白馬鑓ヶ岳 結局当初の計画が…


- GPS
- 13:31
- 距離
- 19.4km
- 登り
- 2,250m
- 下り
- 2,282m
コースタイム
- 山行
- 7:19
- 休憩
- 0:36
- 合計
- 7:55
天候 | 雨 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2024年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
バス
|
写真
感想
当初の計画では…
今年こそ最後に残った不帰ノ嶮を踏破して三大キレットを制覇しよう。そのために後回しにしていた白馬岳に登頂して、唐松岳にむかうルートにしよう。それなら登りのとりつきはもちろん大雪渓経由しかないでしょう。
そんな感じで、7月中旬に日程を組みました。
まず7月4日に白馬大雪渓が通行止めになりました。あまりに時期尚早の事態でビックリしました。
それでも猿倉から天狗山荘泊は変更しませんでした。鑓温泉経由で‘とりあえずキレットさえ行ければ良しとしよう’と考えていたのですが…
天気予報はずっーと雨模様。前のりした白馬駅周辺も昼夜降ったり止んだり。
朝一番で駅前から猿倉へバスに乗る。連休最終日と生憎な天気と大雪渓通行止めの影響か、乗客は2人だけで寂しいかぎり。
猿倉荘の登山相談所で情報収集した後、意を決して雨の中を出発。風がないのは唯一の救い。
鑓温泉までは、小日向のアップダウン以外はいたって穏やかな上り基調の道。雨量が雨量なのでぬかるんだり、流れになっていたりする。
けっこう下りの人とすれ違うので、ちょいちょい上の状況を聞いてみる。雪渓歩きのこと、岩場のこと、稜線の風のこと、それなりに覚悟はいりそう。
雪渓の横断は3箇所。それぞれに親切に目印がつけてあり、シャーベット状なのでキックステップで問題無し。むしろザレ場の迂回路のほうが急拵えのために不安定かも。
出発から4時間弱で鑓温泉に到着。屋根の下でしばし休憩。
ここから登山道の様子がガラッと変わる。急勾配の岩場基調になり、ところどころに鎖も付く。面倒くさらずに手も使って丁寧に歩けば問題は無し。
1時間ほど上ると足元はザレ場に変わり、がぜん高山植物の花々が多くなってくる。大雪渓の先のお花畑が有名だが、こちらの方も負けず劣らずなのでは。
温泉から2時間半で分岐に到着。稜線に上がった途端、暴風が襲ってくる。とりあえず白馬鑓ヶ岳の頭だけ踏みに行こうと向かったが、けっこう横なぐりの強さがしんどい。白馬岳から歩いてきた人たちの強靱さはスゴすぎじゃないか。
30分我慢して歩き抜き登頂。ブレブレの写真一枚撮って早々に退散。感慨もへったくれもない。
ザックのカバーも外れ、ズブ濡れの遭難者のような状態で分岐に戻って反対側に向かう。小屋の手前あたりでようやく稜線の東側に隠れて最悪な状況を脱する。そしてガスガスの真っ白な中、唐突に雪原下りが始まって異世界がハンパない。張られたロープと発電機の音を頼りに進み、出発から8時間ほどで天狗山荘に到達。
ようやく辿り着いた小屋が本当にありがたかった。宿泊者が4人のみだったおかげか、直ぐに乾燥室が利用でき、部屋のスペースは広々で、充電は自由だし、小鍋付きの夕食は美味しく頂き、ぐっすり朝まで寝ることができた。この日の凹みっぷりを十二分にリカバリー。
翌朝4時半起床。相変わらず雨は止んでない。この日の行程どう考えてもおもしろいことにはならないと確信し、不帰ノ嶮も白馬岳も諦めて猿倉に戻る決断。
5時半快適さに後ろ髪を引かれながら出発。雪原を上って稜線に出ると、早速突風が襲ってくる。昨日よりはマシだが、やはりガスガスの中で稜線歩きを続ける意欲は出てこない。
分岐を下り、大出原へ向かう。あっという間に風雨がほとんどおさまる。山の地形ってこんなもんでおもしろい。
ほぼほぼ濡れることがないので、前日あまり出来なかったお花畑の写真を撮りまくる。本当にたくさんの種類の花々が咲いている。貴重種と教えられたウルップソウもパチリ。
ダラダラと歩きながらも、ピストンの戻りで道はわかっていて特に問題もなく順調に下る。鑓温泉に着いたのが早すぎるくらい。
杓子沢あたりで猿の家族と遭遇。おそらく今年生まれたと思しき子猿が群れが飛び出して、わりと無警戒に近付いてくる。親猿を刺激して攻撃されるのも厄介なので、こちらからそっと離れる。たぶん正解の行動。
ゆるゆると歩いていくうちに雨はすっかりあがり、バスの時刻にだいぶ余裕をもって猿倉に帰還。
バスで八方へ移動。とりあえずここの強アルカリ温泉は最高だった。
結局当初の計画は、何一つ達成されませんでした。雨の中をピストンしただけで徒労感は拭いきれません。それでもお花畑やら、小屋の快適さやら、温泉やらで慰めを見つけて、大らかに受け止められているので、それも山行における成長なのかなとも思っております。
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