山道は今歩いている尾根から大槍の岩峰群を巻きながら左回りでニセイカウシュッペのピークに連なっているようだ。先ほど見えたピークはニセイカウシュッペ山の前衛峰のようだ。谷筋に長い残雪の帯が延びている。地図の印象からは何の変哲もないルートのように思われたのに、これまでたどったことがないようなルートの展開にワクワクしてしまう。
 9時55分、展望台に出た。大雪山の大パノラマだ。ここは大雪山を北側から望んでいる。右端のピークにうっすらガスをまとっているだけ。一糸まとわぬ大雪山が目の前にある。大雪山の一つ一つの峰には名前が付いているが、大雪山は大雪山という峰はなく、大雪山にある峰々の総称である。以前層雲峡側から旭岳へ縦断したことがある。比高差はさほど大きくないがたくさんのピークを踏んでいった。山上の山の中にまた山があるといった感じだった。名のあるものだけでも愛別岳、比布岳、凌雲岳、黒岳、北鎮岳、北海岳、烏帽子岳、赤岳、白雲岳、地獄岳、旭岳を数える。明治〜大正期に活躍した紀行家にして歌人の大町桂月は「富士山に登って山の高さを知れ、大雪山に登って山の広さを知れ」という言葉を残したが、それほどに広い。ニセイカウシュッペ山はその大きく広い大雪山の展望台なのだ。

展望台からは大雪山の展望だけではなく、大槍の岩峰群の展望台でもある。ニセイカウシュッペ山がハイマツに覆われたたおやかな頂上台地にごつごつした大槍の岩峰群。相反する姿が実にいい。この岩峰群がなかったらニセイカウシュッペ山は単なる大雪山の展望台になり下がっていただろう。大槍の岩峰群が目の前に近づくと、右手下に小岩峰が突き上げている。これが小槍であることはすぐに分かる。大槍の岩峰群の左手(北側)を巻きながら斜上するように登っていく。足元に咲くチノクコザクラ、ハクサンイチゲ、ミヤマキンポウゲ、コケモモ、ミネゾウなどの花を教えられる。ハクサンイチゲ、ミヤマキンポウゲ、コケモモは何度も聞いたことがあるのになかなか覚えられない。実に情けない。
 一旦鞍部に出て前衛峰を巻き、ひと登りすれば広いニセイカウシュッペ山の山頂は間もなくだった(11時1分)。再び大雪山の大パノラマに見入る。たどってきた大槍の巻き道がくっきり見える。天塩岳らしい高みも望まれる。昨日のオプタテシケ山はこの時間になるとガスが立ち上がり始めていたが、今日はガスの上昇は微塵もない。それほど高気圧がど真ん中に居座っているのだろう。

 順調に登れ、大パノラマに酔いしれて下山だ。快適に下り瞬く間に展望台に戻った。ここで腰を下ろして一息入れた。この先は急な下りもない。快適な登山道が延びている。さらにピッチが上がった。下山後話を聞くと2番手を歩いていたY女さんは「トップとは間が空いてしまうし、後ろからはせかされる。半ば走っていた」という。下りに強いのでちょっと調子に乗りすぎたかもしれない。何の変哲もないところで転倒。身体が吹っ飛び右手のブッシュに飛び込んだ。ブッシュがクッションになり、幸い外傷も強打したということもなかった。再び歩き出すと左大腿部後ろ側に違和感が残った。転倒した際かばって踏ん張ったせいかもしれない。12時7分、林道の駐車地点に戻った。なんと1時間ちょっとで下ってきたことになる。飛ばしすぎだった。

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